日本経済解説シリーズ、第3回目のテーマは「急激な円安と企業経営」です。
円安が私たちの生活や企業経営にどのような影響を及ぼしているのか、
最新のデータを交えて深掘りしていきます。

為替介入の裏側にある「巨額の含み益」

昨年(2022年)秋、政府・日銀は急激な円安を抑えるため、
6.3兆円にのぼる為替介入を実施しました。
ここで注目すべきは、
介入の原資となる「外国為替資金特別会計」の存在です。

政府は円高時代にドルを安く買い、
ストック(ドル債)として保有していました。
現在の歴史的な円安水準でその価値を換算すると、
一説には約37兆円もの含み益が出ていると言われています。
これほどの利益があるならば、
防衛費の増額などを増税で賄う必要はないはずです。
この資金を経済対策の財源に充て、
景気を回復させれば自然と税収も増えるでしょう。
現状の、場当たり的で計画性に欠ける政府の財源確保策には、
大きな疑問を感じざるを得ません。

円安がもたらす企業への深刻な打撃

東京商工リサーチの調査によると、
都内企業の約4割が「円安はマイナスである」と回答しています。
企業が望ましいとする為替レートは「1ドル=125円未満」ですが、
現状はそれを大きく上回る水準が続いており、
マイナスの影響を払拭できていません。

帝国データバンクの発表では、
2022
1月から10月までの「円安関連倒産」は21件に達し、
過去5年間で最多となる見通しです。
かつては「円安=輸出企業にプラス」と言われましたが、
現在は多くの企業が生産拠点を海外に移しているため、
かつてのような恩恵は受けにくくなっています。

むしろ、輸入コストの上昇が重くのしかかっています。
例えばユニクロのように、
海外で生産したものを日本で販売するモデルでは、
円安による原価高騰がそのまま値上げに直結します。
特に体力の乏しい中小企業や内需型の企業にとって、
このコスト高は死活問題となっており、
倒産の二極化が進んでいます。

製造業・輸出企業の苦悩と「基幹産業」の重要性

輸出の代表格であるトヨタ自動車でさえ、
1
円の円安で営業利益が450億円増える一方で、
鉄鋼やアルミなどの資材高騰、
物流コストの倍増がその利益を打ち消している状況です。
NEC
などの大手でも、
部材調達コストの上昇により利益減を余儀なくされています。

日本経済を真に立て直すためには、
インバウンド(観光)頼みではなく、
製造業、建設業、医療、
そして農業という「4つの基幹産業」をしっかりと再建していく必要があります。
特に食料自給率が3割台まで低下している現状は、
国家の安全保障の観点からも非常に危惧すべき事態です。

円安がもたらす「消費税収の増加」という矛盾

財務省の発表によると、
2022
8月の一般会計税収は前年同月比で約10%増加しました。
中でも消費税収は10.8%増の約3兆円となっています。
これは、円安や資源価格の高騰によって輸入額(円換算の金額)が膨らんだため、
輸入時に税関で徴収される消費税が増えたことが要因です。

国民や企業が物価高に苦しむ一方で、
国は円安のおかげで過去最高の税収を得ているという矛盾が生じています。
それにもかかわらず、
さらなる増税を画策する政府の姿勢は、
日本経済をさらに疲弊させる恐れがあります。

唯一の追い風「越境EC」の現状と課題

円安の中で唯一活況を呈しているのが、
海外の消費者に直接商品を販売する「越境EC」です。
日本の商品が割安に見えるため、
輸出額の約1割に達するほどの勢いがあります。

ただし、これも一種のブームであり、
注意が必要です。
例えば中国市場では、
景気後退やコロナ禍の影響により、
昨年に比べて売上が落ち込んでいるという声も聞こえてきます。
中国経済の衰退を念頭に置き、
甘い見通しだけで参入するのは避けるべきでしょう。

おわりに:今こそ必要な「先を読むリーダーシップ」

現在の日本は、
中小企業がコストを価格に転嫁できず、
無理をして品質を維持したり、
削ってはならないコストを削ったりする厳しい状況にあります。

人口減少を理由に安易に移民政策に頼るのではなく、
かつての日本がそうであったように、
少ない人口でも経済が回る構造を再構築すべきです。
政治家も経営者も、
目先の利益や保身に走るのではなく、
数十年先を見据えたハンドリングが求められています。

