この動画シリーズでは、
これまでも何度か遺言書の大切さについてお話ししてきましたが、
具体的な「内容」については、
まだ深く掘り下げていなかったように思います。
「何を書けばいいのか」
「これを書いたら無効になるのではないか」といった不安をお持ちの方も多いでしょう。
今回は遺言書に書ける内容や、
押さえておくべきルールについて、
詳しく解説していただこうと思います。
遺言書には「何を書いてもよい」が、法的効力には制限がある
結論から申し上げますと、
遺言書には基本的に「何を書いても自由」です。
ただし、民法によって「法的拘束力(遺言事項)」を持つ内容が限定されている
という点に注意が必要です。
ルールを外れた書き方をすると、
せっかくの遺言が無効になってしまう可能性もあります。
法的拘束力を持つ「主な8つの項目」
遺言書に書くことで、
法律上の効力が生じる主な内容は以下の通りです。
- 非嫡出子の認知:
結婚していない相手との間に生まれた子を、
自分の子として認めること。 - 未成年後見人の指定:
未成年の子供が遺される場合、
誰を後見人にするかを指定すること。 - 相続人の廃除・取り消し:
被相続人(亡くなる方)を虐待した相続人の権利を剥奪、
あるいは以前に行った廃除を取り消すこと。 - 相続分の指定・委託:
誰にどのくらいの割合で財産を渡すかを決める、
あるいはその指定を第三者に委託すること。 - 遺産分割方法の指定・禁止:
財産を具体的にどう分けるか、
あるいは一定期間の分割を禁止すること。 - 遺贈(いぞう):
法定相続人以外の人(友人や団体など)に財産を譲ること。 - 生命保険受取人の変更:
遺言によって生命保険金の受取人を変更すること。 - 遺言執行者の指定:
遺言の内容を実現するための事務手続きを行う人を指定すること。
また、生前の贈与などを精算する「特別受益の持ち戻し」の免除なども、
遺言事項に含まれます。
法的効力はないが重要な「付言事項(ふげんじこう)」
逆に、
「家族みんなで仲良くしてほしい」
「お母さんを助けてあげてほしい」といったメッセージには、
法的な拘束力はありません。
これらは「付言事項」と呼ばれます。
法的効力がないなら書かなくてもよいかというと、
そうではありません。
むしろ、円満な相続(争族の防止)のためには、
この「付言事項」こそが非常に重要です。
なぜそのような分け方にしたのか、
最後に家族へ何を伝えたいのかという「思い」を言葉で残すことで、
相続人間のトラブルを未然に防ぐことができるからです。
自筆証書遺言の落とし穴
遺言書の作成方法についても、
いくつかルールがあります。
自分で手書きする「自筆証書遺言」の場合、
財産目録以外はすべて自筆でなければなりません。
これを誤ってパソコンで作成してしまうと、
それだけで無効になります。
また、書き損じを訂正する場合も、
単に二重線を引くだけでは不十分です。
訂正箇所に印鑑を押し、
「何文字削除、何文字追加」と付記して署名するなど、
非常に厳格なルールがあります。
これを知らずに自己流で修正すると、
せっかくの遺言が無効になり、残された家族のトラブルを招く原因となってしまいます。
確実性を求めるなら「公正証書遺言」
私が一番おすすめするのは、
やはり「公正証書遺**の作成です。
公証役場で専門家が作成するため、
形式的な不備で無効になるリスクが極めて低く、
確実性が高い方法です。
「付言事項」もしっかりと盛り込むことができます。
最後に
遺言書は、一度書いたら終わりというものではありません。
時代の変化や家族の状況に合わせて、
何度も書き直しても良いものです。
最新の遺言書が有効になりますので、
定期的に見直すことが賢明です。
相続を争い(争族)にしないための第一歩として、
遺言書の準備を進めていきましょう。
要約
- 総論(何を書けるか)
- 遺言書は「何を書いてもよい」が、法的拘束力(民法上の遺言事項)を持つ内容は限定。
形式不備や内容の過誤は無効・争いの火種に。
- 法的効力を持つ主な項目(代表例)
- 非嫡出子の認知、
未成年後見人の指定、
相続人の廃除・取消、
相続分の指定・委託、
遺産分割方法の指定・一定期間の禁止、
遺贈、生命保険受取人の変更(注記あり)、
