成年後見制度を利用している方が相続人に含まれる場合、
遺産分割協議の進め方は通常とは異なり、
非常に慎重な対応が求められます。
今回は、後見人が関与する遺産分割において
注意すべき4つの重要ポイントを解説します。

  1. 利益相反への注意と「特別代理人」の選任

成年後見人が、
本人(被後見人)と同じ相続の相続人である場合、
「利益相反」の問題が発生します。
後見人の取り分が増えれば本人の取り分が減るという対立関係になるため、
後見人が本人を代理して協議を行うことはできません。
このような場合は、
本人の利益を公平に守るため、
家庭裁判所に「特別代理人」の選任を申し立てる必要があります。

  1. 後見人との円滑なコミュニケーション

後見人が関わる遺産分割協議は、
本人の権利を守るために手続きが厳格化され、
長期化・複雑化する傾向があります。
手続きをスムーズに進めるためには、
後見人に対して遺産分割の内容を丁寧に説明し、
本人の意向を最大限尊重しながら協議を進めることが大切です。
必要に応じて、
弁護士などの専門家を交えた対応を検討しましょう。

  1. 遺産分割調停・審判への対応

親族間での協議がまとまらない場合、
家庭裁判所での「調停」や「審判」に発展することがあります。

  • 調停:
    成年後見人が本人を代理して出席し、
    話し合いによる合意を目指します。
  • 審判:
    協議が不成立の場合、
    裁判所が遺産分割方法を決定します。
    このプロセスにおいても、
    後見人は本人の法定代理人として深く関与することになります。
  1. 居住用不動産の処分には「裁判所の許可」が必要

遺産分割の過程で、
本人が居住している建物や敷地を売却・処分する必要がある場合、
成年後見人は家庭裁判所の事前許可を得なければなりません。
裁判所は、
売却が本人の生活にどのような影響を与えるか、
資産管理の観点から妥当かなどを慎重に審査します。
相続財産に本人の自宅が含まれる場合は、
この点に十分留意してください。

まとめ

成年後見人が関わる相続では、
法的な制約が多く、
専門的な知識が不可欠です。
トラブルを未然に防ぎ、
円滑な相続を実現するためには、
早い段階で司法書士や弁護士などの専門家に相談し、
適切なアドバイスを受けた上で協議に臨むことをお勧めします。

この動画から得られること(Learning Outcomes

- 成年後見人が関与する遺産分割の基本構造(通常協議/特別代理人/調停・審判)
- 利益相反の判断基準と特別代理人の申立手順(要件・必要書類・審理の流れ)
- 調停・審判へ移行する際の実務(申立先/期日運営/合意形成/審判の射程)
- 居住用不動産の処分許可の要否と添付資料(処分必要性・代替案・本人利益の具体的説明)
- 成年後見人と他相続人とのコミュニケーション設計(説明責任・本人意思の尊重・専門家連携)
- 実行用チェックリスト(下記)で手続漏れ・無効リスクを回避

 

実行用チェックリスト(実務)

- 事前整理
  - 後見類型(後見・保佐・補助)、選任決定書・後見登記事項証明書の取得
  - 財産目録(遺産全体+本人財産)、相続関係説明図、戸籍類の収集

- 利益相反の確認
  - 後見人が相続人/遺産分割の配分が本人と後見人の利害相反となる場合
 →特別代理人の申立(申立書、相続関係、利益相反の具体的事情)

- 協議・合意形成
  - 後見人への遺産分割案の丁寧な説明、本人意思の尊重(面会記録・意思確認の記録)
  - 議事録化・合意書草案の作成、必要に応じて弁護士関与

- 調停・審判
  - 申立書・添付書類の確認(財産目録、評価資料、医師意見書があるとベター)
  - 調停期日の運営(合意に向けた案の更改)/不成立時の審判対応

- 居住用不動産の処分(ある場合)
  - 家庭裁判所の事前許可申立
 (売却理由、代替案の検討、売却価格の相当性、住居確保の方針、収益の管理方法)

- 横断的留意点
  - 後見人の権限の限界(贈与・リスク資産投資は原則不可)
  - 後見監督人がいる場合の関与・報告、年次報告への反映

 

専門家としての付加価値(深掘りポイント)

- 利益相反の具体例:後見人=相続人、
                                  ②遺留分侵害の調整、
                                  ③寄与分・特別受益の主張が絡む配分

- 特別代理人の役割:単一行為ごとの代理権付与が基本(包括代理ではない)
                               →分割協議書締結までの権限設計

- 居住用処分許可:本人の生活維持(介護費・医療費)
                           /建物の老朽化・危険性
                           /維持コスト比較
                              を定量で示すと裁量判断が通りやすい

- 証跡化の重要性:本人意思の確認、説明経過、費用対効果の比較表は、将来の紛争予防に直結

 

例え話(理解促進)

- 成年後見が絡む遺産分割は「公平な審判を呼ぶスポーツの特別ルール」のようなものです。
利害がぶつかる場面では特別代理人(中立の審判)を立て、
拮抗すればビデオ判定(裁判所の調停・審判)に委ねる。
フェアプレー(記録・説明・許可)を徹底すれば、試合は荒れません。

視聴後アクション(CTA

- 利益相反の有無を先に判定し、必要なら特別代理人を早期申立
- 後見人への説明経過・本人意思確認を記録化(議事録・面会メモ)
- 協議が難航するなら、調停・審判への移行を前提に証拠と資料を整備
- 居住用不動産の処分は、許可申立の根拠資料(費用比較・代替案)を準備し専門家と連携

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引用
相続・贈与相談センターマガジン2025年7月号
成年後見制度による遺産分割
知っておくべき手続きと注意点

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