【10年前に相続した土地】今さら名義変更しても相続税は増えない?不動産登記の疑問を解決
「10年前に相続した土地を名義変更せずに放置していたが、売却するために今さら登記を行う場合、土地の値上がり分に対して相続税がかかるのではないか」
という不安の声をいただくことがあります。
今回は、不動産登記と相続税にまつわる重要なルールと注意点を解説します。
- 相続税は「相続発生時」の価値で決まる
結論から申し上げますと、
相続税は相続が発生した時点(被相続人が亡くなった時)の評価額で算出されるため、
その後10年の間に土地の価値が上がったとしても、
相続税が増えることはありません。
相続税の納税義務は相続が発生した時点で確定しており、
その時点での基礎控除額や遺産総額に基づいて計算されます。
そのため、
登記を放置していた期間の値上がりに対して、
新たに相続税が課される心配はありませんので、
ご安心ください。
- 相続税の申告期限と時効
相続税の本来のルールでは、
相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納税を行う必要があります。
もし当時、
申告が必要だったにもかかわらず忘れていた場合でも、
相続税には「時効」があります。
時効は原則として5年(悪質な隠蔽などがある場合は7年)です。
10年が経過している今回のケースでは、
仮に未申告であったとしても、
税務署から追徴課税を受けるリスクはありません。
- 令和6年4月から「相続登記」が義務化されました
相続税の心配はありませんが、
別の法律である「不動産登記法」には注意が必要です。
令和6年(2024年)4月1日より、
不動産の相続登記が義務化されました。
この新ルールにより、
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしなければならず、正当な理由なく怠った場合は
10万円以下の過料(罰則)の対象となります。
この義務化は、
令和6年4月以前に発生した相続についても適用されます。
そのため、
今回のケースのように10年前から放置している土地であっても、
猶予期間内にすみやかに名義変更を行う必要があります。
まとめ
土地の値上がりによる相続税の増額を心配する必要はありませんが、
登記の放置は
「義務化による罰則」
という新たなリスクを伴います。
相続登記は、
次世代へ安心を届けるための大切な手続きです。
放置されている不動産がある場合は、
今のうちに相続財産の状況を確認し、
早めに司法書士などの専門家へ相談して手続きを完了させることをお勧めします。
相続登記をしていない土地、今登記したら相続税がかかる?
例えば、10年前にお父様が亡くなり、
遺産分割協議でA土地を相続した方がいたとします。
でも、相続登記をしないまま今まで放置していました。
この度、A土地を売却するために自分の名義に登記する必要が出てきた。
そこで、
「値上がりした土地に対して、相続税が課税されるのでは?」
と心配になることがあります。
安心してください! 相続税は課税されません。
なぜなら、
相続税の納税義務は
「相続が発生した時点」
で決まるからです。
土地を相続した10年前に課税されるかどうかは、
その時点で相続税の基礎控除額や遺産総額によります。
登記を放置していた期間に土地の価値が上がったとしても、
新たに相続税が発生することはありません。
相続税の基本ルール
1. 納税義務の発生:
相続や遺贈により財産を取得した時点で納税義務が発生します。
2. 申告期限:
相続開始を知った翌日から10か月以内に申告・納税が必要です。
3. 登記は無関係:
相続税の申告は、登記の有無に関わらず行わなければなりません。
じゃあ、過去の相続もやり直し?
そこが気になるところですよね。
既に遺産分割の協議や裁判が終わっている場合は、
そのままです。
法律の安定性を保つため、
過去の確定した相続には影響を与えません。
未確定の相続は新ルールが適用されます。
まだ遺産分割の協議が終わっていない場合や、
無効な協議があった場合は、
新しいルールが適用されます。
申告漏れの心配は?
仮に、
10年前に相続税を申告すべきだった場合でも、
すでに法定申告期限から5年(悪質な場合は7年)が経過していれば、
税務署が追徴課税することはありません。
具体例で見てみましょう
事例A:
10年前、相続財産の総額が基礎控除以下だった場合→
相続税は発生していないので問題なし!
