令和3事務年度における相続税調査の動向と今後の対策

今回は、国税庁より発表された「令和3事務年度における相続税の調査状況」を参考に、
近年の相続税実地調査の動向とその背景、
そして私たちが取るべき対策について解説します。

  1. 税務署における「事務年度」とは

まず、国税庁が使用する「事務年度」という言葉について説明します。
法人税や所得税、相続税といった国税の事務年度は、
毎年71日から翌年630日までを一つのサイクルとしています。
今回話題となっている「令和3事務年度」の調査結果は、
令和37月から令和46月までに行われた税務調査の結果を、
令和412月に国税庁がまとめたものです。

  1. 相続税の実地調査件数は大幅な増加傾向

令和3事務年度における相続税の実地調査件数は6,317件で、
前年比123.7%と大幅に増加しました。

コロナ禍において、
法人税や所得税の調査は感染対策の観点から控えられていた時期もありましたが、
相続税に関しては実地調査が強化された形となります。
この背景には、高齢化に伴い亡くなる方の数が増え、
それに比例して相続財産を持つ層の申告機会が増えたこと、
また税務署側が多額の相続税が見込まれる「大物案件」に照準を絞って
調査を行った可能性が推測されます。

  1. 申告漏れと追徴税額の現状

調査の結果、追徴税額(本税と加算税の合計)は総額で560億円にのぼり、
前年比で16.2ポイント増加しました。

また、実地調査1件あたりの詳細な数字は以下の通りです。

  • 申告漏れ課税価格: 3,530万円(過去10年間で最高額)
  • 追徴税額: 886万円(過去最高だった令和2事務年度に次ぐ、歴代2位の記録)

一見すると「ごまかしが増えた」ようにも見えますが、
実際には土地の評価額(路線価)が上昇傾向にあることが
大きな要因の一つと考えられます。
過去の感覚で「基礎控除内に収まるだろう」と判断していても、
評価額の上昇により、
意図せず申告漏れとなってしまうケースが増えているのです。

  1. 「無申告」事案への厳格な対応

相続税の申告が必要であるにもかかわらず、
申告を行わなかった「無申告事案」に対する調査は576件行われました(前年比124.7%)。

近年はインターネットやSNSを通じて情報の透明性が高まっており、
「黙っていればわからない」という時代ではありません。
それでも無申告事案が後を絶たないのは、
相続に関する知識不足や、
「自分にはそれほどの財産はない」
という思い込みが原因である場合が圧倒的に多いのが実情です。
税務署は独自のネットワークや資料から資産状況を把握しており、
申告漏れは高い確率で見つかると考えておくべきでしょう。

  1. 今後の傾向:富裕層への課税強化

国の方針として、
富裕層に対する課税強化の姿勢は益々鮮明になっています。
2023
年度の税制改正大綱では、
生前贈与の加算期間がこれまでの「3年」から「7年」へと
段階的に延長されることが決定しました。

人口減少により税収が減っていく中で、
国は相続税を重要な財源と位置づけています。
経済政策による自然な税収増が難しい現状では、
相続税調査を通じた徴収強化は避けられない流れといえます。

  1. まとめ:自己防衛のための事前対策

相続税は、
何の対策も講じなければ「三代続けば財産がなくなる」と言われるほど負担の重い税金です。
しかし、生前から合法的なスキームを構築し、
しっかりと対策を練ることで、
資産の8割、9割を次世代に残すことも可能です。

「自分は大丈夫だろう」と過信せず、
評価額の正確な把握や生前贈与の活用など、
早めに専門家へ相談し、
自己防衛のための準備を整えておくことが極めて重要です。
相続税調査が強化されている今だからこそ、
正しい知識に基づいた事前対策を検討しましょう。

要約

- 事務年度の定義
  - 国税庁の「事務年度」は7/1〜翌6/30。
 令和3事務年度の相続税調査結果は2022年12月公表(対象:2021/7〜2022/6)。

- 実地調査の増加
  - 実地調査件数は6,317件(前年比123.7%)。
 コロナ期に抑制された他税目に対し、相続は強化傾向。

- 申告漏れ・追徴の現状
  - 追徴税額合計560億円(前年比+16.2pt)。
 1件あたり申告漏れ課税価格3,530万円(過去10年最高)、追徴税額886万円(歴代2位)。
  - 背景に路線価上昇等があり、「基礎控除内」との過去感覚がズレやすい。

