国土交通省が9月20日に発表した「基準地価」は全用途の全国平均が3年ぶりに上昇しました。
コロナ禍で続いた行動制限が緩和され、

経済活動の正常化が進み、住宅・商業地ともに需要が戻ってきたようです。
住宅地が31年ぶりの上昇へ転じたり、
円安で外資不動産爆買いが
起こったり、
コロナ禍からの回復にも明暗がはっきり分かれています。
2022年基準地価のお話を全3回にわたっていたします。
今回は、今年の基準地価の動向を解説します。

●基準地価とは?

各都適府県が7月1日時点の基準地の価格を調査したものを、
国土交通省がまとめて公表するもの。
今回の基準地数は21,
444地点でした。
国土交通省
実施の公示地価(1月1日時点)と調査時期、
調査地点で相互に補完的な関係にあります。

●住宅地31年ぶりの上昇ヘ

基準地価(7月1日時点)の全国の全用途平均は前年比、3年ぶりのプラスに。
住宅地は0.1%上昇で、バブル景気が終わった1991年以来、
31年ぶりの上昇となりました。
商業地も0.5%のプラスに転じており、
コロナ禍の落ち込みからの回復が鮮明になってきました。
東京、大阪、
名古屋の三大都市圏は全用途、住宅地、商業地すべてがプラスに転じました。

●地価回復は全国的に進んだ?

国土交通省は「経済活動の正常化が進む中、コロナ禍で弱含んでいた住宅
店舗の需要は回復傾向にある。住宅地では都市部を中心に地価の回復傾向が
全国的に進んだ」としています。

●全国商業地の41%で上昇!

商業地は全国の調査地点のうち41%で上昇しています。
再開発が
進んでいる地域や生活利便性に優れた地域の上昇が目立っています


●住宅地は14都道府県で上昇!

住宅地での上昇は14都道府県に上り、前年から倍増になりました。
三大都市圏の上昇率は1.0%で、
昨年マイナスだった大阪圏がフラスに転じたほか、
東京圏、名古屋圏は上昇率が拡大しました。
東京近郊のほか、福岡市や札幌市など再開発が 進む地方中核都市とその周辺が目立ちます。

<北海道事情>

再開発の進む札幌市は11.8%上昇しており、
日本ハムファイターズの新球場「北海道ボールパーク」で注目される北海道北広島市は24.8%上昇など、
同市が全国住宅地上昇率トップ3を独占しています。
効果は郊外にも波及し、
トップ100中、
82地点を北海道内が占めました。


●郊外のマイホーム人気再燃

テレワークの普及もあり、
住環境への関心が高まり、
都市部周辺を中心にマンションや戸建て販売が好調に推移し、
地価を押し上げました。

背景には歴史的な低金利や住宅ローン減税などの支援策があり、
12年以降のアベノミクスで緩和マネーが住宅市場に流入、
コロナ前の19年まで住宅地の下落率は縮小しています。


●17年連続トップが下落縮小!

商業地の最高価格地は、東京・銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」で、
1㎡あたり3,930万円で前年比▲0.5%下落ですが、
昨年の▲3.7%から下落幅は縮小です。
上位5位中4地点がマイナスなのは「
コロナ前に大きく伸びていた地点で回復しきれていないため」と言われています。


●地点数にみる回復基調

全国の調査地点のうち、
上昇、横ばい、
下落地点数の割合がコロナ前の2019年に近くなっており、
全国的な回復傾向が見てとれます。

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