今回はシンガポールとマレーシアの不動産事情、
そして海外投資におけるリスク管理についてお話しします。
- アジアのハブ、シンガポールの不動産事情
シンガポールは「アジアのショーウィンドウ」と呼ばれ、
世界中のトレンドが集まる場所です。
不動産価格は香港以上に高騰しており、
ビル一棟となると数十億円規模の取引も珍しくありません。
ワンルームマンションなどの区分所有についても、
価格は香港の2〜3倍という水準です。
そのため、少額資本の個人投資家にとっては、
純粋な不動産投資よりも、
現地での「事業投資」の方が成功の確率が高いという側面もあります。
また、シンガポールは金融・証券市場としても非常に成熟しています。
世界中から投資家が集まり、
上場(IPO)を目指す企業のプレゼンテーションが頻繁に行われるなど、
活気にあふれた市場となっています。
- 隣国マレーシア(ジョホールバル)の可能性
シンガポールと陸路でつながるマレーシアのジョホールバルは、
シンガポール側に位置する「第二の都市」です。
シンガポールから車で30分〜1時間程度と非常に近く、
利便性が高い一方で、
不動産価格は格段に安くなります。
数年前の視察時点では、
300万〜800万円程度で優良なマンションが売りに出されていました。
シンガポールのような高額物件と比較すると非常に手が出しやすく、
インカムゲイン(賃料収入)とキャピタルゲイン(売却益)の両方を狙える、
不動産投資向きのエリアと言えるでしょう。
- 海外不動産投資における「リスク」の考え方
海外投資を検討する際、
多くの人が「距離」「治安」「政治不安」などをリスクとして挙げます。
- 政治・統治リスク:
香港のような急激な体制の変化や、
タイのような軍事政権下の不安定さなど、
法律やルールが一夜にして変わってしまう恐れがあります。 - 物理的距離のリスク:
すぐに見に行けないことは不安要素になりますが、
これは「知らないことへの恐れ」でもあります。
- 「百聞は一見に如かず」現地視察の重要性
海外投資において最も大切なのは、
実際に現地へ足を運ぶことです。
他人の言葉やデータだけに頼るのではなく、
自分の目で見て、
現地の空気を感じることで得られる「直感」は、
何物にも代えがたい判断材料になります。
現在は渡航が制限される時期もありますが、
自由に行き来できるようになった際には、
真っ先に現地を訪れるべきです。
もし信頼できるパートナーがいる場合でも、
最終的な決断を下す前には、
必ず現場を確認することを強くおすすめします。
結びに代えて
海外視察が自由にできる日が早く来ることを願っています。
それまでは日本国内での基盤をしっかりと固めつつ、
次なる海外投資のチャンスに向けて知識と情報を蓄えておきましょう。

要約
- 海外不動産投資は「国・都市ごとの価格帯と役割」を理解することが前提です。
シンガポールはアジアのハブとして不動産価格が非常に高く、個人が不動産単体で利回りを取りにいくより、事業投資や金融市場の活用が現実的になりやすい地域です。
- 一方、シンガポールと陸路でつながるマレーシア・ジョホールバルは、距離の近さと価格の手頃さが特徴で、インカム(賃料)とキャピタル(値上がり)の両面を狙う発想が成立しやすいエリアです。
- 海外投資のリスクは「距離」だけではなく、政治・統治によりルールが変わるリスク(法制度変更、規制、課税強化)を最重要として捉えるべきです。
- 最も強い結論は「百聞は一見に如かず」。
データや他人の評価だけで意思決定せず、最終判断の前に現地視察で“肌感”を取りに行くことが、損失回避の基本動作です。
- 渡航制限がある局面では、日本国内での資金基盤と運用体制を整え、次の機会に備えて情報・人脈・チェックリストを先に作っておくことが合理的です。
例え話
海外不動産は
「現地でしか確認できない“匂い”がある商品」
に近い存在です。
カタログの数値が良くても、
実物の状態
(街の空気、管理品質、賃貸需要の温度感)
が伴わなければ、
期待どおりに運用できません。
だからこそ、
最後は現場で
確かめることが重要です。
この動画から得られること
- シンガポール(高価格・成熟市場)とマレーシア(価格優位・成長余地)の「投資適性」の整理
- 海外不動産に固有の主要リスク(政治・統治、制度変更、通貨、管理、出口)の捉え方
- 「距離の不安」を“確認不足”として分解し、視察で潰す発想
- 視察で見るべき観察ポイント(需要、管理品質、賃貸市場の温度、法規制の実装状況)
- 渡航制限下でも進められる準備(資金設計、チェックリスト整備、パートナー選定)
専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)
1)海外不動産のリスクをMECEで分解
- 制度・統治リスク:購入規制、税制変更、賃貸規制、送金・資金移動の制約
- 市場リスク:需要の源泉(雇用・人口流入)、供給過多、賃料下落
- 通貨・金利リスク:為替変動、現地金利上昇、ヘッジコスト
- 物件・管理リスク:施工品質、修繕計画、管理会社の透明性、不正・横領リスク
- 出口リスク:売却市場の厚み、買い手の融資環境、売却税・手数料
2)視察で必ず確認すべき「5点」
- 賃貸需要の源泉(オフィス集積、工業団地、大学、病院、交通結節点)
- 競合供給(新築供給のペース、空室、賃料キャンペーンの有無)
- 管理品質(共用部、セキュリティ、修繕履歴、管理費の根拠)
- 法規制の運用(購入要件、登記・権利形態、賃貸契約の慣行)
- 出口の現実(現地仲介に“売れる価格帯”と“売れるまでの期間”を確認)
3)「日本側で先に作る」準備物
- 投資方針1枚(目的、許容リスク、保有年数、想定利回り、出口)
- 3シナリオ(ベース/弱気/最悪)での収支表(為替▲10%、賃料▲10%等)
- 現地パートナー候補の比較表(実績、手数料、報告頻度、利益相反の有無)
視聴後アクション
- 今日やること
- 「どの国で、何を狙う投資か」を一行で書いてください(例:賃料収入重視/値上がり狙い/分散目的)。
目的が決まると、判断が一気に整理されます。
- 今週中
- 為替が動いた場合の影響を確認します。
家賃収入と返済・費用を、円換算で「為替▲10%」のケースまで計算してみてください。
- 2週間以内
- 現地視察に行ったと仮定して「見る項目リスト」を作り、仲介・管理会社に事前質問を投げます。
返答の質で相手の力量が見えます。
- 1か月以内
- 国内の基盤(現金余力・借入余力・税務体制)を棚卸しし、海外投資に回せる上限額を決めてください。
上限が決まると、無理な案件を排除できます。
- 迷ったら
- 「制度が変わったとき、誰がどう守ってくれるのか」を確認してください。
答えが曖昧な投資は、先に立ち止まる価値があります。
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