65歳以降に自宅を売却して賃貸住宅へ住み替えるという選択について、
その実態とリスクを考察します。
最近は都心部を中心に家賃が上昇傾向にあります。
高齢になると年金生活で収入が減るため、
入居審査の厳格化を心配する声もありますが、
現在は保証会社を利用するのが一般的です。
昔のように親族を保証人に立てる必要がなく、
保証会社がリスクを引き受けるため、
支払い能力などの条件が合えば、
基本的には審査に通るでしょう。
ただし、都心部や人気エリアでは若年層との競合もあり、
物件によっては高齢者の審査が通りにくいケースも依然として存在します。
持ち家と賃貸を比較すると、
コスト面での違いが顕著です。
ローンを完済した持ち家であれば、
毎月の固定費は固定資産税や突発的な修繕費程度で済みますが、
賃貸の場合は一生家賃を払い続けなければなりません。
自宅を売却して賃貸に切り替えることは、
長期的な住居費の増大という「機会損失」を招くリスクがあります。
また、維持管理の自由度にも違いがあります。
戸建て住宅であれば、
雨漏りなどの緊急を要する事態でない限り、
修繕のタイミングを自分の判断で調整できます。
一方で、マンションは修繕積立金が強制であり、
管理会社の利益や計画に基づいてメンテナンスが行われます。
さらに、大手ハウスメーカーで家を建てた場合、
10年や15年といった周期で高額な定期メンテナンスを提案されることが多く、
維持費が割高になる傾向があります。
その点、一般的な木造住宅を地元の工務店などで建てる方が、
将来的なメンテナンスコストを柔軟に抑えられるというメリットもあります。
住まいを選ぶ際は、
購入時や建築時の初期費用だけでなく、
将来的に発生する維持管理費や家賃負担などのリスクを十分に見越して判断することが重要です。
《老後の「戸建てから賃貸マンションへの住み替え」の注意点》65歳以上だと「借りようと思っても審査で落とされる」現実 “自宅を修繕せずに住み続ける”という選択肢も
https://www.moneypost.jp/1359640
要約
- 前提と現状
- 65歳以降に「自宅売却→賃貸へ住み替え」は増加。
都心は家賃上昇、入居審査は保証会社の普及で通りやすくなった一方、
人気エリアでは高齢者審査が厳しめの物件も残る。
- コスト構造の差
- ローン完済の持ち家は固定資産税・保険・修繕が中心。
賃貸は生涯家賃+更新料が続くため、長期の住居費は賃貸の方が膨らみやすい(機会損失)。
- 維持管理の自由度
- 戸建ては修繕タイミングを自分で調整可。
マンションは修繕積立金が強制で、管理計画に拘束。
大手HMは周期的な高額メンテ提案が多く、地場工務店の方が長期費用を抑えやすい傾向。
- 意思決定の要点
- 初期費用だけでなく、将来の維持・家賃・修繕・介護対応までを含むライフタイムの住居費で比較し、
合理的に判断することが重要。
この動画から得られること
- 市場の現実:家賃上昇・高齢者入居審査の最新事情(保証会社の位置づけ)
- コスト比較:持ち家の固定費(税・保険・修繕)vs 賃貸の生涯家賃・更新・原状回復
- 住まい別のリスク:戸建(修繕自由度・バリアフリー化)
/マンション(積立金・大規模修繕の拘束)
- 選択肢の設計:売却→賃貸、持ち家維持、ダウンサイジング、リバースモーゲージ、サ高住・介護連携
- 意思決定KPI:家賃インフレ・修繕率・空室時費用・介護費の想定、住居費比率の目安
- 実務手順:物件選定・審査準備・改修見積・保険見直し・CF試算の進め方
専門家としての付加価値
- ライフタイム住居費の試算条件(目安)
- 家賃インフレ:年+1.5〜2.0%
/管理共益費は別建てで+1.0%想定
- 修繕費(戸建):延床×年1.0〜1.5%(計画修繕+突発修繕を平準化)
- マンション積立:200〜300円/㎡・月+将来の増額リスクを感応度分析
- 住居費比率:可処分収入(年金等)の25〜30%以内に収める
- 入居審査・保証会社(高齢者向け)
- 必須資料:公的年金額・資産残高・緊急連絡先・見守りサービス契約等
- 審査強化物件対策:年払い/半年払いの提示、
連帯保証人の任意付与、
見守り/介護連携を事前説明
- 改修・維持(持ち家継続時)
- バリアフリー化:手すり・段差解消・浴室改修の費用対効果(転倒リスク低減、介護予防)
- 住宅保険:再調達価額・水災/破損汚損・個人賠償の点検、免責の妥当化
- 大手HMと工務店:同等仕様での相見積・周期点検の要否をエビデンスで再検討
- リスク分散の選択肢
- リバースモーゲージ:対象エリア・評価方法・金利連動リスク、
長寿リスクへの上限契約
- 売却→賃貸の代替:郊外戸建へダウンサイジング、
分譲賃貸の賃借、
UR・公社の高齢者向け枠
例え話
老後の住まい選びは「長距離列車の座席指定」に似ています。
今だけ快適(初期費用の安さ)で選ぶと、
長い旅の途中で追加料金(家賃上昇・修繕)が積み上がります。
旅程全体(生涯コスト)を見て、
最も負担が一定で安全な座席を選ぶのが合理的です。
視聴後アクション
- 1. 事実をそろえる:年金額・金融資産・現在の住居費(税・保険・修繕)・健康状態をA4一枚に整理
- 2. 3案で試算:①持ち家維持
②売却→賃貸
③ダウンサイジング(戸建/分譲)を30年想定で比較
- 3. 審査の準備:賃貸希望なら保証会社審査に必要な書類一式と緊急連絡体制を整える
- 4. 改修の見積:持ち家継続なら、バリアフリー・屋根外壁・設備更新の相見積(2〜3社)
- 5. 保険を見直す:火災・地震・個人賠償、
家財の保険金額を現在価額で確認
- 6. 相談窓口を決める:不動産・建築士・FP・ケアマネをチーム化し、
1回の面談で方針決定
- 7. 年次で更新:家賃・修繕・健康の変化を反映し、
毎年見直し(家族と共有)
運用の勘所
- 近居の価値:子や支援者の近くは見守り・医療アクセスの便益が大きく、総コストを下げる
- 階段と浴室:転倒ハイリスク箇所の改修優先(手すり・段差解消・滑り止め・断熱)
- 交通と買い物:公共交通・買物弱者対策(宅配・移動販売)の有無を事前確認
- 契約の読み込み:賃貸は高齢者入院・死亡時の原状回復条項、
連絡義務、
見守りサービス連携を確認
- 将来の介護:要介護2以降での住み替え・在宅介護費のCFも感応度分析に入れる
老後の住まいは「いまの快適さ」ではなく
「一生の持続可能性」で選ぶべきです。
生涯コストを数字で可視化し、
審査・修繕・保険・介護までを設計に織り込めば、
安心して暮らせます。
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