相続税の申告後に行われる税務調査において、
最も指摘を受けやすい項目の一つが「名義預金」です。
今回は、名義預金が相続税の対象と判断される基準や、
実務上の注意点について解説します。
- 名義預金とは
名義預金とは、
口座の名義人が配偶者や子供、孫など家族の名前になっていても、
実質的には被相続人(亡くなった方)の財産であると認定される預金のことです。
たとえ形式上の名義が相続人であっても、
税務署が「実質的な所有者は亡くなった方である」と判断すれば、
相続財産として課税対象に含まなければなりません。
- 名義預金と判断される4つの基準
税務署は、
主に以下のポイントを総合的に判断して名義預金かどうかを特定します。
- 資金の拠出者は誰か: その預金の原資(お金を出した人)は誰か。
- 管理・運用者は誰か: 通帳、印鑑、キャッシュカードを誰が持ち、実際に誰が
取引を行っていたか。 - 利益の受取人は誰か: 預金の利息などの利益を、最終的に誰が受け取っていた
か。 - 名義を有するに至った経緯: なぜその人の名義で口座を作ったのか、その経緯に
妥当性があるか。
- 典型的な事例
- 親が子供の名義で口座を作成し、親がお金を預け入れて管理している。
- 夫の収入を妻の名義の口座に入金し、夫がその使途を管理している。
このように、「お金を出した人」と「管理している人」が被相続人である場合は、名義預金とみなされる可能性が極めて高くなります。
- 税務調査の実態と注意点
過去に正当な「贈与」が行われていたと認められれば、
名義預金には該当しません。
しかし、税務調査では非常に厳しい追及が行われることがあります。
ある事例では、
65歳の納税者が税務調査を受けた際、
調査官から「学生時代(40年以上前)に受けた贈与の事実はあるか」と問われました。
一般的に贈与の持ち戻し期間は「亡くなる前7年以内」とされていますが、
名義預金の調査においては、
それ以前の資金の出所まで遡って確認されることがあります。
調査官は「今まで贈与を受けた記憶はありませんか?」といった、
一見何気ない、
あるいは悪意のある聞き方で、
過去の事実との矛盾を引き出そうとすることもあります。
相続人側が「7年間は贈与がない」と思っていても、
数十年前に遡って「名義預金(=亡くなった方の財産)」と
認定されてしまうリスクがあるのです。
まとめ
名義預金と指摘されないためには、
生前から「贈与」としての形(贈与契約書の作成、名義人本人による通帳管理など)を
明確にしておくことが重要です。
税務調査では、形式よりも「実態」が重視されます。
名義人が自分の意思で自由に使える状態であったことを証明できるよう、
事前に対策を講じておきましょう。
相続税の税務調査で、
申告漏れが指摘される財産の一つに名義預金があります。
相続人名義の口座でも
実質的に被相続人の資産と税務署が判断すれば、
名義預金とみなされることがあります。
今回は、
名義預金の判断基準と認定を避ける具体的な対策を解説します。
名義預金とは、
口座の名義が配偶者や子供、孫になっているものの
実質的にお金を拠出した人(出損人)の財産と認められる預金のことを指します。
例えば、
親が子供名義の口座を作成して、
そこへ預金したり、
収入を配偶者名義の口座に入金したりして、
出捐者が使途を管理する場合などが典型例です。
相続開始時には、
名義に関わらず、
被相続人が拠出した資金であり、
その預金が被相続人の財産と認められる場合は、
相続財産として相続税の対象となります。
したがって、
名義預金についても相続税の申告に含める必要があります。
名義預金かどうかは、
以下のポイントを総合して判断されます。
・資金を拠出した者
・財産を管理および運用していた者
・財産から生じる利益を受け取っていた者
・その名義を有することになった経緯
例えば、
口座の資金を被相続人が拠出していた場合、
口座名義が異なっていても
被相続人の財産とみなされます。
また、
通帳や印鑑を被相続人が管理していた場合も
名義預金とみなされる可能性があります。
ただし、
過去に被相続人から贈与により正当に取得していたと認められる場合には、
形式上は名義預金の形態を備えていたとしても
