日本の多くの中小企業にとって、
「事業承継」は避けては通れない非常に大きな課題です。
今回は、
経営者がいつ、
どのように承継の準備を始めるべきか、
その具体的な対策とリスクについて解説します。

  1. 日本とアメリカの経営者の意識の差

アメリカの経営者は、
会社を設立したその瞬間から「出口(事業承継や売却)」のことを考えていると言われます。
それに対して日本の経営者は、
承継についてあまり具体的に考えていない方が多いのが現状です。

現在、日本の中小企業経営者の平均年齢は約70歳まで上昇しており、
承継がスムーズに進んでいない実態が浮き彫りになっています。
経営者が
「自分はまだ元気だ」
「永遠に生きる」という前提で準備を怠っていると、
突然の病気や事故で倒れた際、
跡継ぎが決まっていないために会社が消滅してしまうという最悪の事態を招きかねません。

  1. 事業承継には5年から10年の準備期間が必要

事業承継とは、
単に親族に代を譲ることだけを指すのではありません。
「事業をいかに継続させていくか」が本質です。

一般的に、
現状調査から計画策定、
後継者の選定、
育成、
そして実際の経営資源の引き継ぎまでを完了させるには、
最低でも5年から10年はかかるとされています。
理想的なスケジュールとしては、
55
歳ごろから調査や計画に着手し、
数年かけて後継者を育成し、
65
歳で完全に引退するという流れが望ましいでしょう。
最速で進める場合でも、
60
歳から始めて66歳ごろに引退するという、
長期的な視点での準備が必要です。

  1. 多様化する承継の形:親族内承継からM&Aまで

かつては「親族内承継」が一般的でしたが、
現在は少子高齢化の影響もあり、
親族内に適任者がいないケースも増えています。
そのため、以下のような選択肢を柔軟に検討することが重要です。

  • 親族外承継: 有能な従業員や外部の役員に後継を託す。
  • M&A 後継者(人)ではなく「後継会社」を探し、事業を売却・統合する。

それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、
自社にとって最適な形を慎重に判断する必要があります。

  1. 見落とせない「お金」と「法的」なリスク

承継を検討する上で、
特に注意すべきは「自社株の評価」と「許認可」の問題です。

  • 税負担のリスク:
    長年経営を続けてきた会社は、
    たとえ直近の利益が少なくても、
    過去の蓄積(純資産)によって自社株の評価額が
    予想外に高騰している場合があります。
    何の対策もせずに承継しようとすると、
    多額の贈与税や相続税が発生し、
    資金繰りを圧迫する可能性があります。
  • 許認可のリスク:
    建設業や不動産業など、
    特定の資格や許認可が必要な業種では、
    後継者がその要件を満たしていないと、
    承継した瞬間に事業が継続できなくなる恐れがあります。
    事前に資格取得を促すなど、
    計画的な準備が不可欠です。
  1. 専門家の力を借りることの重要性

事業承継は、
税務、法務、経営管理と多岐にわたる専門知識を必要とします。
すべての税理士が事業承継に精通しているわけではないため、
自社の顧問税理士が不得意とする場合は、
セカンドオピニオンとして承継に強い税理士や行政書士に相談することも一つの手です。

結論:人の心の「すり合わせ」が最大の鍵

事業承継において最も難しいのは、
実はシステムや税金の計算ではなく「人の問題」です。

前任者の思いと後継者の考え、
そして残される従業員一人ひとりの個性や感情。
これらを丁寧に取りまとめ、
十分に配慮しながら進めていくことが、
より良い承継を実現するための最大のポイントです。

手遅れになる前に、
50
代後半から60代前半には具体的なアクションを起こすことをおすすめします。

要約

- 事業承継の現在地
  - 日本の中小企業は経営者の高齢化(平均約70歳)と準備不足が深刻。
 突然の不在で企業消滅リスクも。
  - 米国は創業時から「出口」を設計。
 日本は承継の具体化が遅れがち。

