【トラブルの火種】メリットよりもデメリットが多い?
相続時の「土地の共有」に潜むリスク
相続が発生した際、
遺産分割協議の中で
「土地を複数の相続人で共有にする」
という選択肢が検討されることがよくあります。
一見、
公平で合理的な解決策のように思えますが、
実は将来的に大きなトラブルを招くリスクを秘めています。
今回は、
相続時の土地共有におけるメリット・デメリットと、
賢明な判断のためのポイントを解説します。
- 土地を共有にする一時的なメリット
相続時に土地を分筆(一つの土地を複数に分けること)せず
共有名義にする主なメリットは、
手続きの簡便さと初期費用の抑制です。
- 手間と費用の節約: 土地を分けるための測量や登記手続きが不要になるため、
初期費用を抑えることができます。 - 勝手な売却の防止: 土地の売却には共有者全員の同意が必要となるため、
一人の判断で勝手に処分されることを防げます。
例えば、
100坪の土地を相続した兄弟が、
測量費用を節約するためにとりあえず共有名義にする、
といったケースがこれにあたります。
- 将来にわたる大きなデメリットとリスク
共有名義は、
時間の経過とともに
「トラブルの火種」
へと変わる可能性が非常に高いのが実情です。
- 意思決定の難航:
売却したい共有者と反対する共有者がいれば、
身動きが取れなくなり、
親族間の深刻な対立に発展します。 - 「共有物分割請求」のリスク:
民法第256条により、
各共有者はいつでも共有状態の解消を求めることができます。
協議がまとまらなければ裁判に発展し、
最悪の場合は競売にかけられてしまうこともあります(民法第258条)。 - 世代交代による複雑化:
共有者が亡くなると、
その持分がさらに子供たちへ相続されます。
当初は数人だった共有者が、
数十年後には数十人、数百人へと膨れ上がり、
全員の合意を得ることが事実上不可能になるケースも珍しくありません。 - 10年の期間制限:
令和3年の民法改正(民法第904条の3)により、
具体的な相続分による遺産分割の請求は、
原則として相続開始から10年以内に制限されました。
期限を過ぎると解決がさらに困難になる可能性があります。
- トラブルを避けるための代替案
将来の世代に負の遺産を残さないためには、
相続の段階で具体的な形をつけておくことが推奨されます。
- 土地を分筆して単独所有にする:
費用はかかりますが、
各自が自分の土地として自由に活用・売却できるようになります。 - 換価分割:
土地を一括で売却し、
その現金を相続人で分ける方法です。
最も公平で後の腐れがありません。 - 代償分割:
一人の相続人が土地を単独で引き継ぎ、
他の相続人にはその持分に見合う現金を支払う方法です。
まとめ
土地の共有は、
その場の問題を先送りにするだけで、
解決にはなっていません。
唯一の例外は、
分筆すると建築基準法上の制限などで土地の価値が著しく下がる
(接道義務を満たせなくなる等)場合のみです。
遺産分割は、
大切な財産を次世代へ円満に引き継ぐための重要なプロセスです。
安易に「共有」を選ばず、
分筆や売却といった具体的な解決策を検討しましょう。
判断に迷う場合は、
税理士や弁護士などの専門家に相談し、
将来を見据えた最善の策を講じることをお勧めします。
今回は「遺産分割協議で土地を共有するかどうか」
というご相談にお答えします。
遺産の共有は一見便利そうに見えますが、
後々のトラブルを避けるためには慎重な判断が必要です。
遺産分割協議で土地を共有するメリット・デメリット
1.共有のメリット
例えば、
遺産の土地を分筆するには測量や登記などの手続きが必要ですが、
共有の形を選べばこれらの手間を省けます。
また、共有者全員の同意が必要になるため、
土地の売却など重要な決定を一人が勝手に進めることは難しくなります。
☆具体例
田中家では、
100坪の土地を父から相続しました。
測量のコストを抑えるため、
兄弟3人で共有する形を選びました。
この結果、
初期費用を節約できました。
2.共有のデメリット
一方で、
共有にはリスクもあります。
共有者の一人が「この土地を売却したい」と思った場合、
他の共有者と意見が合わなければトラブルに発展することがあります。
また、
共有者はいつでも「共有物分割請求」ができるため、
後々分割や裁判に発展する可能性があります。
☆具体例
先ほどの田中家では、
次男が土地の売却を希望しましたが、
他の兄弟は反対しました。
この結果、
裁判で分割が命じられ、
最終的に競売されてしまいました。
民法の規定から見る注意点
土地を共有する場合には、
以下の民法の規定が関係します。
1.共有物の使用(民法第249条)
共有物は全員が持ち分に応じて使用できますが、
他の共有者への配慮が必要です。
2.共有物分割請求(民法第256条)
共有者はいつでも分割を請求できます。
ただし、5年以内の分割禁止契約を結ぶことも可能です。
3.裁判による共有物の分割(民法第258条)
協議がまとまらない場合は、
裁判所が現物分割や競売を命じることがあります。
避けられるトラブルと具体的な対策
遺産分割協議では、
できる限り共有を避け、
分筆してそれぞれの名義にする方法が一般的です。
共有を選ぶと後の世代でさらに相続が発生し、
権利関係が複雑化する可能性があります。
☆実際の事例
鈴木家では、
共有していた土地を次の世代で再分割する必要が生じました。
しかし、
相続人が増えたことで話し合いが難航し、
結果的に土地は競売されました。
このようなケースを防ぐには、
最初の遺産分割協議で明確な分筆を行うことが重要です。
遺産分割の新しいルールにも注意!
