相続対策として「アパートを建てる」という手法がよく語られますが、
実は「建てること自体」が本質的な解決策にならないケースも多々あります。
今回は、建設会社や銀行主導の提案に潜むリスクと、
真に意味のある相続対策・不動産投資の考え方について解説します。
- 相続対策という名目の「押し売り」の実態
土地を多く所有している農家や地主の方に対し、
建設会社やハウスメーカーが「相続税対策になります」
とアパート建設を強く勧める光景は、
古くからよく見られます。
専門的なノウハウを持たない所有者に対し、
なかば強引に建築を促すような営業手法によって、
市場が拡大してきたという現状があります。
しかし、こうした提案の多くは、
建設会社が建築費を得ること、
あるいは銀行が融資実績を作ることが主目的になっており、
必ずしもオーナーやその家族の将来に寄り添ったものではありません。
- 「借金による節税」の落とし穴
アパート建設が節税になると言われる理由は、
主に以下の2点です。
- 多額の借入金(債務)を、相続財産から差し引くことができる。
- 現金を「評価額の下がる建物」に変えることで、資産の評価を圧縮できる。
一見理にかなっていますが、
これは非常に「短期的(単眼的な)」な視点に過ぎません。
不動産を相続した後も、
ローン返済は数十年続きます。
長期間の運用を前提とした場合、
以下のようなリスクが現実味を帯びてきます。
- 家賃収入の減少:
築年数の経過とともに賃料は下がり、
空室リスクも高まります。 - 金利上昇:
低金利の今は良くても、
将来的に変動金利が上昇すれば、収支を圧迫します。 - 長寿による逆効果:
予想以上に長生きをされた場合、
ローンの完済後に多額の家賃収入がオーナー個人に入り続け、
それが再び「現預金」という形で相続財産を増やしてしまう
(相続税が元に戻る、あるいは増える)というパラドックスが生じます。
実際、70代で20年ローンを組んでアパートを建てたものの、
95歳になってもお元気で、
ローンも完済した結果、
かえって納税資金の確保に困っているという相談事例も少なくありません。
- 「複眼的な視点」で投資と対策を分ける
相続対策を検討する際は、
一つの手法に固執せず、
「何のために行うのか」を複眼的な視点で見極める必要があります。
- 投資として考える場合:
新築にこだわらず、
現状で利回りの良い中古物件などを活用し、
着実に収益を上げて「納税資金」を貯める方が、
多額の負債を抱えるよりも健全な場合があります。 - 資産を守る場合:
資産を個人で持ち続けるのではなく、
資産管理法人を設立して
法人に資産を移管するなどの「仕組み」を整える方が、
長期的には高い効果を発揮します。 - 総合的な対策:
不動産だけでなく、
生命保険などを組み合わせて
納税資金の準備を整えるなど、
バランスの良い計画が必要です。
- 時代に合わせた価値観の転換
特にコロナ禍を経て、
人々の住まいに対する価値観は大きく変わりました。
「立地さえ良ければ埋まる」という時代は終わり、
リモートワークの普及などで、
入居者が求めるものも多様化しています。
入居者の価値観が変わった以上、
貸す側(オーナー)も従来の考え方に固執せず、
5年後、10年後を見据えた方向転換が求められます。
「建てれば儲かる」という安易な戦略ではなく、
その時代に生き残れる物件かどうかを厳しく判断しなければなりません。
まとめ
相続対策としての不動産投資には、
絶対的な正解はありません。
大切なのは、
誰のために、
何のためにその借金をして建てるのかを、
オーナー自身と相続人が納得いくまで検討することです。
建設会社や銀行の提案を鵜呑みにせず、
相続に詳しい税理士や実務経験豊富な不動産の専門家を交え、
複数のシミュレーションを行った上で、
臨機応変に判断することが、
失敗しない相続対策の第一歩となります。
要約
- 問題提起(誰のための相続対策か)
- 「相続対策になります」の一言でアパート新築を勧める営業は、
建設費(建設会社)と融資(金融機関)の都合が優先されがち。
オーナー家族の将来に最適とは限らない。
- 借金で節税の落とし穴(短期の評価圧縮≠長期の幸福)
- 一見の理屈:債務控除+建物評価の低さで相続評価は下がる。
- 長期の現実:賃料下落・空室・金利上昇・修繕負担でCF悪化のリスク。
長寿化でローン完済後の家賃が現預金に積み上がり、
二次相続で課税ベースが再膨張するパラドックス。
