例年12月になると、
与党(自民党・公明党)による税制改正大綱が発表されます。
これに基づき、
翌年3月までに国会で法制化され、
原則として4月1日から(一部は1月1日に遡及して)施行されるのが
一般的なスケジュールです。
2022年度の改正は、
一言で言えば「延長と見直しのオンパレード」であり、
コロナ禍への対応を優先したためか、
抜本的な大改正は影を潜め、
既存制度の期限延長や微調整が中心となっています。
以下に、
今回の改正の主要なポイントを「暮らし」「企業」「納税環境」の3つの視点で整理します。
- 全体的な傾向:抜本的改革の「先送り」と「節税封じ」
今回の改正では、
巷で注目されていた「相続税と贈与税の一本化」は見送られました。
大きなメスを入れるような大改革は先送りされた形です。
一方で、
富裕層向けの節税策については、
法改正という形をとらずとも「通達」や「租税特別措置法」の改正によって、
実質的に節税スキームを潰しにかかる「封じ込め」の動きが目立ちます。
- 「暮らし」に関する改正
一般家庭や個人の生活に関連する項目では、
主に期限の延長が決定しました。
- 住宅ローン控除:
4年間の期限延長。 - 住宅の買換え特例:
2年間の期限延長。 - 住宅取得資金の贈与税非課税措置:
2年間の期限延長。 - 固定資産税(商業地等)の負担調整:
地価上昇に伴う税負担の急増を抑えるための軽減措置。 - 大口株主の配当課税の見直し(実質増税):
上場株式の3%以上を保有する大口株主に対し、
配当控除の適用を制限するなど、
富裕層への課税が強化されました。
- 「企業」に関する改正
企業や個人事業主向けには、
賃上げや投資を促す制度の延長が中心です。
- 賃上げ促進税制(旧・所得拡大促進税制):
1年間の期限延長。 - 交際費の損金算入特例(800万円枠):
中小企業向けの特例が2年間延長されました。 - 事業承継税制(特例措置):
届出期限が1年間延長。 - 貸付用少額資産の損金算入制限(実質増税):
30万円未満の資産を貸付用として購入し、
一括で経費計上する節税スキームが禁止されました。 - オープンイノベーション税制:
見直しを伴う期限の延長。
- 「納税環境・その他」に関する改正
デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連する項目で、
一部大きな混乱と、
それに対する緩和措置がありました。
- 電子帳簿保存法(電子取引データ保存):
本来は2022年1月から完全義務化される予定でしたが、
準備が間に合わない事業者が多いため、
事実上2年間の猶予(先送り)が設けられました。 - 財産債務調書制度の強化:
一定以上の資産や所得を持つ者に対する提出義務が厳格化され、
富裕層への監視が強まりました。 - 配当所得の課税方式の一致:
所得税と住民税で異なる課税方式を選択する際の手続きが簡素化されました。 - インボイス制度:
2023年10月の導入に向け、
適格請求書保存方式の見直しが盛り込まれました。
まとめ
税制改正は、
その時々の政権の政策方針と密接にリンクしています。
前菅政権で推進された「デジタル化」に伴う電子帳簿保存法の厳格化が、
岸田政権下で現場の混乱を考慮して「先送り」されるなど、
政治の動きがダイレクトに反映されています。
項目数としては「減税」や「延長」が多く、
一見すると負担が減るように見えますが、
トータルで見れば国民の税負担が大きく軽減される内容ではありません。
各項目の詳細については、
今後の市場や個別の状況に合わせて慎重に見極める必要があります。

要約
- 全体像(2022年度税制改正の性格)
- 抜本改革は先送り。
既存制度の期限延長と微修正が中心。
富裕層向けの露骨な節税スキームは「通達・特例改正」で封じ込め強化。
- 暮らし(個人)への影響
- 住宅ローン控除:4年延長(中身は別回で見直しあり)。