令和3年の民法改正で、
遺産分割を請求できる期間が、
「相続開始から10年」
に制限されました(民法第904条の3)。
期限を過ぎると、
分割請求ができなくなる可能性があるので注意してください。
まとめ:未来に希望を残す遺産分割を!
遺産分割は、
次の世代に大切な財産を引き継ぐための大事な手続きです。
共有は一見便利そうに見えますが、
トラブルの火種となる場合があります。
できるだけ早い段階で分筆や売却などの具体的な形を決め、
全員が納得できる形を目指しましょう。
記事の要約(MECE・専門家視点)
- 結論(先に要点)
- 相続で土地を「共有」にするのは、初期の手間・費用を抑える反面、将来の意思決定難・訴訟・競売・世代交代による複雑化など、デメリットが大きい。原則として避け、分筆・換価分割・代償分割などで「具体化」して終わらせるのが得策。
- 共有の一時的メリット(短期の利便)
- 手続・費用の抑制:測量・分筆・各種登記を省ける。
- 無断売却の抑止:処分・変更は共有者全員の同意が必要。
- 共有の本質的リスク(中長期)
- 意思決定の硬直化:管理は持分過半数、処分・変更は全員一致。1人の反対で売却不能。
- 共有物分割請求の常在リスク:合意できなければ訴訟→換価(競売)で価値毀損も。
- 世代交代で共有者数が雪だるま式に増加:合意形成が実質不可能に。
- 期間制限の導入:相続開始から原則10年の枠組み(改正民法)で、後回しが一層不利に。
- 実務上の不都合:担保設定・建替え・再開発の合意形成が困難、固定資産税・管理費の未納が連鎖。
- 賢明な代替策(実行の選択肢)
- 分筆+単独所有:将来の活用・売却の自由を確保。
- 換価分割:売却して現金で按分。公平性と将来リスクの最小化。
- 代償分割:1人が所有し、他の相続人に代償金で調整。実務上のバランスが取りやすい。
- 例外的に共有が妥当な場面:分筆で接道義務を満たせなくなる等、価値毀損が大きいケースのみ。
- 結論
- 「その場しのぎの共有」は将来コストが高い。相続の段階で具体化(分筆・売却・代償)まで仕上げ、合意形成と手続を完了させることが、資産価値と家族関係を守る最短ルートである。
例え話
共有は、皆で一つのハンドルを握る車のようなものです。
発進は簡単でも、
曲がるたびに全員の合図が必要。
やがて乗員が増えるほど、
進路変更はほぼ不可能になります。
目的地が決まっているなら、
今のうちに運転手を一人に決めるか、
別々の車に乗り換えるべきです。
この動画から得られること(学習・実践)
- 共有の意思決定ルール(管理・処分)と訴訟・競売リスクの実像
- 共有を避ける3つの代替策のメリット・デメリットと使い分け
- 改正民法による相続の期間制限(原則10年)が与える実務影響
- 分筆・換価・代償を実行するための費用感と標準フロー
- 合意形成を速める説明の型と、紛争予防の合意文書の作り方
視聴後アクションのやさしい解説(初学者向け)
- 今すぐやること
- 状態の棚卸し:対象地の登記簿、公図、固定資産評価証明を取得。
- 合意のたたき台:分筆/換価/代償の3案を1枚に整理(費用・期間・公平性)。
- 費用の見積り:測量士(分筆)、不動産会社(売却)、資金計画(代償金)の概算を取る。
- 合意文書案:誰が何をいつまでに行うか、代償金の金額・期限・支払方法を条項化。
- 期限管理:改正民法の期間制限(原則10年)をカレンダー化し、初動期限を設定。
- 何が得られるか
- 「共有で先送り」せず、家族が選べる比較表と実行スケジュールが手に入る。
- 将来の対立・競売リスクを数値と文書で事前に減らせる。
専門家としての付加価値(実務チェックリスト/設計指針)
- 法的ポイントの整理
- 意思決定ルール:管理=持分価格の過半数、変更・処分=全員一致(民法の基本構造)。
- 共有物分割請求:協議不調→訴訟→現物分割・代金分割・換価(競売)。価値毀損と費用増を前提に回避設計。
- 相続の期間制限:相続開始から原則10年での枠組み導入。後回しの不利益を可視化。
- 代替策の実装
- 分筆:測量→境界確定→登記。接道義務・最低敷地面積・都市計画の確認。
- 換価分割:売却方針(仲介/買取)、販売期間の目安、諸費用(仲介手数料等)の負担配分。
- 代償分割:代償金の算定根拠、支払期限・利息、担保設定(根抵当・仮登記)で履行確保。
- 合意形成と文書化
- 遺産分割協議書:物件特定(地番・地目・地積)、分け方、代償条項、実行期限、違反時対応。
- 役割分担:代表者・連絡窓口の明確化、決裁プロセスの合意。
- リスク低減
- 共有のまま残す場合は、管理規約(費用負担、意思決定、使用ルール、出口トリガー)を同時整備。
- 相続登記義務(3年)にも留意し、名義整備を先行実施。
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引用
税理士法人A to Y メルマガ 令和6年11月21日配信
【相続】遺産分割と土地の共有について
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