賃貸経営において、
避けては通れない問題が「家賃の滞納」です。
今回は、2020年の民法改正を踏まえた「債権の消滅時効」と
その対策について詳しく解説します。
賃貸現場で起こる家賃滞納の実態
家賃の支払いは、
賃貸借契約において「当月末までに翌月分を支払う」という前払方式が一般的です。
しかし、中にはこのルールを守らない入居者が一定数存在します。
- 支払いにルーズなケース:
「督促状を出せば払うが、出さないと数ヶ月分溜めてしまう」といった、
支払いに無頓着な入居者。 - 独自のルールを主張するケース:
「個人契約であっても、毎月請求書を送らなければ払わない」と主張するなど、
契約内容を無視した振る舞い。
こうした滞納者に対し、
オーナー自らが督促を続けることには精神的・時間的な限界があります。
経営を安定させる「家賃保証会社」の活用
現在は、多くのオーナーが家賃保証会社を利用しています。
保証会社を利用する最大のメリットは、
入居者が滞納した際に保証会社がオ
ーナーへ家賃を立て替えて支払う「代位弁済」が行われる点です。
保証会社が入ることで、
オーナーのキャッシュフローは守られ、
督促業務も保証会社が代行します。
入居者が負担する保証料によってこの仕組みは成り立っており、
オーナー側には実質的なコスト負担がないケースが多いため、
経営の安定化と自己防衛には非常に有効な手段といえます。
2020年民法改正による「債権の消滅時効」の新ルール
家賃回収において最も注意すべきなのが「消滅時効」です。
2020年4月1日の民法改正により、
時効の期間が以下のように一本化されました。
- 債権者が権利を行使できることを知った時から「5年間」
- 権利を行使することができる時から「10年間」
家賃債権の場合、
オーナーは支払期日が来たことを当然把握しているため、
基本的には「5年」で時効にかかると考えるべきです。
改正前は商行為や短期消滅時効など複雑な区分がありましたが、
現在はよりシンプルかつ厳格に運用されています。
時効を止める(更新・猶予)ための手続き
単に請求書を送り続けるだけでは、
時効期間をリセットすることはできません。
時効を止めるには以下の行為が必要です。
- 債務者の承認:
滞納者が「家賃を払っていない」と認めること(一部の支払いや、支払い猶予の申し入れなど)。
これにより時効はリセット(更新)されます。 - 裁判上の請求:
訴訟の提起など。 - 強制執行・競売:
裁判所を通じた手続き。
なお、裁判外での催告(督促状の送付など)は、
そこから6ヶ月間時効の完成を「猶予」する効果しかありません。
その間に法的手段を講じなければ、
時効期間を更新することはできません。
消滅時効という概念が存在する3つの理由
なぜ法律は、一定期間で債権を消滅させるのでしょうか。
そこには3つの大きな考え方があります。
- 事実状態の尊重:
長期間放置された状態を、
そのまま法律関係として認めようとする考え。 - 権利の上に眠る者は保護せず:
権利があるのに長年行使しなかった者は、
法的な保護に値しないという考え。 - 立証の困難性:
時間が経ちすぎると、
証拠が散逸し、
事実確認が困難になるため。
結論:オーナーが取るべき経営姿勢
民法改正の全体的な傾向として、
賃借人(借りる側)の保護がより手厚くなっている側面があります。
オーナーとしては、消滅時効の存在を常に念頭に置き、
「未回収」を放置しない姿勢が重要です。
家賃保証会社のバックアップを確認した上で導入し、
法的リスクを管理しながら経営を安定させることが、
不動産投資を成功させるための鍵となります。
時効によって権利を損失しないよう、
早め早めの対策を心がけましょう。
要約
- 家賃滞納の現実
- 前払原則にもかかわらず、督促しないと払わない・独自ルールを主張する入居者は一定数存在。
オーナーの心理・時間コストが大きい。
- 保証会社の活用
- 代位弁済でキャッシュフローを平準化し、督促・回収を外部化。
