2024年1月からの税制改正によって『タワマン節税』が規制されることになりました。
この改正はタワマン以外のマンションも対象となるため、
相続税対策にも影響があります。
今回は、タワマン節税の仕組み、改正の背景と概要、影響と対策などについて解説します。
『タワマン節税』とは?
なぜ改正されることになったか
タワマンとは、
一般的にタワーマンションと呼ばれている高層マンションの略称です。
戸建て住宅と比べて、
一つの土地に非常に多くの住戸数を有している。
そして、
高層階ほど市場価値が相対的に高くなっていく
という特徴があります。
これまでは、
この特徴によって、
タワマンの相続税評価額を実勢価格よりもかなり低く抑えることが可能でした。
土地の評価額の計算には、
区分所有マンションは、
占有面積に応じての持分となるため、
戸数が多ければ多いほど、
1戸あたりの按分された評価額も低くなります。
建物についても原則として建物全体の評価額に対する占有面積の割合で計算されます。
よって、
占有面積が同じであれば、
どの階の部屋でも評価額は同じになります。
が、
実勢価格は建物の総階数や部屋の所在階なども考慮されて、
高層階ほど高くなる傾向にあります。
これらが要因となって、
タワマンの相続税評価額は、
実勢価格と大きく乖離する傾向がありました。
国税庁の報道発表によると、
2018年の実勢価格と評価額の乖離率は、
戸建て住宅の平均1.66倍に対し、
マンションは平均2.34倍です。
こうした実勢価格と評価額の差を利用して、
大きな節税効果を得る手法が『タワマン節税』と呼ばれ、
その過度な節税の実態が問題となっていました。
今回の改正では、
実勢価格と相続税評価額との乖離を縮めることを目的に、
タワマンに限らず、
区分所有マンションの相続税評価額の算定方法が変更され、
これにより、
戸建て住宅との格差も是正されることになります。
マンションの評価方法が変更に、どのような影響があるのか
今回の改正によって、
区分所有マンションを対象に、
相続税評価額が市場価格の60%未満となっているものについて、
60%になるように評価額が補正されることになりました。
具体的には、
築年数や部屋の所在階など実勢価格を反映する要素が加味された
評価乖離率が1.67倍を超える場合は、
「現行の相続税評価額×マンション1室の評価乖離率×0.6」
で評価されます。
この改正によって、
マンションによる大幅な節税効果は望めなくなりました。
ただ、現預金で相続するよりは、
相続税評価額で低く算出されるという不動産のメリットがなくなったわけではありません。
今後は、
様々な手法を組み合わせて相続対策をすることが大切です。
例えば、
インカムやキャピタルが望める不動産を購入し、
それが結果として評価が低い物件であれば、
節税だけを目的とした購入にはあたらないと判断できます。
改正後の影響と対策を解説
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