マンション売却において、
売り方を少し工夫するだけで100万円の利益を上乗せするための基本的な考え方について解説します。
不動産仲介会社の収益構造は、
主に売主と買主の双方から受け取る仲介手数料で成り立っています。
売主から価格査定を依頼された際、
エージェントは周辺の相場を提示しますが、
不動産の価格は道路への接し方といった細かな条件によって大きく変動します。
そのため、通常は相場から外れた無理な高値を提示することはありません。
ただし、例外的に相場より高く売れるケースもあります。
例えば、隣地の所有者が購入を希望する場合、
土地の使い勝手が向上するため、
多少高値でも成約に至る可能性があります。
売り出し価格を最終的に決定するのは売主ですが、
希望価格で必ず売れるとは限りません。
売主が売却を急いでいる場合は、
早期成約を目指してあえて低めの価格設定にすることもありますし、
買主から値引き交渉をされることも一般的です。
ここで注意すべきは、
欲を出しすぎないことです。
最初に現れた購入希望者の提示額に対し「もっと高く売りたい」と断った結果、
その後何年も売れ残り、
最終的には当初の提示額を下回る価格でしか売れなくなったケースを私も見てきました。
また、額面上の利益だけでなく税金についても考慮する必要があります。
仮に100万円高く売れたとしても、
譲渡所得税などの税金が発生するため、
100万円がそのまま手元に残るわけではありません。
特に代々引き継いできた相続物件などの場合は、
売却益に対して多額の税金がかかることもあります。
「売主は1円でも高く売りたい、買主は1円でも安く買いたい」という双方の心理と、
税金などの実質的な手残りを十分に理解した上で、
売買を進めていただくことが大切です。
マンションを早く売ろうとするのは危険!? あと100万円高く売るために売主が抑えておきたい基礎知識書籍『マンション売却の錬金術』<第1回>
https://diamond-fudosan.jp/articles/-/1113014
要約
- 売却の前提
- 仲介会社の収益は仲介手数料。
査定は周辺相場と個別要因(接道・形状・階数・眺望・管理状況)で決まるため、
無理な高値提示は基本的に推奨されない。
- 相場超えの例外条件
- 隣地・同一棟内の所有者など「使い勝手が飛躍的に上がる特定買い手」にはプレミアムがのる可能性がある。
- 価格設定と売却スピードのトレードオフ
- 売主の最終決定だが、売急ぎ時は低め設定で早期成約を狙うことも合理的。
値引き交渉は通例。
- 過度な強気のリスク
- 初回の好条件を逃すと売れ残り、結果として当初提示額を下回る事例も多い。
初動の見極めが重要。
- 税引後手取りの重要性
- 譲渡所得税等で手元資金は目減り。
相続物件は課税計算が複雑で、額面の上振れがそのまま利益にならない。
- 結論
- 「誰に」「どの条件で」「いつ売るか」を設計し、税引後手取りで判断する。
欲張りすぎない交渉と、例外買い手の特定が+100万円の近道。
本動画のポイント
- 相場に対して「高く売れる」例外条件(隣地・同棟・業者の仕入れ意図)
- 初動2週間の価格戦略と初回オファー判定基準
- 値引き交渉の型(条件の交換と歩留まり管理)
- 税引後手取りの算定(特別控除・長短判定・相続の取得費)
- 低コスト改善で評価を上げる実務(写真・清掃・小修繕・情報開示)
この動画から得られること
- 市場と心理の理解
- 売主と買主のインセンティブ、仲介の動機付け、初動需要のメカニズム
- 価格戦略
- 売り出し価格のレンジ設計、初動2週間の運用、初回オファー評価
- 買い手開拓
- 隣地・同棟・管理組合・近隣業者への直接アプローチ手順
- 価値向上
- ハウスクリーニング、部分補修、ホームステージング、プロ写真のROI
- 交渉・契約
- 付帯設備表・告知で再交渉を防ぐ、条件交換の設計(引渡時期・残置物・手付金)
- 税務・手取り
- 譲渡所得の基本、3,000万円特別控除、長期/短期判定、相続の取得費加算の確認ポイント
専門家の付加価値(実務テンプレート)
- 価格レンジ設計
- 想定成約価格を中心に、売出価格は+1〜3%の交渉余地。
反響密度で1週目に微調整(0.5〜1.0%刻み)。
- 反響KPI:閲覧数/問い合わせ比率、内見率、初回週の申込有無。
基準未達なら迅速に調整。
- 初動2週間オペレーション
- 公開前:プロ写真・間取トレース・3Dツアー・重要情報の先出し(管理費・修繕履歴・耐震)。
- 公開後14日:内見枠を厚く設定、週1の内見者ヒアリングで障壁を特定→即修正。
- 相場超えを狙う買い手探索
- 同棟ポスティング、管理会社・理事長経由の周知、隣接地所有者へのレター、近隣業者の仕入れ意向確認。
- 再交渉を防ぐ開示
- 付帯設備表・物件状況確認書を先行提示、過去修繕・不具合を写真付きで明記。
既存住宅売買瑕疵保険の事前検査を手配。
- 価値向上の小投資(概算)
- プロ清掃3〜5万円/小補修・コーキング5〜15万円/照明交換・温白色化2〜5万円/プロ写真2〜4万円。
合計20〜30万円で評価改善幅100万円超の事例多し。
- 税引後手取りの要点
- 譲渡所得=売却価額−(取得費+譲渡費用)。
取得費不明時は概算取得費(売却価額の5%)に注意。
- 主な特例:居住用3,000万円特別控除、長期所有の軽減税率、相続税の取得費加算(期限・要件を要確認)。
- 長期/短期の境目:5年超で長期。
税率・特例適用可否は最新制度で確認。
視聴後アクションの解説
- 手取りの見込みを出す
- 売値から、残ローン・仲介手数料・登記費用・税金を引いた金額を紙に書き出します。
今の前提で「いくら残るか」を把握します。
- 初回オファーの基準を決める
- 受ける価格の下限、譲れない条件(引渡時期・残置物)を事前に家族と合意します。
迷いが減ります。
- 買い手候補へ直接知らせる
- 同じマンションや隣地の方にお知らせを配布し、管理会社にも情報共有します。
相場超えの可能性が上がります。
- 住まいを整える
- 不用品を片付け、清掃と小さな修繕を済ませます。
写真をプロに依頼し、明るい時間帯に撮影します。
- 情報を先に出す
- 管理費、修繕履歴、過去の不具合など、気になる情報を早めに提示します。
後からの値引き交渉を防げます。
- 税制を確認する
- 3,000万円特別控除や相続の取得費加算など、自分が使える制度を税理士に確認します。
手取りを最大化できます。
例え話
競り市で最初に手を挙げる買い手は、
目利きであることが多い。
最初の良い札を逃すと、
次は値が付かない。
マンションも同じで、
初動の見極めが価格を決めます。
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