実質上は名義人固有の財産であり、
相続税の対象外となります。
記事の要約(MECE)
- 定義
- 名義預金とは、通帳の名義は配偶者・子・孫でも、実質の資金拠出・管理・利益享受が被相続人である預金。相続税の課税財産に算入されやすい。
- 判定基準(4要素)
1) 資金の拠出者(誰の資金か)
2) 管理・運用者(通帳・印鑑・カード保管と実際の入出金者)
3) 利益受取者(利息・運用益の帰属)
4) 名義設定の経緯(名義に合理性・整合性があるか)
- 典型事例
- 親が拠出し子名義口座を親が管理/夫の収入を妻名義口座に入金し夫が使途管理。
いずれも名義預金認定リスクが高い。
- 調査の実態
- 税務は形式より実態を重視。贈与の「持戻し7年」より昔の資金出所まで遡ることもあり、40年前の贈与有無を問う例も。矛盾を引き出す質問に注意。
- 対策の要点
- 名義人の自由支配体制、贈与契約書作成、銀行振込による記録化、110万円超の贈与税申告—の四点セットで「実在する贈与」を外形化。
この動画から得られること(Learning Outcomes)
- 名義預金の判定基準(4要素)と税務が見る資料
- 回避の標準手順
- 口座・カード・印鑑の名義人保管化/贈与契約書(都度)/銀行振込の徹底/110万円超は贈与税申告
- グレーと例外
- 未成年口座の管理、教育費・生活費の都度非課税の範囲、一括前渡しの課税リスク
- 調査対応と是正
- 7年超遡及への備え、通帳・資金移動の整合、過去分の自主修正・更正/修正申告による加算税の最小化
- 設計の一貫性
- 預金・不動産・証券で証拠レベルを統一し、「形式<実質」をクリアする贈与運用
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例え話
贈与の立証は「鍵の受け渡し」に似ています。
家(預金)の鍵=通帳・印鑑・カードを相手に渡し、
契約書(譲渡の証文)と引渡し記録(銀行振込)がそろって、
はじめて「所有が移った」と言えます。
鍵が手元のままなら、所有を疑われても仕方がありません。
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専門家としての付加価値(実務の勘所)
- 税務が重視する三種の証拠
- ①資金源の証憑(被相続人口座→受贈者口座の振込記録)
- ②管理実態(保管者・操作履歴・出金の使途)
- ③法的合意(贈与契約書原本・年次ファイリング)
- 贈与契約書の要点
- 贈与者/受贈者・金額・日付・趣旨(生活費/学資/資産移転)・撤回不可の明記。
電子署名も可、保存は原本主義で。
- 取引運用
- 現金手渡しは避ける。メモ欄に「贈与金」と明記し、名義人が自発的に入出金できる口座運用へ移行。
- 過去分の低リスク是正
- 事実関係と証憑の突合→不足分の整備→専門家と自主修正の可否判断。重加算税回避のための説明ストーリーを一貫化。
- 7年ルール時代の設計
- 暦年贈与は早期開始・少額分散。相続時精算課税と併用可否を比較し、帳票(契約・振込・申告)で「実在」を固定化。
視聴後アクション
- まず現状を把握(15分)
1) 家族名義の口座で、通帳・印鑑・カードの保管者と実際の操作を一覧にしてください。
2) 過去3年分の入出金を見直し、資金の出所(誰の口座→誰の口座)を書き出します。
- 次に仕組みを整える(30分)
3) これからの贈与は、毎回「贈与契約書」を作り、銀行振込で実行します。
4) 年110万円を超える贈与は、翌年3/15までに贈与税申告をします。
- 過去分の見直し(30分)
5) 証拠が弱い取引は、専門家に相談し、自主修正の可否を検討します。
6) 未成年口座・教育費・生活費は「都度・必要額」の原則で、領収書も残しましょう。
名義ではなく「実質」で見られます。
今日から「契約・振込・申告」の三点セットを徹底して、
相続税の落とし穴を回避しましょう。
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引用
名義預金に関する誤解と対策
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