2023年(令和5年)101日から導入される
「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」について詳しく解説していただきます。

この制度については「知っているようでよく分からない」という方も多いかと思います。
実は、制度の開始に先立ち、
2021
年(令和3年)101日から「適格請求書発行事業者」の登録申請受付が始まります。
不動産投資家の方々の中には
「自分には関係ない」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
資産の入れ替え(売却)などによって課税事業者になる可能性もあるため、
非常に重要な内容です。

  1. 消費税制度の背景とインボイス導入の狙い

日本における消費税は、
導入以来多くの議論を呼んできました。
諸外国と比較すると、
例えばスウェーデンなどは消費税率が25%と非常に高いですが、
その分、医療や教育といった福祉に明確に還元されており、
国民の納得感は高いといえます。
一方、日本の場合は税金の使途が不透明な部分もあり、
不満が出やすい側面があります。

今回のインボイス制度の導入は、
制度面から見れば
100%免税事業者をなくすこと」を前提としたものと言っても過言ではありません。

  1. インボイス制度の仕組みと免税事業者への影響

インボイス制度とは、
税務署から認定を受けた「適格請求書発行事業者」が発行する「適格請求書(インボイス)」がなければ、
買い手側が消費税の「仕入税額控除」を受けられなくなる制度です。

現在、年間売上高が1,000万円以下の免税事業者から物品やサービスを購入している企業は、
その支払いに含まれる消費税分を自社の納税額から差し引くことができています。
しかし、制度導入後は、
相手がインボイスを発行できない免税事業者である場合、
企業はその分の税額控除が受けられず、
実質的な負担増となります。

その結果、
企業は「インボイスを発行できない免税事業者とは取引をしない」
という判断を下す可能性が高まります。
これにより、
免税事業者は「取引を継続するためにやむを得ず課税事業者になる(インボイスを発行できる事業者になる)」
という選択を迫られることになります。

  1. 202110月からの登録申請について

インボイス制度の運用開始は2023101日ですが、
登録申請の受付は2021101日からスタートします。

課税事業者の場合は、
e-Tax
などを利用して速やかに申請を済ませるのが良いでしょう。
早めに申請しておくことで、
制度開始とともにスムーズにインボイスを発行できる体制が整います。

最も悩ましいのは、
現在免税事業者の方々です。
一度登録を受けると、
2023
10月以降は自動的に課税事業者となります。
取引先に企業が多い場合は、
売上への影響を考慮して早めに決断し、
準備を進める必要があります。
一方で、相手が一般消費者のみ(例:町の八百屋さんなど)であれば、
急いで登録する必要はないかもしれません。

  1. インボイス(適格請求書)に記載すべき内容

インボイスとして認められるためには、
以下の項目を正確に記載する必要があります。

  1. 請求書発行者の氏名または名称および登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目である旨の明記)
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等(端数処理は1つの請求書につき1回)
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

特に「登録番号」の記載は必須です。
また、軽減税率の混在により、
レジシステムや請求書発行ソフトの改修が必要になるため、
ハードウェア・ソフトウェア業界では
一時的な「インボイス特需(バブル)」が起こるとも言われています。

  1. 制度の注意点と実務上の影響

「適格請求書発行事業者」になると、
その名称や登録番号は公表サイトで誰でも検索できるようになります。
取引を開始する前に、
相手が登録事業者かどうかをチェックされるという「やらしい」状況も想定されます。

建設業界の「一人親方」などの職人さんも同様です。
インボイスを発行できなければ、
元請け業者から仕事を発注されなくなる恐れがあります。
金額の多寡にかかわらず、
「インボイスがないと取引から排除される」という強い圧力が働く制度です。

なお、制度導入直後の激変を緩和するため、
インボイスがない場合でも、
当初3年間は仕入税額の80%
その後の3年間は50%を控除できる「経過措置」が設けられています。

まとめ

インボイス制度は、
実質的に「まんべんなく消費税を徴収する」ための増税に近い動きといえます。
煩雑な事務作業が増えることは避けられませんが、
すでに決まった法律である以上、
事業者としては早期の判断と準備が欠かせません。

不動産投資においても、
売却時やテナント契約の際に影響が出る可能性があります。
ご自身が免税事業者である場合、
どのタイミングで課税事業者に転換するか、
取引先との関係を鑑みて慎重に検討しましょう。

要約

- 制度の骨子
  -
インボイス制度(適格請求書等保存方式)は2023101日開始。
     仕入税額控除の前提が「適格請求書(登録番号付き)」の保存へ一本化。
  - 2021
101日から「適格請求書等発行事業者」の登録申請が開始。
    登録番号は国税庁サイトで公表。