政府は確保した巨額の財源を正しく使い、
日本経済の根幹を支える施策を打つべきです。
私たち一人ひとりも、
この現状を正しく理解し、
自らのビジネスや生活を守っていく必要があります。

要約

- 円安と財源
  -
政府・日銀は2022年秋に約6.3兆円の為替介入。
 外為特会のドル保有には数十兆円規模の含み益があり、増税に頼らず経済対策原資に充当すべきとの指摘。

- 企業への実害
  -
都内企業の約4割が「円安はマイナス」。
 輸入コスト高と資材・物流高騰が利益を圧迫し、円安関連倒産が増加。
 生産の海外移転で「円安=輸出追い風」のメリットは限定的。

- 基幹産業の再建
  -
観光頼みでは国力は回復しない。
 製造・建設・医療・農業の4本柱を底上げし、食料自給率の低下(3割台)を是正すべき。

- 税収の矛盾
  -
円安で輸入額(円建て)が膨らみ、税関で徴収する消費税が増収。
 国は過去最高税収の一方、企業・家計は物価高で疲弊というミスマッチ。

- 明暗分かれる打ち手
  -
越境ECは円安下で追い風だが、中国など先行市場の減速に注意。
 ブーム依存ではなく、為替・需要の二面でリスク管理が必要。

- 求められる統治
  -
人口減少を前提に「少人数でも回る経済」へ設計転換。
 外為特会含み益の戦略的活用、増税先行でない成長投資と中長期のハンドリングが不可欠。

 

この動画から得られること

- マクロ理解:外為特会・為替介入の仕組み、消費税増収のロジック、倒産増の背景
-
収益感応:1円の円安が売上総利益・営業利益に与える影響(粗利・資材・物流の三点)
-
価格戦略:価値要素の可視化段階的改定代替案提示で離反を抑える型
-
為替戦略:ヘッジ比率・手段(FWD/OP)・ポリシーの設計とKPI
-
調達戦略:輸入依存の見直し、二重化・在庫適正化、通貨分散
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越境EC:為替追い風下の市場選定・関税/物流コスト・在庫/返品のリスク管理

専門家としての付加価値(実務指標・KPI

- 感応度分析
  -
為替感応:USD/JPY1円で粗利△X%、営業利益△Y%(四半期更新)
  -
価格改定の弾力性:改定後3か月の解約率<3%ARPU3%以上

- ヘッジポリシー
  - 12
か月の予想外貨エクスポージャーに対し、3か月:70%6か月:50%12か月:30%を目安に分散ヘッジ
  -
手段の使い分け:確定分=FWD、機会獲得=コラープ/部分OP

- 調達・在庫
  -
二重化率:上位SKU70%以上でサプライヤー二重化
  -
在庫回転日数:中央値±20%内で管理、急変時は安全在庫の再定義

- 現金フロー耐性
  - DSCR≥1.2
(為替+10円、資材+10%、物流+20%のストレス下)
  -
手元流動性:月商1.52.0か月+約定返済3か月分を維持

- 条項設計
  -
原価スライド(為替・資材連動)、短納期加算、FOB/CIFの見直しを契約に明文化

 

例え話

円安下の経営は「向かい風のマラソン」です。
体力(流動性)を温存し、
呼吸(価格改定)を整え、
風よけ(為替ヘッジ)と給水所(調達分散)を計画すれば、
風向きが変わるまで歩を進められます。

 

視聴後アクション

- 1. 事実をそろえる:外貨建て売上/仕入・物流・資材の比率と為替感応度をA4一枚に
- 2.
価格改定案を作る:価値要素の比較表・段階改定・代替案を準備(社内合意)
- 3.
ヘッジを決める:12か月の外貨エクスポージャーとヘッジ比率、手段を金融機関と協議
- 4.
調達を二重化:上位SKUの代替供給先・通貨・インコタームズを見直し
- 5.
流動性を厚く:運転資金ラインの確保、在庫・支払サイトの調整
- 6.
越境ECは検証:市場選定・関税/物流/返品のP/Lを試算してスモールスタート
- 7.
モニタリング:為替・PPI・物流指数のアラート閾値を設定し、月次で対策を更新

 

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