今回は、公正証書遺言の仕組みやメリット・デメリット、
作成に必要な準備について解説します。

  1. 公正証書遺言とは

公正証書遺言は、
公証人(法律に基づき国から任命された公務員)が作成する公文書としての遺言書です。

作成の手順は、
遺言者が公証役場へ出向き(または公証人が出張し)、
遺言の内容を公証人に伝えます。
公証人はそれを筆記し、
遺言者と2名の証人が内容を確認した上で、
全員が署名・押印することで完成します。

  1. 公正証書遺言のメリット

公正証書遺言には、
他の形式にはない多くのメリットがあります。

  • 高い確実性と安全性:
    法律の専門家である公証人が関与するため、
    法的な不備で遺言が無効になるリスクが極めて低くなります。
  • 家庭裁判所での「検認」が不要:
    通常の自筆証書遺言は、
    死後に家庭裁判所で内容を確認する「検認」が必要ですが、
    公正証書遺言はこの手続きが不要なため、
    相続発生後すぐに手続き(不動産の名義変更や預貯金の解約など)が進められます。
  • 紛失・改ざんの心配がない:
    原本は公証役場で原則20年間(実務上はそれ以上)厳重に保管されるため、
    紛失や死後の改ざん、隠匿の恐れがありません。
  • 外出困難な場合も作成可能:
    高齢や病気で役場へ行けない場合でも、
    公証人が自宅や病院、介護施設まで出張して作成してくれるサービスがあります。
  1. デメリットと注意点

確実性が高い一方で、
以下のような点に留意が必要です。

  • 費用がかかる:
    遺産の総額や受取人の数に応じて、
    公証役場へ支払う手数料が発生します。
  • 内容が証人に知られる:
    2
    名の証人が立ち会うため、
    遺言の内容が完全に秘密にはなりません。
    ただし、
    守秘義務のある司法書士や弁護士などの専門家に証人を依頼することで、
    この懸念は解消できます。
  • 証人の制限:
    未成年者や、推定相続人(将来、財産を受け取る予定の人)とその配偶者などは、
    証人になることができません。
  1. 作成にあたって準備するもの

手続きをスムーズに進めるために、
一般的に以下の書類が必要となります。

  • 遺言者本人の実印および印鑑登録証明書
  • 遺言者と相続人の関係がわかる戸籍謄本
  • 証人の身分証明書と認印
  • 不動産に関する資料:
    登記事項証明書(登記簿謄本)や、固定資産税の評価証明書(正確な財産特定のため)。

まとめ:大切な家族の絆を守るために

公正証書遺言は、
遺言を確実にのこすための最も安全で信頼性の高い方法です。
後々の争いを防ぎ、
スムーズな相続を実現することは、
残されるご家族への何よりの思いやりとなります。

「まだ早い」と思わず、
元気なうちに一度検討されることをお勧めします。
具体的な内容や手続きに不安がある場合は、
まずは専門家へお気軽にご相談ください。

記事の要約(専門家視点・MECE

- 公正証書遺言とは
  - 公証人(国任用の法律専門職)が作成する公文書の遺言。
  遺言者の口述を公証人が筆記し、遺言者・証人2名が確認・署名押印して成立。

- メリット(他方式との違い)
  - 法的確実性が高い:形式不備で無効化するリスクが極めて低い。
  - 検認不要:死後ただちに不動産名義変更・預貯金解約など実務を進められる。
  - 紛失・改ざん防止:原本は公証役場で長期保管(20年目安)。
  - 出張作成可:自宅・病院・施設でも公証人が対応。

- デメリット・留意点
  - 費用がかかる:遺産額・受遺者数に応じた手数料が発生。
  - 内容が証人に知られる:守秘義務のある専門家(弁護士・司法書士)を証人に充てる等で対応。
  - 証人資格に制限:未成年、推定相続人とその配偶者等は不可。

- 必要書類・準備
  - 遺言者の実印・印鑑証明、
     相続関係がわかる戸籍、
     証人の本人確認・認印、
     不動産の登記事項証明書・固定資産税評価証明書など。

- 例え話(理解促進)
  - 公正証書遺言は「直行便の予約済みチケット」。
検認という乗り継ぎ(手続き)が不要で、
遺言の行き先(相続手続)へ最短で到達できる。
内容は公証人が事前整備するため、
搭乗拒否(無効)リスクが小さい。

この動画から得られること(学習・実践)

- 公正証書遺言の仕組み・作成フロー(役場/出張・証人要件)
- メリット(検認不要・保管・確実性)とデメリット(費用・証人開示)の正しい理解
- 無効を避けるポイント(財産特定・受遺者特定・予備受遺者・遺言執行者条項・付言事項)
- 必要書類と事前準備チェックリスト
- 自筆・秘密証書遺言との比較と使い分け

例え話

- 公正証書遺言は「専門整備士が整備した公用車」。
出発(相続手続)前の点検が完了しており、
検問(検認)をスキップして目的地へ直行できる。
故障(無効)リスクが最低限に抑えられます。

専門家としての付加価値(実務チェックリスト/条項の勘所)

- 方式・条項の要点
  - 受遺者・財産の特定(地番・口座番号等)
 /予備的受遺者/遺言執行者の指定と権限(払戻・名義変更・第三者委任)
 /負担付条項・条件の明確化
 /付言事項(背景・家族へのメッセージ)

- 証人選定
  - 利害関係なし成人
 /推定相続人・その配偶者・直系血族は不可
 /守秘義務のある専門家活用で安心度UP

- 書類準備
  - 遺言者:実印・印鑑証明・戸籍
 /相続関係:戸籍一式
 /不動産:登記事項証明書・評価証明
 /金融:残高証明・支店情報

- 費用の目安
  - 公証役場手数料(遺産額・件数に応じ段階課金)+出張費(出張時)+専門家報酬(任意)

- リスク低減
  - 認知・養子・相続人排除等の高度条項は専門家同行で作成
 /遺留分配慮の付言・代償資金手当(保険等)

視聴後アクション

- 今すぐやること
  - 家族関係図・財産目録を作る
  - 遺言の骨子(配分・予備受遺者・遺言執行者)を紙に書く
  - 公証役場へ相談予約し、証人候補2名を確保
  - 必要書類(戸籍・登記・評価・印鑑証明)を集める
  - 専門家に文案のリーガルチェックを依頼

- なぜ必要か
  - 無効リスクを避け、検認不要で相続手続を迅速に始められる。
    家族の負担と紛争を最小化し、遺志を確実に実現できるからです。

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引用

税理士法人A to Y メルマガ 令和6年8月15日配信

【相続】公正証書遺言

税理士法人 A to Y
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