相続について「放棄」と「限定承認」という選択肢があることをご存じない方のために、
それぞれの特徴と注意点を分かりやすくお伝えします!
質問
父が借金を残して亡くなりました。
不動産はあるものの、
借金の総額が不明です。
相続放棄を考えていますが、
他に方法はありませんか?
相続放棄は有効な選択肢ですが、
不動産が含まれる場合は「限定承認」も検討した方がいいケースがあります。
相続放棄とは?
相続放棄を選ぶと、
相続人は初めから相続人でなかったとみなされます(民法第939条)。
☆良い点:
借金だけでなく資産も一切相続しないので、
借金を背負うリスクがゼロ。
☆注意点:
資産価値があとで分かった場合でも取り返しがつきません!
たとえば…
「居住していた家が実は高額で売れる物件だった!」
ということがあっても、
放棄を選ぶとその利益も失われてしまいます。
限定承認とは?
限定承認では、
相続する資産の範囲内でのみ借金を返済します(民法第922条)。
つまり、自分の財産を使わずに対応できます。
☆良い点:
借金をすべて背負う必要がない。
資産が残れば、プラス分を受け取れる可能性がある!
☆注意点:
手続きが少し複雑。
共同相続人全員の同意が必要(民法第923条)。
たとえば…
「不動産が競売され、借金を返済しても余剰金が出た」場合、
その分を相続人で受け取ることができます。
どちらを選ぶべき?
借金だけで明らかに資産がない場合は
相続放棄が無難です。
不動産など価値が不明な財産がある場合は
限定承認が適しています。
特に、最近は不動産価格が高騰している地域も多く、
「価値があるかもしれない」と思う場合は、
多少の手間をかけてでも限定承認を検討してみてください。
具体的な手続きの流れ
1.相続放棄の場合
家庭裁判所に申し立て(3か月以内)。
必要書類を提出し、受理されると放棄完了。
2.限定承認の場合
共同相続人全員で家庭裁判所に申し立て(3か月以内)。
必要書類を提出し、裁判所の許可を得て手続き開始。
相続財産を使って借金を清算。残った資産があれば受け取る。
まとめ:最善の選択をするために!
相続放棄も限定承認も、
それぞれにメリットとデメリットがあります。
特に不動産が含まれる場合、
相続放棄を安易に選ぶと将来の資産を手放す可能性も…。
迷ったら専門家に相談し、
一緒に最適な方法を見つけましょう!
「未来を守る選択」は、
情報を知ることから始まります。
ぜひ、大切な家族の財産を守るために、
最善の一手を打ってくださいね!
税理士法人 A to Y
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