- 準備の基本線
  - 構想・調査〜後継者選定・育成〜移行完了まで510年が目安。
 理想は55歳開始・65歳引退。

- 承継の選択肢
  - 親族内・親族外(従業員/外部人材)・M&A(後継会社に託す)の3系統。
 自社の条件で最適化。

- 見落としがちなリスク
  - 自社株評価高騰による贈与/相続税負担、許認可や資格の要件未充足による事業停止。

- 要諦
  - 税務・法務・人のマネジメントを横断。
 専門家の分業活用と、関係者間の「心のすり合わせ」が最大の成功因子。

 

この動画から得られること

- 戦略設計:承継目的、選択肢(親族/役員/M&A)の比較軸、510年の工程
- 税務・財務:自社株評価の仕組み、株価引下げ策、納税資金の調達設計
- 法務・許認可:資格・要件の事前充足、許認可承継の手順
- ガバナンス:権限移譲、株式・議決権の設計、株主間合意
- 人と組織:後継者育成計画、キーマン維持、合意形成の進め方
- 実務KPI:進捗の見える化、期限管理、ストレステスト

 

専門家の付加価値

- ロードマップ(目安)
  - Year0–1:現状診断(財務//法務/許認可)承継方針決定
  - Year1–3:後継者選定・育成、株式・議決権設計、許認可要件充足
  - Year3–5:株価対策・資金計画・経営移行、関係者合意
  - Year5–10:最終移行・ポストM&A/承継後のPMI・監督体制

- 自社株価対策(適法なレバー例)
  -役員退職金(功績倍率の妥当性整備)、適正配当で内部留保圧縮、不要資産の切離し、自己株取得(要件留意)
  - 事業承継税制の適否判定:要件・年次報告負担・将来リスクを比較し、無理のない運用へ

- 納税資金KPI
  - 想定税額の1.2〜1.5倍の流動性確保(退職金・生命保険・融資枠)、返済原資のDSCR≥1.2

- 許認可アラート(例)
  - 建設業・宅建業・産廃・酒販・医療介護等:経営業務管理責任者
                     /専任技術者
                     /専任主任者
                     /人的要件の事前充足

- ガバナンス設計
  - 株式の集中と配分(議決権と配当の分離=クラス株式等)、
  株主間契約(譲渡制限・買戻条項)、取締役会規程の更新

- リスク管理
  - 後継者不適合時の代替案(役員登用/M&A)、
    想定外事象(病気・事故)での緊急移行計画(暫定代表/届出)

 

例え話

事業承継は「長距離リレー」に似ています。
タスキ(株式・権限)を渡す前に、
走者(後継者)の体づくり(育成)、
コース整備(許認可・法務)、
給水所(納税資金)を準備する。
準備が不足したタスキ渡しは、
転倒(事業停止)につながります。

 

視聴後アクション

- 1. 会社の棚卸:財務・人・許認可・株主構成をA4一枚で見える化
- 2. 方針決定:親族/役員/M&Aの第一選択と代替案を比較(メリット・リスク・期間)
- 3. 後継者の仮内定:要件と育成計画(経験・教育・外部派遣)を作成
- 4. 株価と資金の試算:自社株評価の概算、納税資金(退職金・保険・融資枠)を確保
- 5. 許認可チェック:必要資格・専任要件のギャップを特定し、取得スケジュール化
- 6. 合意形成:家族・役員・金融機関と方針共有、反対要因の洗い出し
- 7. 専門家チーム化:税理士(承継専門)・弁護士・社労士・M&A仲介/FAで分担と期限を設定

 

運用の勘所

- 「誰に・いつ・何を」渡すかを先に言語化(役割・権限・株・期限)
- 退任イベント(退職金・株移転・役職整理)を税務・資金と同期
- 金融機関とは早期に開示・対話し、後継者の信用補完(保証・枠)を前広に調整
- 許認可は「欠格事由」「専任」「常勤」要件の落とし穴に注意し、代替人材も用意
- 定点観測:四半期でKPI進捗レビュー、想定外に備えた代替ルート(M&A等)を常に保持

 

事業承継は「明日やること」ではなく
「今日から始める長期計画」です。
地図(ロードマップ)と高度計(KPI)を持ち、
税務・法務・人の三位一体で進めれば、
会社の未来は守れます。


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