- 無申告事案への対応
  - 無申告調査576件(前年比124.7%)。
 情報連携が進み「黙っていれば」は通用しない時代。

- 今後の方向性
  - 富裕層課税の強化が明確化。
 2023年度改正で生前贈与の加算期間を3→7年へ段階的に延長。
 相続税は重要財源として調査強化が継続見込み。

- 結論
  - 早期の資産棚卸・評価精査・生前贈与の設計・証憑整備が自己防衛の核心。
 専門家と合法スキームで89割の資産承継を目指す。

 

この動画から得られること

- 動向の理解:実地調査の増加、追徴額の水準、無申告対応の実情
- 背景の把握:路線価・市場動向の影響、生前贈与「7年」加算の含意
- リスクの特定:現預金・名義預金・評価誤り・海外資産・暗号資産の盲点
- 証憑整備:財産目録、残高証明、入出金トレース、評価根拠の標準パッケージ
- 納税資金計画:生命保険・換価・借入・延納/物納の設計
- 実行手順:生前からの棚卸評価贈与設計証憑化申告準備のロードマップ

 

専門家の付加価値

- 監視されやすい論点
  - 現預金・名義預金:資金拠出者・通帳/印鑑管理者・利息帰属の三点セットで判定と記録
  - 不動産:路線価補正・地積/形状補正・借地権/貸家建付地の適用、鑑定活用の可否
  - 有価証券:取得価額・配当・株式移動の実態、同族会社株式の評価(類似業種比準等)
  - 海外・暗号資産:CRS情報・取引所年次報告・ウォレットアドレス・時価評価根拠

- 証憑パッケージ(最低限)
  - 財産目録、
 残高証明(相続前後)、
 入出金トレース表(直近3年の大口)、
 評価明細・根拠資料、
 名義預金判定メモ、
 保険金の非課税適用表、
 小規模宅地特例チェック

- 納税資金KPI
  - 見込相続税額×1.2〜1.5倍の流動性確保(生命保険・売却予定・融資枠)
  - 期限管理:相続開始後10か月の申告・納付、必要時の延納/物納の要件確認

- ペナルティ回避
  - 自発的修正による加算税軽減、重加算税リスク(隠蔽・仮装の有無)の線引き

- 贈与「7年」加算時代の設計
  - 暦年贈与は教育・住宅非課税や相続時精算課税との比較で最適化、
 贈与の事実と目的の証拠化(契約書・振込記録)

 

例え話

相続税調査は「胸部レントゲン」に似ています。
自覚症状がなくても、
影(不一致や未把握資産)は写ります。
定期検査(生前の棚卸と証憑化)をしておけば、
早期発見・早期是正で大事に至りません。

 

視聴後アクション

- 1. 財産を一覧化:預貯金・証券・不動産・保険・貸付・貴金属・海外/暗号資産をA4一枚で目録化
- 2. 証拠を集める:通帳・取引明細(5年分目安)、残高証明、評価根拠、贈与契約・振込記録をフォルダ化
- 3. 入出金を追う:相続前3年の大口出金/入金にメモを添付(目的・相手・根拠)
- 4. 評価を点検:不動産・同族株式は専門家評価で仮見積、路線価補正の可否を確認
- 5. 納税資金を確保:保険・換価・借入の組合せ案を作り、申告後の資金繰りを試算
- 6. 贈与を設計:暦年/精算課税・教育/住宅非課税の比較表を作り、7年加算を踏まえた計画に修正
- 7. 専門家へ相談:ドラフト資料を税理士へ提示し、修正申告/更正の請求や将来対策をレビュー

 

運用の勘所

- 時系列の整備:死亡日を軸に前後の入出金・贈与・名義変更・保険金受領を一枚タイムラインに
- 評価と実勢の整合:不動産・株式は評価手法と参照データを明記し、鑑定や時価補正の要否を検討
- 海外・暗号資産:口座・ウォレットの所在と残高を家族と共有、アクセス情報の遺言付言で補完
- 特例適用の要件管理:小規模宅地・配偶者軽減は書類と事実関係(居住・事業)の整合を先に確認
- 定点観測:四半期で資産台帳と証憑を更新、法改正(贈与7年加算等)を都度反映

 

数字は「兆候」を示すサインです。
路線価上昇と調査強化、
贈与加算の延長という潮流のなかで、
早めの棚卸・評価・証拠化・資金計画が資産を守ります。

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