昨今話題となっている「地銀(地方銀行)再編」について、
その政策の問題点と我々の対応策について深掘りしていきます。
- 菅政権下で進む地銀再編の動き
菅政権の発足以来、
「地方銀行の数が多すぎる」という認識のもと、
地銀再編が強力に推し進められています。
主な政策のポイントは以下の通りです。
- 独占禁止法の特例認可:
経営統合によって、
ある県内での貸出シェアが圧倒的になり独占禁止法に抵触する場合でも、
特例として10年間は合併を認めるという法律が施行されました。 - 日本銀行による支援:
経営統合を決めた地銀に対し、
日銀に預けている当座預金の金利を0.1%上乗せする
「事実上の補助金」制度が導入されました。 - 政府のシステム統合補助:
統合に伴うシステム改修などの費用として、
国が最大30億円を負担する方針が示されています。
現在、全国には101の地方銀行がありますが、
すでに「1県1行」体制の地域がある一方で、
福岡(5行)や静岡(4行)のように、
依然として複数の銀行が競合している地域もあり、
これらが再編の主なターゲットとなっています。
- 経営統合が進められる「3つの誤った認識」
山内先生は、
現在の再編政策には金融実務を無視した「3つの誤った認識」があると指摘します。
① 「経営統合すれば効率化できる」という誤解
地銀、信用金庫、信用組合は、
本来それぞれの根拠法や営利目的が異なります。
これらを十把一絡げに統合しようとするのは強引であり、
単にシステムを一元化したからといって、
すぐに収益性が向上するわけではありません。
② 「一行になれば中小企業にとって便利である」という誤解
これは実務を知らない者の発想です。
中小企業にとって、
複数の銀行が金利競争(あいみつ)をしてくれる環境は、
資金調達コストを抑えるために極めて重要です。
一行独占状態になれば、
企業側の交渉力は失われ、
銀行側の都合に振り回されることになります。
③ 「集まれば貸出の総量が増える」という誤解
「体力のない10行が1行に集まれば、より多くのお金が市場に回る」
という考えは経済的に矛盾しています。
市場に投入される資金の総量は、
銀行の数にかかわらず変わりません。
むしろ、自己資本比率の維持を優先するあまり、
貸し剥がしや貸し渋りが起きる懸念さえあります。
- 「リレーションシップ・バンキング」の消失と金融マニュアルの弊害
かつての銀行には、
企業の将来性や経営者の資質をしっかり見て融資判断を行う
「リレーションシップ・バンキング」がありました。
しかし、ここ20年ほどで導入された「金融マニュアル」による画一的な評価制度が、
銀行員から「事業を見極める能力」を奪ってしまいました。
山内先生は、能力のある人材をマニュアル頼みの「能無し」に変えてしまった
過去の政策を厳しく批判しています。
本来、銀行はコンサル業務や保険販売ではなく、
本業である「適切な事業への融資」で稼ぐべきですが、
その機能が不全に陥っているのが現状です。
- 我々がすべき「自己防衛」とは
国が強引に地銀再編を促す現状において、
我々利用者がすべきことは「自己防衛」です。
- 「財布」を複数持つ(マルチバンク取引):
一つの銀行と心中してはいけません。
その銀行が統合され、
方針が急変したときに路頭に迷わないよう、
常に複数の銀行と付き合いを持っておくべきです。 - 経営の健全な銀行を見極める:
今は各行の決算情報が公開されています。
自己資本比率が8%を大きく上回っているか、
預金高が豊富かなど、
客観的な数字から「統合される側」ではなく
「する側」の強い銀行を選んで取引することが重要です。 - ビジネスライクに使い分ける:
メガバンクは利便性のために、
地銀・信金は不動産融資や事業資金のために、
それぞれの強みを理解して賢く使い分けましょう。
不動産経営も一般の事業も、
資金調達は生命線です。
現状を冷徹に見極め、
特定の金融機関に依存しない体制を整えていくことが、
これからの不安定な時代を生き抜く鍵となります。
要約
- 政策の現状
- 菅政権以降、地銀再編を後押し。
独占禁止法の特例(10年)、日銀の当座預金0.1%上乗せ、
システム統合補助(最大30億円)などの措置を実装。