遺言執行者の指定、
特別受益の持戻し免除 など。
- 法的拘束力はないが重要な付言事項
- 分け方の理由・家族へのメッセージ等は効力なし。
ただし「争族」予防の実効性は高く、相続人の納得形成に資する。
- 方式と落とし穴
- 自筆証書遺言:財産目録以外は全文自筆・日付・署名(押印推奨)。
訂正は厳格ルール。
家庭裁判所の検認が原則。
法務局保管制度を用いれば検認不要。
- 公正証書遺言:公証人作成・証人2名で確実性が高い。
方式不備リスクが低く実務推奨。
- 実務の勘所(リスク最小化)
- 遺留分(最低限取り分)への配慮、
デジタル資産・二次相続の設計、
保険受取人変更の実務可否確認、
遺言執行者の指名、
定期的な見直しが鍵。
この動画から得られること
- 法的効力を持つ「遺言事項」と、家族へ思いを伝える「付言事項」の正しい使い分け
- 自筆証書遺言/公正証書遺言の選び方と、無効・紛争を避ける作成要件
- 遺留分・持戻し免除・遺言執行者の設計など、争いを未然に防ぐ設計の勘所
- 生命保険受取人変更やデジタル資産の取り扱いなど、見落としやすい論点の整理
- 今日から進める作成フロー、保管・見直しの実務チェックリスト
例え話
遺言は「航海計画」に似ています。
行き先(相続分・遺贈)だけでなく、
航路標識(法的効力のある遺言事項)と、
家族への航海日誌(付言事項)が揃ってこそ、
荒天(相続時の感情の波)でも迷わず進めます。
地図が正しく、
注記が丁寧なら、
同乗者全員が安全に港へ着けます。
専門家としての付加価値
- 遺言方式の選定SOP(確実性×コスト×機密性)
- 公正証書遺言(推奨):公証役場で作成。
証人2名(利害関係者不可)。
検認不要。
費用は資産額に応じ公証人手数料(例:総額5,000万円目安で数十万円規模)。
- 自筆証書遺言:全文自書・日付・署名(押印推奨)、財産目録はPC作成可(署名押印必須)。
法務局保管制度を使えば検認不要・原本保管可。
- 設計チェック(争いを最小化する四点)
1) 遺留分試算:配偶者・直系卑属・直系尊属の最低取り分(侵害額請求の余地)を先に確認
2) 付言の明確化:「なぜこの分け方か」を具体に(介護・事業承継・居住安定の趣旨等)
3) 遺言執行者を必ず指名:第三者・士業が無難。権限にデジタル資産・SNS閉鎖等も含める
4) 二次相続の見取り図:配偶者の次の相続(税負担・資産偏在)まで試算
- よくある無効・紛争リスクと予防
- 日付欠落・不明確(例:令和6年春)→年月日を特定
- 代筆・押印欠落・訂正方式違反→自筆・署名・訂正の法定要件を厳守
- 保険受取人変更:保険約款の手続優先。遺言での変更可否は事前に保険会社へ確認
- 財産特定不十分:不動産は所在・地番、金融資産は金融機関・支店・口座種別・番号まで記載
- 見直し頻度と保管
- ライフイベント(結婚・離婚・出生・相続・不動産売買)毎に再点検。
最新が有効。
視聴後アクション
- 具体ステップ
1) 財産目録の作成:不動産(所在地・地番)/金融資産(機関・口座)/保険/デジタル資産を一覧化
2) 家族構成図と遺留分を一次試算(誰に最低どれだけの取り分があるか)
3) 分け方の方針と「付言事項(理由・想い)」の草案を作成
4) 方式を決定(公正証書推奨/自筆+法務局保管も可)し、日程・証人手配
5) 遺言執行者を指名(第三者推奨)し、保管場所・見直し時期を家族と共有
- 用語の簡潔説明
- 遺留分:配偶者・子等が最低限請求できる取り分。
侵害すると金銭請求を受け得る。
- 付言事項:法的効力はないが、遺言の趣旨・想いを伝える任意記載。
補助資料
- チェックリスト(抜粋)
- 日付・署名・方式(自筆/公正)の要件確認
- 財産の特定情報(地番・口座番号等)の記載精度
- 遺留分試算と配慮の有無
- 遺言執行者の指名・連絡先・権限範囲
- 保管方法(法務局/公証役場/信頼者)と見直し時期の設定
- 相談テンプレ(要点)
- 件名:遺言書作成(公正証書)と相続設計に関するご相談
- 本文:家族構成/資産概要/希望分け方/懸念(遺留分・事業承継等)/希望時期
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