- 複眼思考(目的別に分ける)
- 投資(収益)=納税資金づくり:新築一択でなく、
収益性のある中古や小規模優良案件で確実にCFと内部留保を積む。
- 承継(仕組み)=守り:資産管理法人・家族信託・遺言でガバナンスと分割を設計。
- 総合(流動性)=納税資金の即応:生命保険・退職金・換価性資産のバランス確保。
- 時代の価値観変化(入居者起点の再設計)
- コロナ後は在宅・郊外・防音・通信などニーズが多様化。
「立地だけでは埋まらない」。
5〜10年の需要・供給を見据えた再評価が必須。
- 結論(設計と検証がすべて)
- 「誰のため・何のために借りるのか」を明文化し、
相続税に強い税理士×不動産実務家と複数シナリオで検証。
営業提案は鵜呑み禁止、臨機応変に最適解を選ぶ。
この動画から得られること
- 借金節税の構造(評価圧縮)と長期リスク(賃料・金利・修繕・長寿パラドックス)の正しい理解
- 目的別フレーム(投資=納税資金/承継=仕組み/流動性=即応)での施策選択
- 新築だけに依らない選択肢(中古優良物件・小規模高回転・保険・法人化・信託)
- 数値基準と検証手順(DSCR・LTV・CAPEX回収年数・ストレステスト・一次/二次総税額)
- 営業提案を見抜くチェックリストと、相続に強い税理士×不動産実務家の使い方
例え話
節税のための新築は、
急坂を一気に下る自転車に似ています。
最初は速く進みます(評価圧縮)が、
先の登り坂(賃料下落・金利上昇・修繕)でペダルが重くなり、
体力(キャッシュ)が尽きます。
ギア(法人化・中古活用・保険)を切り替え、
ルート(分割と税)を事前に設計すれば、
息切れせずに目的地(円満承継)に着けます。
専門家としての付加価値
- 目的別マップ(PIL:Profit/Inheritance/Liquidity)
- Profit(投資・納税原資):中古×高実質利回り
/小規模分散
/賃料ギャップ是正
/在宅対応改修(Wi-Fi・防音)
- Inheritance(承継・仕組み):資産管理法人(配当/役員報酬で分散)
/家族信託(受益権で分配設計)
/遺言+代償資金の原資設計
- Liquidity(流動性・納税):終身/定期保険の活用
/現金・有価証券の適正比率
/売却可能資産の確保
- 定量基準とストレス
- DSCR(営業CF/元利)≥1.2(ストレス:空室+10pt、賃料−5%、金利+1.0%でも維持)
- LTV(借入/時価)≤65%、出口キャップレート+50bpで含み圧力に耐性
- CAPEX回収年数=投下改修費/年次賃料増分≤7年
- 二次相続までの総税額(一次の圧縮と二次の再膨張を合算)で比較
- 営業提案のレッドフラッグ
- 「節税になります」以外の根拠なし
/DSCR・LTV・ストレスの数値が出てこない
/二次相続・流動性の議論がない
/出口(売却・承継)未設計
- 代替案の例
- 新築→中古(築浅×高稼働×賃料上振れ余地)
/借入規模縮小+保険併用
/区分/底地/借地の組合せ
/賃貸以外の土地収益(事業用借地)
視聴後アクション
- 具体ステップ(5項目)
1) 目的を3行で定義(誰のため・何のため・いつまでに:納税資金/承継/流動性)
2) 現提案を数値化(DSCR・LTV・CAPEX回収・一次/二次総税額)し、ストレステストを実施
3) 代替案を最低2つ用意(中古×小規模/法人化+保険 等)し、同指標で比較
4) 相続税に強い税理士×不動産実務家にセカンドオピニオンを依頼(レッドフラッグチェック)
5) 出口(承継/売却)と資金計画(納税原資・保険)を台本化し、家族合意と遺言草案を作成
- 用語の簡潔説明
- DSCR:営業キャッシュフロー÷元利返済。
1.2倍未満は資金繰りが脆弱。
- LTV:借入金額÷資産時価。
高いほど金利・価格下落に弱い。
補助資料
- チェックリスト(抜粋)
- 目的定義/家族合意の有無
- 提案の数値(DSCR/LTV/CAPEX/総税額)とストレス結果
- 二次相続・流動性(保険/現金)の設計
- レッドフラッグの有無(出口なし・数値根拠なし 等)
- セカンドオピニオンの所見・修正案
- テンプレ(要点)
- 3案比較テンプレ(新築/中古/法人+保険)
- ストレステスト表(空室/賃料/金利/修繕)
- 家族合意メモ&遺言条項サンプル(承継者・代償資金)
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