- 住宅の買換え特例:2年延長。
- 住宅取得資金の贈与非課税:2年延長。
- 固定資産税:商業地等で負担調整(地価上昇時の急増を緩和)。
- 大口株主の配当課税:3%以上保有者は配当控除制限などで実質増税。
- 企業・事業主への影響
- 賃上げ促進税制:1年延長(拡充版へのつなぎ)。
- 交際費特例(中小・800万円枠):2年延長。
- 事業承継税制(特例):届出期限1年延長。
- 貸付用少額資産の損金算入:節税目的の一括損金(30万円未満×多数購入→貸付)を制限(実質増税)。
- オープンイノベーション税制:見直しのうえ延長(実効性は依然課題)。
- 納税環境・その他
- 電子帳簿保存法(電子取引データ保存):完全義務化は“2年猶予”で先送り(現場混乱に配慮)。
- 財産債務調書:提出義務の厳格化(富裕層の資産捕捉を強化)。
- 配当課税の方式:所得税・住民税の手続き簡素化。
- インボイス制度:2023年10月導入に向けた見直しを反映。
- 結論(実務の視点)
- 見かけは「減税・延長」だが、トータル負担が軽くなる内容ではない。
各制度の適用可否・コスト・証憑の負担を精査し、「使える」「使えない」を峻別することが肝要。
この動画から得られること
- 俯瞰図
- 暮らし/企業/納税環境の三分類で見る2022改正の変化点と“実質増税”ポイント。
- 使える/使えない判定軸
- 減税額<運用コスト(システム・証憑・人件費)か、
黒字前提の要件を満たすか、
期限内に証憑を整備できるか。
- 実務対応(企業・事業主)
- 交際費・賃上げ税制の要件・証憑、貸付用少額資産の線引き、事業承継特例スケジュールの再設計。
- 実務対応(個人)
- 住宅関連(控除・贈与・買換え特例)の延長活用、
大口配当の課税最適化、
財産債務調書の評価・一次資料の整備。
- DX・納税環境
- 電子帳簿保存(電子取引データ保存)の2年猶予期間中に整える命名規則・ログ・規程、インボイスの運用・ベンダー比較の軸。
専門家の付加価値(実務テンプレート)
- 判定フレーム(FREE)
- 減税見込−(初期費用+運用費)>0/証憑難易度=低中高/期限=即・短・中期 の3軸評価。
- 企業向けチェック
- 交際費:800万円枠の対象・按分・証憑(参加者/目的)整備。
賃上げ税制:対象者定義・賃金総額比較・控除額試算。
- 貸付用資産:本業/副業の線引き、30万円特例の年300万円上限管理。
- 事業承継:計画・認定・継続提出の期限ガントチャート。
- 電帳法・インボイス
- 命名規則(YYYYMMDD_取引先_金額_書類種別)、
検索3要件、訂正削除ログ/タイムスタンプ、
事務処理規程ひな形。
- インボイスの受領・照合・保管フロー図、ベンダー比較(TCO・API・SLA)。
- 個人向けチェック
- 住宅関連の延長適用の可否、
買換え特例のスケジュール、
財産債務調書の資産評価・一次資料(評価証明/残高証明)収集。
視聴後アクション
- 企業(5項目)
- 1) 交際費台帳の整備
2) 賃上げ控除の試算
3) 30万円特例の年上限管理
4) 承継計画の期限確認
5) 電子取引保存の命名規則を全社合意
- 個人(5項目)
- 1) 住宅関連の延長適用を税理士に照会
2) 固定資産税の負担見通しを試算
3) 大口配当の課税最適化を検討
4) 財産債務調書の草案を作成
5) インボイスの影響(副業・不動産)を確認
- DX(共通)
- 1) 電帳法の事務処理規程ドラフト
2) ベンダー3社のTCO比較
3) 社内教育の実施日をカレンダー登録
例え話
老朽化した橋に応急処置で継ぎ木をした
——これが今回の改正の姿です。
渡るためには、重量(コスト)を抑え、
通行時間(期限)を守り、
通行証(証憑)を整える。
安全に向こう岸へ渡るための「現実的な渡り方」を、
この動画で示します。
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