名古屋の交通の要所として、
不動産投資でも非常に人気が高い「金山エリア」。
今回は、このエリアに位置する売買価格640万円、
38年のワンルームマンションの実例をもとに、
その投資価値を徹底分析します。

  1. 物件の基本データと現状

まずは、対象物件のスペックを確認しましょう。

  • 所在: 名古屋市中区金山(金山駅から徒歩6分)
  • 価格: 640万円
  • 築年数: 1985年9月築(約38年)
  • 専有面積: 19.10平米(SRC造・北向き)
  • 現況: 月額4万円で賃貸中
  • 管理費: 月額12,000円(高め)
  • 修繕積立金: 0(非常に注意が必要)
  • 表面利回り:7.5%

交通アクセスは名城線「金山駅」から徒歩6分と非常に良く、
名古屋駅へも1駅という好立地です。
投資物件としては一見魅力的に映りますが、
詳細を紐解くと課題が見えてきます。

  1. 収益性の精査:表面利回りと実質利回りの乖離

表面利回りは7.5%ですが、
実際に手元に残る利益(実質利回り)を計算すると、
印象は大きく変わります。

  • 年間賃料収入: 48万円
  • 年間管理費: 14万4,000
  • 推定固定資産税:3万円
  • 年間実質収入:306,000
  • 実質利回り: 4.7%

さらに、築38年の物件は設備の故障リスクが高く、
年間5万〜10万円程度のメンテナンス費用を見込むのが現実的です。
これを考慮すると、
実質利回りは3.2%4.0%程度まで下がる可能性があります。

  1. 最大のリスク:修繕積立金「0円」の恐怖

この物件で最も懸念すべきは、
修繕積立金が0円という点です。
これは「隠れた瑕疵」とも言える非常に大きなリスクです。
将来の大規模修繕時に、
100
万円単位の「一時金」が突発的に徴収される可能性が極めて高く、
そうなれば数年分の収益が一瞬で吹き飛んでしまいます。

また、築年数の経過とともに賃料の維持は難しくなります。
好立地による地価の下支え効果は期待できますが、
建物自体の老朽化は避けられません。
リノベーションで競争力を維持しようとすれば、
さらに100万〜200万円の追加投資が必要になります。

  1. 投資の判断:野球で言えば「フルカウント」の状態

この物件への投資は、
野球に例えるなら「バッティング」のようなものです。
立地という「甘い球」が来ている一方で、
築古かつ積立金ゼロという状況は
3ボール2ストライク」の追い込まれたカウントと言えます。

この物件への投資に向いている方

  • 立地を最優先し、駅近の利便性に価値を感じる方
  • 自らリノベーションを計画・実行できるスキルがある方
  • 現金比率が高く、突発的な一時金の支出にも対応できる資金力がある方
  • 短期的収益より、長期的な資産形成(土地持ち分など)を重視する方

購入を避けるべき方

  • 安定した高い利回りを期待している方
  • 資金に余裕がなく、突発的な支出に対応できない方
  • 築古特有の老朽化リスクやトラブルを避けたい方
  • 遠隔地に住んでおり、頻繁なメンテナンス対応が難しい方
  1. 失敗しないための実践チェックリスト

金山エリアのような築古物件を検討する際は、
以下のポイントを必ず確認してください。

  1. 建物・設備の状態:
     給排水管の状態、
    エレベーターの更新履歴、
    北向き物件特有の結露やカビの有無。
  2. 管理組合の実態:
     積立金が0円の理由と今後の計画、
    総会の出席率や理事会の活動状況。
  3. 財務の精査:
     高額な管理費に見合うサービスが提供されているか。
    一時金徴収の可能性とその想定金額。
  4. 出口戦略:
     同じマンション内での過去の売買実績や、
    将来の売却可能性の予測。

結論

640万円という価格と金山駅徒歩6分という立地は非常に魅力的ですが、
表面上の数字に惑わされてはいけません。
「なぜこの価格で売られているのか」という理由を冷静に分析し、
隠れたリスクを読み解く力が成功の鍵となります。

