相続税を軽減するためには、
生前からの準備が不可欠です。
今回は、生前対策を検討することによって得られる2つの大きなメリットと、
その具体的な進め方について解説します。

  1. 小規模宅地等の特例を最大限に活用できる

不動産の相続において、
最も強力な節税手段の一つが「小規模宅地等の特例」です。
この特例が適用されると、
一定の面積までの宅地の評価額を最大80%も軽減することができます。

ただし、
この特例を適用するためには、
相続開始時の土地の利用状況や、
誰がその土地を取得するのか、
また申告期限まで居住・所有を継続するかなど、
非常に細かな要件を満たす必要があります。

生前の早い段階で専門家と特例適用の可否を確認しておくことで、
将来の大きな税負担を回避できるのが第一のメリットです。

  1. 資産全体の「棚卸し」と「納税額」を把握できる

生前対策を検討する最大のメリットは、
相続財産の全体像と、
将来支払うべき概算の相続税額を正確に把握できることです。

実際に相談を受けるなかには、
「そもそも相続税がいくらになるのか」
「どんな財産があるのか」
を把握しないまま、
対策だけを急ごうとするケースも見受けられます。
しかし、
まずは現状を数値化し、
それに基づいて必要な対策(分割案や資金準備など)を検討することが重要です。

  1. まとめ:闇雲な対策は失敗のもと

相続税は、
引き継ぐ財産が多くなるほど税率が上がる仕組みになっています。
闇雲に対策を講じるのではなく、
事前のシミュレーションに基づいた戦略的な準備が必要です。

「結論を急ぐ前に対策を検討する」ことが、
円滑な資産承継と確実な節税への近道となります。
ぜひ一度、資産の棚卸しから始めてみてはいかがでしょうか。

【この動画から得られること(Learning Outcomes)】 

- 小規模宅地等の特例の基本枠組み
  - 代表例:特定居住用宅地等 最大330㎡まで80%減(制度の最新要件は国税庁資料で確認)
  - その他の区分(事業用/貸付事業用 等)の概要と留意点 

- 適用可否を左右する主な要件 
  - 相続開始時点の利用状況(被相続人居住/事業の継続性) 
  - 誰が取得するか(配偶者/同居親族/いわゆる家なき子の要件) 
  - 申告期限までの居住・所有の継続(居住用での注意) 

- 生前対策の手順 
  1) 相続財産の棚卸(不動産の権利・面積・利用状況) 
  2) 概算相続税額の算定(特例適用の有無で比較)
  3) 適用可否の判定と最適な取得者のシミュレーション
  4) 分割方針・遺言・登記・申告のスケジュール化 

- NG行動(代表例) 
  - “家なき子”要件の喪失(相続前3年内の持家取得/同居親族に持家がある等) 
  - 申告期限までの賃貸化・売却・居住中断
  - 分割協議や名義移転の遅延による失効 

- 実務チェックリスト(抜粋)
  - 固定資産評価・地積・地目・利用実態の確認 
  - 同居・生計同一の証明(住民票・生活実態) 
  - 取得者の居住・所有継続の意思と実務(光熱費・転居計画) 
  - 申告書への添付書類(戸籍・住民票・利用証明 等)と期限管理 
  - 他の特例・控除(配偶者の税額軽減 等)との併用検討

 

【例え話】 

小規模宅地は「通行許可証」に似ています。
ルート(利用状況)、誰が持つか(取得者)、
期限までの通行(居住・所有継続)が合致すれば、
大幅なショートカット(評価減)が許されます。
どれか一つでも欠けると通行止め(不適用)。
事前にルートを設計するほど安全です。

 

【視聴後アクション(CTA)】 

- 不動産一覧(地積・利用状況・権利)と相続人一覧を作成 
- 小規模宅地の適用可否をチェックリストで判定、概算税額を2パターン(適用有/無)で試算 
- 取得者・分割方針・遺言を仮決定し、申告期限までの居住・所有継続計画を明文化
- 税制改正・最新通達を専門家と確認し、必要書類・期限(申告・登記)をカレンダー化

 

【専門家としての付加価値】 

「面積・減額率」だけでなく、
要件の実務(相続開始時の利用・取得者の属性・申告期限までの居住/所有)と
失効リスクを横断的に整理。
生前の資産棚卸と概算税額で、
取得者と分割の最適解を数字で選べるよう設計します。

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引用
相続・贈与相談センターマガジン2024年12月号
なぜ相続税の生前対策が重要か

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