今回は「遺産分割協議で土地を共有するかどうか」
というご相談にお答えします。
遺産の共有は一見便利そうに見えますが、
後々のトラブルを避けるためには慎重な判断が必要です。
遺産分割協議で土地を共有するメリット・デメリット
1.共有のメリット
例えば、
遺産の土地を分筆するには測量や登記などの手続きが必要ですが、
共有の形を選べばこれらの手間を省けます。
また、共有者全員の同意が必要になるため、
土地の売却など重要な決定を一人が勝手に進めることは難しくなります。
☆具体例
田中家では、
100坪の土地を父から相続しました。
測量のコストを抑えるため、
兄弟3人で共有する形を選びました。
この結果、
初期費用を節約できました。
2.共有のデメリット
一方で、
共有にはリスクもあります。
共有者の一人が「この土地を売却したい」と思った場合、
他の共有者と意見が合わなければトラブルに発展することがあります。
また、
共有者はいつでも「共有物分割請求」ができるため、
後々分割や裁判に発展する可能性があります。
☆具体例
先ほどの田中家では、
次男が土地の売却を希望しましたが、
他の兄弟は反対しました。
この結果、
裁判で分割が命じられ、
最終的に競売されてしまいました。
民法の規定から見る注意点
土地を共有する場合には、
以下の民法の規定が関係します。
1.共有物の使用(民法第249条)
共有物は全員が持ち分に応じて使用できますが、
他の共有者への配慮が必要です。
2.共有物分割請求(民法第256条)
共有者はいつでも分割を請求できます。
ただし、5年以内の分割禁止契約を結ぶことも可能です。
3.裁判による共有物の分割(民法第258条)
協議がまとまらない場合は、
裁判所が現物分割や競売を命じることがあります。
避けられるトラブルと具体的な対策
遺産分割協議では、
できる限り共有を避け、
分筆してそれぞれの名義にする方法が一般的です。
共有を選ぶと後の世代でさらに相続が発生し、
権利関係が複雑化する可能性があります。
☆実際の事例
鈴木家では、
共有していた土地を次の世代で再分割する必要が生じました。
しかし、
相続人が増えたことで話し合いが難航し、
結果的に土地は競売されました。
このようなケースを防ぐには、
最初の遺産分割協議で明確な分筆を行うことが重要です。
遺産分割の新しいルールにも注意!
令和3年の民法改正で、
遺産分割を請求できる期間が、
「相続開始から10年」
に制限されました(民法第904条の3)。
期限を過ぎると、
分割請求ができなくなる可能性があるので注意してください。
まとめ:未来に希望を残す遺産分割を!
遺産分割は、
次の世代に大切な財産を引き継ぐための大事な手続きです。
共有は一見便利そうに見えますが、
トラブルの火種となる場合があります。
できるだけ早い段階で分筆や売却などの具体的な形を決め、
全員が納得できる形を目指しましょう。
税理士法人 A to Y
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