【要注意】不動産を複数の相続人で共同所有するメリット・デメリットと対策

「相続・贈与相談センター マガジン(20246月号)」の記事に基づき、
相続した不動産の分割方法と、
共有名義にする際に陥りやすい注意点について解説します。

  1. 不動産の「共有名義」とは

遺産相続において不動産がある場合、
公平を期すために相続人全員で「共有名義」にすることがあります。
これは、
1
つの不動産を複数の相続人が共同で所有し、
それぞれが「持分権(もちぶんけん)」を持つ形です。
相続登記を行うことで、
各相続人が自分の持分について第三者への対抗要件を備えることができます。

  1. 共有名義にするメリット
  • 財産を公平に分けられる
    不動産は預貯金のように1円単位で均等に分割することが難しいため、
    共有名義にすることで数字上の公平性を保てます。
  • 税制面での特例活用
    被相続人が住んでいた住宅を相続人が売却し、
    一定の要件を満たす場合、
    「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」
    を共有者それぞれが受けられる可能性があります
    共有者が3名以上の場合は上限2,000万円など制限あり)。
  1. 共有名義にするデメリット
  • 活用の自由度が低い
    共有不動産を売却したり、
    賃貸物件を建てたり、
    管理方法を変更したりするには、
    原則として共有者全員の合意が必要です。
    一人でも反対者がいると活用が制限されるため、
    非常に不自由です。
  • 権利関係の複雑化(数世代後のリスク)
    共有者の一人が亡くなると、
    その持分がさらに複数の相続人に引き継がれます。
    これを放置すると、
    数世代後には名義人が数十人、場合によっては百人を超えることもあり、
    実質的に処分不可能な「負の遺産」となる恐れがあります。
  1. 共有を避けるための主な対策

共有名義によるトラブルを避けるため、
以下のような分割方法が一般的です。

  • 換価分割(かんかぶんかつ)
    不動産を売却して現金化し、
    その現金を相続人で分け合う方法です。
    最も公平で、後のトラブルも残りません。
  • 代償分割(だいしょうぶんかつ)
    特定の相続人が不動産を1人で相続する代わりに、
    他の相続人に対して自分の持ち出し(現金)で「代償金」を支払う方法です。
    ただし、
    不動産を引き継ぐ相続人に相応の支払い能力があることが前提となります。
  • 分筆(ぶんぴつ)
    相続したものが土地である場合、
    物理的に切り分けてそれぞれの単独名義にする方法です。
    ただし、
    道路との接し方などによって面積が同じでも評価額(価値)に大きな差が出てしまい、
    不公平感が生じることがあります。
  1. まとめ

不動産、特に建物が含まれる場合は、
共有名義を解消しようとしても物理的な分割は不可能です。
安易に共有名義を選択すると、
将来の有効活用が妨げられたり、
相続トラブルの火種になったりします。

これは親族間だけでなく、
夫婦間での共有名義も同様です。
将来の離婚リスクや、
どちらかが認知症になった際の処分問題なども考慮すると、
慎重な判断が求められます。
目先の公平さだけでなく、
将来の管理や処分までを見据えて、
誰の名義にするかを検討することが重要です。

記事の要約(専門家視点・MECE

- 共有名義とは何か
  - 相続不動産を複数の相続人で共同所有し、各人が「持分権」を有する形態。
    相続登記で第三者対抗要件を備える。

- メリット(短期の公平性・税務上の利点)
  - 数字上の公平を保ちやすい(1円単位で割れない不動産の按分が可能)。
  - 居住用財産3,000万円特別控除などの適用余地
  (要件・上限に留意、共有者3名以上は上限2,000万円など制限あり)。

- デメリット(活用制約・世代交代の複雑化)
  - 利活用の自由度低下:売却・賃貸・大規模修繕・用途変更等は原則「共有者全員の合意」が必要。
                                        1名の不同意で停滞。
  - 権利関係の雪だるま化:共有者死亡その持分が次世代へ分散。
                                           数世代で名義人が数十〜百名超に膨張し、処分困難化=“負の遺産”化リスク。

- 代替策(共有を避ける実務)
  - 換価分割:売却現金を按分。
                      最も公平・後腐れが少ない。
  - 代償分割:特定相続人が単独相続し、他相続人へ代償金を支払う(支払能力の検証が前提)。
  - 分筆:土地を物理分割。
               ただし接道・形状で評価差が出やすく不公平感に注意。

- 夫婦共有にも同様の注意
  - 離婚・認知症時に処分が困難化。
    目先の公平よりも、将来の管理・処分まで見据えた単独名義/持分設計が重要。

 例え話

  共有不動産は「一つのハンドルを何人もで握る車」。
曲がる・止まるたびに全員の合図が必要で、人数が増えるほど動きにくい。
ドライバー(決定権)を明確にしておくことが、安全で確実な運転につながる。

この動画から得られること(学習・実践)

- 共有名義の法的・実務的な拘束(全員合意の範囲・数世代後のリスク)
- 換価分割/代償分割/分筆のメリット・デメリットと使い分け
- 居住用3,000万円特別控除の共有活用の注意点(要件・上限・適用可否)
- 夫婦共有に伴う将来リスクと代案(単有・家族信託・任意代理)
- 意思決定フレーム:公平性×機動性×コスト×税務の四象限評価

専門家としての付加価値(実務チェックリスト/判断軸)

- 共有可否の事前チェック
  - 将来の用途(売却/賃貸/自用)、
     維持費負担の分担可否、
     意思決定ルール(全会一致・多数決・代表者委任)、
     相続人の居住地・年齢構成、
     次世代の人数見込み

- 3案比較の評価軸(四象限)
  - 公平性/機動性(意思決定の速さ)
               /コスト(登記・測量・仲介・税)
               /税務(控除・特例・譲渡税)

- 代償分割の資金計画
  - 代償金額の算定根拠、支払方法(現金・分割・担保設定)、資金調達(金融機関・担保余力)

- 分筆の技術的留意
  - 接道要件・旗竿地・地形差・インフラ引込、
    筆界確認・測量コスト、
    分筆後の評価差(不公平是正の代償金)

- 夫婦共有の見直し
  - 将来の認知症対策(任意後見・家族信託)、離婚時の清算可能性、単独名義化の登記・税コスト

 

視聴後アクション

- 今すぐやること
  - 相続人で「売る/活用する/住む」の最終ゴールを合意
  - 換価・代償・分筆の3案で、総費用・税・手間・機動性を1枚で比較
  - 共有を選ぶなら、意思決定ルール・代表者・将来の解消条件を文書で取り決め

- なぜ必要か
  - 目先の公平だけで決めると、将来の処分・活用が止まるから。
    未来の自由を残す設計が、家族の資産を守ります。

 

共有は“楽”ではなく“重い”選択になりがちです。
公平と機動性のバランスを数字で見極め、家族に最適な分割を選びましょう。

 

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引用
相続・贈与相談センターマガジン2024年6月号
相続した不動産をどう分ける?
共有名義で陥りがちな落とし穴

税理士法人 A to Y
〒460-0014 愛知県 名古屋市中区富士見町7-11
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