- 影響の本質
  -
免税事業者の請求書では買い手が仕入税額控除できないため、
    取引先(特にB2B)は「インボイス発行可」を強く要求する流れへ。
  -
不動産分野でも、事業用賃貸・建物売却(課税取引)・テナント内装工事等で影響。
    居住用家賃・土地の譲渡は非課税だが、混在事業は要設計。

- 経過措置と登録判断
  -
経過措置:免税事業者からの仕入は、導入後3年間は80%、次の3年間は50%を控除容認(控除縮小)。
                     負担は段階的に買い手側へ。

  - 免税のままでも可だが、B2Bでは取引不利が拡大。
    B2C
中心(一般消費者相手)は登録急務ではない場合も。

- インボイスの記載要件(要点)
  -
登録番号、発行者・受領者名、取引日、品目(軽減対象の明記)、税率ごとの対価合計、税率ごとの消費税額(請求書内で端数処理は一度)。
  -
小売・飲食などは「適格簡易請求書」可(記載要件を一部省略)。

- 結論
  -
制度は「免税の実質縮小」と「控除の厳格化」。
    早期登録・価格設計・請求/会計体制の整備が、取引維持とコスト最小化の鍵。

 

この動画から得られること

- インボイス制度の狙いと「免税縮小×控除厳格化」の全体像
-
免税/課税の登録判断フレーム(B2BB2C・不動産の混在パターン)
-
適格請求書(簡易含む)の記載要件とシステム設定の要点
-
経過措置(80→50%)と小規模向け2割特例の活用可否
-
不動産実務への落とし込み(事業用賃貸、建物売却、工事・管理委託の対応)

 

例え話

インボイスは、
高速道路の「ETCゲート」に似ています。
ETC
(登録番号付きの請求書)があれば
スムーズに通過(控除)できますが、
未搭載(免税事業者の請求書)では
一般レーンで減速し、
割引(控除)が小さくなります。
物流量(取引)が多いほど、
ETC
化の効果は大きくなります。

 

専門家としての付加価値

- 登録要否の意思決定ツリー
  1)
主要取引はB2BB2Cか(B2B≥3050登録前提で検討)
  2)
取引先の要求(登録番号の提示要請・契約条項)有無
  3)
不動産の課税区分(居住用賃貸=非課税/事業用賃貸・建物売却・駐車場=課税)
  4)
事務コスト>取引維持利益か(価格改定で吸収可能か)

- 価格・契約の実装
  -
免税維持時:税込み据置 or 値引き交渉に備え、控除不可分の負担配分を契約に明記
  -
登録時:税込/税抜表示の統一、税率区分、軽減対象の明示、遅延損害金の税務区分

- システム・帳票の最小改修
  -
請求書:登録番号、税率別合計と税額欄、受領者名の自動差し込み
  -
会計:税区分マスタ更新、適格/非適格の仕訳補助科目、電子保存のフォルダ構成
  -
電子取引:電子帳簿保存法の要件(検索要件・改ざん防止)を同時に満たす

- 経過措置と小規模2割特例(概要)
  -
経過措置:免税事業者からの仕入は導入後3年=80%控除、次3年=50%控除
  - 2
割特例:新たに課税となる小規模の消費税額=売上税額の2割で簡便計算(対象期間と要件を事前確認)

- よくある落とし穴
  -
登録番号の失念/適格簡易請求書の要件不足/税率混在の端数処理エラー
  -
免税発注先の切替コスト>値引き効果の逆転(総コストを試算で検証)

 

視聴後アクション

- 具体ステップ(5項目)
  1)
主要取引先をB2B/B2Cで分類し、「登録番号の提示要否」を確認
  2)
免税継続/登録の収益影響を試算(値引き・控除縮小・事務コストを含む)
  3)
請求書フォーマットに登録番号・税率別合計・税額欄を追加、会計の税区分マスタを更新
  4)
電子取引の保存要件(検索・改ざん防止)を点検し、運用ルールを文書化
  5)
登録する場合はe-Taxで申請し、社内・取引先へ周知(価格・契約条項の改定を同期)

- 用語の簡潔説明
  -
適格請求書:仕入税額控除の要件を満たす登録番号付きの請求書
  -
経過措置:免税事業者からの仕入でも一定割合の控除を認める暫定ルール

 

補助資料

- チェックリスト(抜粋)
  -
登録要否(B2B/B2C比率・取引先要請・不動産の課税区分)
  -
請求書の記載要件(登録番号・税率別合計・税額・受領者名)
  -
会計・販売管理の税区分マスタ更新(軽減税率含む)
  -
電子取引の保存(検索要件・タイムスタンプ/訂正履歴)
  -
契約・見積・価格表の税区分整合(内税/外税の統一)

- テンプレ(要点)
  -
適格請求書フォーマット(標準版/簡易版)
  -
社内告知文(登録番号付与のお知らせ・運用開始日・問い合わせ窓口)
  -
価格改定通知(インボイス導入に伴う税区分変更のご案内)

 

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