保証料は入居者負担が一般的で、経営の安定化に有効。
- 2020年民法改正(消滅時効の新ルール)
- 原則「権利行使を知った時から5年」かつ「行使可能時から10年」。
家賃は各月の支払期日ごとに5年で時効にかかると把握するのが実務的。
- 時効完成の防ぎ方(更新・完成猶予)
- 更新(リセット):債務者の承認(部分弁済・支払合意書)/裁判上の請求/仮差押え等
- 完成猶予:内容証明による催告は6か月だけ猶予(その間に法的手段へ進む必要あり)
- なぜ時効があるか(法理念)
- 事実状態の尊重/権利不行使者の不保護/立証困難の回避。
放置は不利益という前提で「未回収を溜めない」経営が要諦。
この動画から得られること
- 家賃債権に適用される「5年・10年」時効ルールの正しい理解
- 時効を止める手段(更新)と一時的に遅らせる手段(完成猶予)の使い分け
- 代位弁済を最大化する保証会社選定と条項チェックの勘所
- 内容証明・支払督促・少額訴訟の選択基準と最短ルート
- 滞納SLA(期限ごとの行動表)と回収KPI(回収率・平均滞納月数)の運用方法
例え話
家賃の時効は「砂時計」に似ています。
期日を過ぎた瞬間に砂は落ち始め、
放置すれば5年で空になります。
砂時計をひっくり返す(更新)には、
入居者の承認や裁判上の請求が必要。
横から軽く押さえるだけ(催告)では6か月しか時間は止まりません。
専門家としての付加価値
- 滞納対応SLA(標準運用)
- D+3:SMS/メールでリマインド(記録化)
- D+10:電話連絡・支払日確約取得(通話記録)
- D+15:内容証明(催告)発送=6か月の完成猶予開始
- D+20:保証会社へ報告・代位弁済起動(契約条項に従う)
- D+35:支払合意書(承認)締結 or 支払督促/少額訴訟を申立(更新)
- D+60:占有継続なら契約解除予告→明渡し訴訟検討
- 「債務承認が取れる」支払合意書の要点
- 滞納総額・内訳と「負債の存在の明確な承認」/分割計画/期限の利益喪失/遅延損害金/保証会社求償への同意/署名押印
- 保証会社の条項チェック
- 立替対象(賃料・共益費・違約金・退去精算の範囲)/最大保証月数/代位弁済の起算日/更新料/反社会条項/求償条件
- 迅速回収の法的打ち手
- 内容証明(完成猶予6か月)
→支払督促(異議なければ仮執行宣言で強制執行可)
→少額訴訟(60万円以下・即日判決の可能性)/通常訴訟
- 2020年改正の関連論点
- 個人根保証の極度額必須(未記載は無効)
/LINE等のテキスト承認も証拠化可(画面保存・発信者特定の工夫)
視聴後アクション
- 具体ステップ
1) 現在の滞納一覧を作成(債権ごとの起算日=支払期日を明記)
2) SLAを設定(D+3/10/15/35/60)し、社内運用を徹底
3) 内容証明テンプレと支払合意書(承認条項入り)を準備
4) 既滞納は保証会社へ報告し、代位弁済の適用範囲と手順を確認
5) 法的手段の優先順位を決定(支払督促→少額訴訟)し、申立書式を入手
- 用語の簡潔説明
- 時効の更新:承認・訴訟等で時効期間をリセットすること
- 時効の完成猶予:一定期間、完成を一時的に止めること(催告は6か月)
- 代位弁済:保証会社が債務者に代わって賃料を立替払いすること
補助資料
- チェックリスト(抜粋)
- 各債権の起算日・時効満了予定日の可視化
- 保証会社契約の保証範囲・最大月数・手続要件の確認
- 内容証明の送付記録(発送日・到達推定日)管理
- 支払合意書の必須条項(承認・分割・期限利益喪失)
- 法的手段(督促/訴訟)の申立先・書式・費用表
- テンプレ(要点)
- 催告内容証明ひな形(請求額・法的根拠・支払期限・法的措置予告)
- 支払合意書(債務承認)フォーマット
- 滞納SLA進捗管理シート(期日・担当・証拠添付)
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