相続人に胎児がいる場合の相続税の計算について

今回は、相続人の中に胎児がいる場合の相続税の計算について解説します。

  1. 民法における胎児の扱い

民法では、胎児は相続開始の時にすでに生まれたものとみなされます。
そのため、法律上は胎児であっても相続権を有していることになります。

  1. 相続税法における扱い

一方で、相続税の計算においては扱いが異なります。
相続税の申告期限(通常、相続開始から10ヶ月以内)の時点で
まだ生まれていない胎児は、
一旦、相続人の数には含めずに税額を計算します。

  1. 具体的な計算例

例えば、
お父様が亡くなられ、
相続人が奥様とお子様2人、
さらにお腹の中に胎児が1人いるケースを想定してみましょう。
申告期限までに胎児が生まれていない場合、
法定相続人の数は「3人(奥様とお子様2人)」として相続税を算出します。
胎児がいないものとして計算するため、
この時点では基礎控除額や相続税の総額は3人分を基準に決まります。

  1. 出生後の精算(更正の請求)

その後、
胎児が無事に生まれた場合、
結果として相続人が1人増えることになります。
相続人の数が増えると、
相続税の基礎控除額が増加するため、
相続税の総額が当初の計算より安くなる場合があります。

もし胎児の誕生によって相続税が減額される場合は、
一定の期限内(原則として5年以内)に「更正の請求」を行うことで、
納めすぎた税金の還付を受けることが可能です。

  1. まとめ

今回のポイントは、「民法」と「相続税法」で胎児の扱いが異なっているという点です。

  • 民法: すでに生まれたものとして相続権を認める。
  • 相続税法: 申告時に生まれていなければ、一旦カウントせずに計算し、出生後に精算する。

いざという時にご家族を守るためにも、
こうした正しい知識を知り、
備えておくことが非常に大切です。

胎児が相続人になる場合の相続税の計算について、
解説します!

相続の対象となるご家族の中に胎児がいるとき、
法律上は「すでに生まれたもの」として相続権を有します。
しかし、
相続税の計算では少し取り扱いが異なります。

胎児が相続人となる法的な考え方

・民法では、胎児は「相続開始のときに生まれていたもの」として扱われます。
 そのため、法律上は相続権を持っています。

・しかし、「相続税」の世界では、実際に出生していなければ、
 申告期限の時点では相続人の数に含めずに計算します。

相続税計算の具体的な流れ

. 1、申告期限までに胎児が生まれなかった場合
・申告書の提出時点でまだ生まれていない胎児は、
 相続人の数に含めません。
 よって、遺産に係る基礎控除額や相続税の総額なども、
 「その胎児がいないもの」として計算します。

2、その後胎児が無事に出生した場合
 出生すると、結果的に「相続人が増えた」ことになります。
 その結果、基礎控除が増えたり、
 相続税の総額が変わったりする場合があります。

・もし、出生によって相続税が減る場合は、
 一定の期間内(原則5年以内)に「更正の請求」をすることで、
 多く納めすぎた税金を返してもらえます。


大切なポイント

胎児が申告書提出日までに生まれていない
 相続人にカウントしない

出生したら
 更正の請求で精算可能

法律と税法で取り扱いが違っている、
という点が今回のキモなんです。

相続人の確認は、
単に家族構成を見るだけでなく、
「お腹の中に赤ちゃんがいるかどうか」
も大切なチェック項目になります。

胎児の場合は民法と相続税法で扱い方が違うので、
そこを正しく理解しつつ、
いざというときに、
更正の請求などの手続きをスムーズに進められるよう準備しておきましょう。

記事の要約(MECE

- 位置づけ

  - 民法:胎児は「相続開始時に既に生まれたもの」とみなされ、相続権あり。

  - 相続税法:申告期限(相続開始から10カ月)までに出生していなければ、その時点の相続人に含めず一旦計算。

- 実務フロー

  1) 申告時点で未出生胎児を人数に含めず相続税を申告・納付(基礎控除も未出生分は加算なし)。

  2) その後出生法定相続人が増えるため、基礎控除が増加し総税額が下がる場合がある。

  3) 減税となる場合「更正の請求」で還付(原則、法定申告期限から5年以内)。

  4) 逆に増税となる場合(分割・配分の見直し等で個別の税額が上振れ)判明次第、速やかに修正申告。

- 留意点

  - 取り扱いの差:民法は相続権の有無、税法は「申告時の出生の有無」で取扱い。

  - 出生後は、相続人が増えることに伴う各種控除(未成年者控除等)の適用可否も再点検が必要。

この動画から得られること(Learning Outcomes

- 胎児の扱い(民法×税法)の違いと、申告〜更正の二段階フロー 

- 期限管理:相続税申告(10カ月)と更正の請求(原則5年)の起算点 

- 実務の手順:出生前の申告方法、出生後の更正/修正申告、必要書類(戸籍・出生事項、当初申告控 等) 

- 控除の再確認:基礎控除の増加、未成年者控除・障害者控除等の適用可否 

- 失敗回避:証拠化(戸籍・通帳・遺産分割書)、期限逆算のスケジュール、還付受取の段取り

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例え話

相続の人数カウントは「観客席の予約」に似ています。
開演(相続開始)時に席は用意されますが、
入場(出生)していない人は一旦集計に入りません。
後から入場したら、
席数(基礎控除)を増やして精算(更正)する
—その順序を間違えないことが大切です。

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専門家としての付加価値(実務の勘所)

- 期限管理の型:出生届受理日など「起算日」を証拠化し、10カ月/5年をカレンダー化(逆算マイルストーン:評価書類提出)。 

- 更正/修正の線引き:出生で総税額が減る更正の請求、増える修正申告。両者の提出先・添付書類・期限が異なる点に留意。 

- 控除の適用:出生後の未成年者控除・障害者控除、配偶者の税額軽減の影響、法定相続分と実分割の整合を点検。 

- 還付の迅速化:更正の請求書に出生の事実・人数増・基礎控除増の根拠計算表・当初申告控の写しを添付し、審査期間を短縮。 

- 分割との関係:出生後に遺産分割を変更する場合は、相続人全員の合意書類を追加。登記や金融機関手続きの並行計画も用意。

視聴後アクション

- まず現状を整理する 

  1) 相続開始日と申告期限(10カ月後)をカレンダーに記入。出生予定日が期限前/後どちらかを確認。

- 申告の準備 

  2) 期限までに出生しない見込みなら、「胎児を除外」して相続税を申告・納付(当初申告控を保管)。

- 出生後の手続 

  3) 出生したら、基礎控除の再計算。税額が下がるなら5年以内に更正の請求、上がるなら速やかに修正申告。

- 書類をそろえる 

  4) 戸籍(出生事項)、当初申告控、再計算の内訳書、還付口座情報を一式準備。迷ったら税理士・税務署に相談しましょう。

正しい順序と期限を押さえれば、
胎児相続は難しくありません。
今日からスケジュールと書類を整え、
安心の手続きに備えましょう。

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引用
税理士法人A to Y メルマガ 令和7年3月7日配信
-相続-相続人となるべき胎児がある場合の相続税の計算

税理士法人 A to Y
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