全国101行のうち、複数行が競合する県(例:福岡5行、静岡4行)が主戦場。
- 3つの誤認(政策設計の前提誤り)
- 統合=即効の効率化ではない:根拠法・営利性・業態が異なる地銀/信金/信組の一体化は、
システム統合だけで収益が上がる構造ではない。
- 一行独占=便利ではない:金利競争と条件競争が消え、中小企業・不動産オーナーの交渉力が大幅低下する。
- 集まれば貸出増ではない:自己資本比率の制約は不変。
むしろ貸し渋り・貸し剥がし誘発の懸念。
- 失われた機能
- リレーションシップ・バンキングの形骸化と「金融マニュアル依存」が、
事業を見る目と地域金融の機能を弱体化。
- 我々の自己防衛(結論)
- マルチバンクで「財布を複数化」、強い銀行の見極め(自己資本比率・預金流出入・信用コスト)、
用途別に金融機関を使い分け。
コベナンツや限度枠の事前設計で資金繰り耐性を高める。
例え話
町のスーパーが
1店舗だけになると、
価格も品揃えも
店の言いなりになります。
銀行も同じで、
一行独占は
金利・条件の「選択肢」を失わせます。
競争があるほど利用者は守られます。
この動画から得られること
- 地銀再編の政策全体像と「3つの誤認」の分解
- 一行独占時の実務リスク(金利・担保・コベナンツ・更新拒絶)の具体像
- 強い銀行の見極め方(自己資本比率/コスト・預金流入出/与信費用/NSFR・LCRの目安)
- マルチバンクの設計図(役割分担、包括与信枠、当座貸越、期中モニタリング)
- 不動産・事業向けの使い分け(地銀/信金/メガ/ノンバンク)と金利交渉の進め方
専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)
- 強い銀行の見極め(公開情報で可視化)
- 自己資本比率(目安:地銀コア自己資本比率≧8〜10%)
- 与信費用率・不良債権比率の推移、純金利マージンの安定性
- 預貸率/預貸ギャップ、調達構造(市場性調達依存度)
- モニタリング姿勢(期中報告の頻度、コベナンツの合理性)
- マルチバンク設計
- 役割分担:運転資金(当座貸越)/設備資金(長期)/不動産(LTV/DSCR基準)/決済・外為(メガ)
- 包括与信枠・当座貸越の設定、返済スケジュールの分散、借換え余地の確保
- 金利・条件交渉の型
- あいみつの前提整備(決算・資金繰り表・KPI)、金利だけでなく担保/保証/財務コベナンツの総合最適
- スプレッド分解での対話(与信コスト・事務コスト・収益目標の可視化)
- 期中モニタリング(KPI)
- DSCR(目安1.2以上)、LTV(不動産は60〜70%)、流動性指標(運転資金月商倍率)、資金繰り繰越残高
- コベナンツ早期警戒ラインと是正プラン(計画⇄実績ギャップ管理)
- リスク分散と備え
- 返済期限の集中回避(壁の分散)、担保余力の維持、保証依存度の低減
- 代替調達ルート(信金・ノンバンク・社債的調達・ABL)のカタログ化
実務チェックリスト(着手順)
- 1)取引金融機関の一覧化(残高・金利・担保・満期・コベナンツ)
- 2)健全性スコアリング(自己資本比率・与信費用・預貸率)でA/B/C評価
- 3)用途別の役割分担設計と包括与信枠/当座貸越の打診
- 4)あいみつ用パッケージ(決算・資金繰り表・KPI)を標準化
- 5)半期ごとの期中レビュー(DSCR/LTV/資金繰り)と条件見直し
視聴後アクション
- 今日やること:今借りている金額・金利・返済期限・担保を1枚にまとめてください。
どの銀行にどれだけ依存しているかを見える化します。
- 今週中:別の銀行にも口座と融資の相談窓口を用意します(当座貸越や包括与信枠の可能性をヒアリング)。
同時に、決算と資金繰り表を整えます。
- 今月中:主要2〜3行で条件の見直し(スプレッド・担保・コベナンツ)を相談し、比較表を作成。
満期が集中している借入は分散の計画を立てます。
- 迷ったら:「一行に依存していないか」「満期が同じ月に集中していないか」の2点をチェックしてください。
どちらかに該当すれば、今すぐ分散の一歩を踏み出しましょう。
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