立地の良さと価格のバランス、
そして高い維持費や修繕リスクを天秤にかけ、
総合的に判断することが投資成功への道です。

要約

- 物件の基本
  - 所在:名古屋市中区金山(駅徒歩6分)
  - 価格:640万円/1985年築(約38年)/専有19.10㎡(SRC・北向き)
  - 賃料:月4万円で賃貸中/管理費:月12000円(高め)/修繕積立金:0円(要警戒)

- 収益性の現実(表面実質)
  - 表面利回り:約7.5
  - 年間賃料48万円−管理費14.4万円−固定資産税約3万円=年間実質収入約30.6万円
  - 実質利回り:約4.7%/さらに年510万円の修繕見込みで実質3.24.0%へ低下

- 最大のリスク(積立0円)
  - 大規模修繕時に100万円単位の一時金が発生する可能性大。
  数年分のCFが一撃で吹き飛ぶ恐れ
  - 築年進行に伴う賃料維持の難しさ、
    北向き由来の結露・カビ、
    競争力維持のための100200万円規模のリノベ費用

- 投資適性(向く/向かない)
  - 向く人:立地最優先
               /自らリノベを実行できる
              /現金比率が高く一時金に耐えられる
             /短期CFより長期の資産性(土地持分)重視
  - 向かない人:安定・高利回り志向
                      /余剰資金が薄い
                     /築古リスクを避けたい
                     /遠隔管理で手間をかけられない

- 判断の勘所(チェックリスト)
  - 管理組合:積立0円の理由、長期修繕計画、議事録、滞納率
  - 建物・設備:配管・防水・EVの更新履歴、北向きの環境(結露・日照)
  - 財務:高額管理費の対価、一時金の発生確率・額
  - 出口:同マンションの売買実績、将来の売却可能性

 

例え話

 本件は「甘い球を待ちながらもフルカウント」の打席。
立地というストレートは魅力だが、
積立0円・築古という変化球が続く。
見極めを誤ると見逃し三振(CF毀損)になり得る案件です。

 

この動画から得られること

- 表面利回りと実質利回りの差(費用項目の全体像)
- 積立金ゼロが抱える一時金リスクの読み方
- 管理組合(長期修繕計画・議事録・滞納率)の診断法
- 築古×北向きの環境・設備リスクと追加投資の相場感
- 向く/向かない投資家の見分け方と撤退基準の設定

 

専門家としての付加価値

- 管理・修繕の赤信号
  - 積立0円の理由の特定(未徴収/一時金方針/計画未策定)
 /長期修繕計画の有無と資金充足率
 /直近工事履歴と次回工事予算

- 建物・設備の寿命
  - 配管材質・更新歴、
    屋上防水・外壁補修、
    EV制御盤の更新、
    北向き住戸の結露・カビ対策の有無

- 財務の織込み
  - 実質利回り=(年賃料−管理費−税−修繕見込み)÷(価格+諸費用)
  - ストレステスト:賃料▲5%、稼働90%、修繕+年510万円、管理費増で再試算

- 出口の現実
  - 同棟の過去売買・成約期間・値引き率、
    周辺相場との乖離、
    買主層(実需/投資家)の想定

 

視聴後アクション

- 管理資料を取り寄せる
  - 長期修繕計画、議事録、積立金残高、滞納状況を確認。
    積立ゼロの理由を明確化。

- 実質利回りを再計算
  - 管理費・税・修繕見込み(年510万円)を入れて実質利回りとストレス下のCFをチェック。

- 建物の健康診断
  - 配管・防水・EVの更新歴、北向き住戸の結露・カビの有無を現地で確認。

- 一時金の備えを試算
  - 100万円単位の一時金が来ても黒字を維持できるか、手元資金の許容量を確認。

- 出口を先に描く
  - 想定売価・売却コスト・成約までの期間をメモにし、売れない場合の保有戦略も用意。

 

 まずは「表面ではなく実質」、
そして「管理・修繕・出口」を同じテーブルに。
今日、管理資料の取り寄せと実質利回りの再計算、
建物の健康診断の段取りを整えてください。
積立ゼロの理由が曖昧なままの購入は避け、
数字と証拠で買う/見送るを決める
——
この規律が、あなたの資金を守ります。

 

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