事例B:
相続税が発生するケースで申告を忘れていた→
期限切れで追徴課税のリスクもなし!
相続登記が義務化されます
令和6年4月1日から、
改正不動産登記法により相続登記が義務化されます。
このルールでは、
相続登記を怠ると罰則の対象になる可能性があります。
今後は、こういった放置事例が減るでしょう。
未来に向けた相続準備を!
今回の事例では、
相続税の心配はありません。
しかし、登記の放置は様々なリスクを伴います。
相続登記の義務化が始まる今だからこそ、
相続財産の状況を確認し、
早めに対応しておきましょう。
「相続」は次世代への贈り物。
未来に安心を届けるための準備を始めませんか?
記事の要約(MECE・専門家視点)
- 結論(税務と登記の要点)
- 相続税は「相続発生時(被相続人の死亡時)」の評価額で確定。10年放置後に登記しても、その間の値上がりで相続税が増えることはない。
- 相続税の申告期限は10か月。原則時効は5年(重加算等は7年)。今回の「10年前」なら追徴の可能性は通常低い。
- 一方で、2024年4月1日から相続登記は義務化。相続取得を知った日から3年以内に申請が必要。怠ると10万円以下の過料の対象。
- よくある誤解と現実
- 登記の遅れは「相続税増額」には直結しないが、「義務違反(過料)」と「売却・担保設定できない」実務リスクに直結。
- 売却時には譲渡所得課税が発生。値上がりしていれば所得税・住民税の負担が増える(相続税とは別の話)。
- 売却を見据えた留意
- 譲渡所得の取得費は原則「被相続人の取得費等」を引き継ぐ(改良費・譲渡費用は加算)。値上がりが大きいほど課税が出やすい。
- 条件により「空き家の3,000万円特別控除」等の適用可能性がある(個別要件の事前確認が必須)。
- 義務化対応の実務オプション
- 相続人申告登記(簡易な届出)で先に義務を履行し、のちほど正式な相続登記・持分確定でもよい。
- すでに10年放置でも「いまから速やかに着手」すればリスクを最小化できる。
例え話
相続登記は、家の「名札」を付け替える作業に似ています。
税金は名札を替えた時ではなく、
「家を引き継いだ日」に決まります。
ただし名札を長く掛け替えないと、
近隣トラブルや行政上の注意(過料)の対象になる、
というイメージです。
この動画から得られること(学習・実践)
- 相続税が「相続発生時評価」で確定する根拠と、時効(5年/7年)の考え方
- 相続登記義務化(3年・過料)の実務影響と経過案件の対応
- 売却に向けた登記・税務の一連フロー(相続登記→売買→移転登記→確定申告)
- 譲渡所得課税の基礎(取得費・譲渡費用・控除)と使える可能性のある特例
- 失敗を防ぐチェックリスト(書類・期限・専門家の役割分担)
視聴後アクションのやさしい解説(初学者向け)
- 今すぐやること
- 現状確認:対象不動産の登記簿(全部事項)と固定資産税評価証明書を取得。
- 相続関係の確定:被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍を収集し、相続関係説明図を作成。
- 登記の初動:相続人申告登記で期限対応→正式な相続登記の書類準備へ。
- 売却準備:司法書士・不動産会社・税理士に事前相談し、相続登記→売買→移転登記のスケジュールを確定。
- 税務見取り図:譲渡所得の概算(想定売価−取得費−譲渡費用)と特例の可否を確認。
- 何が得られるか
- 税・登記・売却の全体像が見え、過料や手戻りのリスクを下げられる。
- 実行スケジュールと必要書類が明確になり、意思決定が前に進む。
専門家としての付加価値(実務チェックリスト/実装指針)
- 相続登記(正式)に必要な主書類
- 戸籍一式(被相続人:出生〜死亡、相続人:現在戸籍)、遺言書または遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、固定資産評価証明書。
- 登記原因証明情報、相続関係説明図、委任状(司法書士関与時)。
- 相続人申告登記の活用
- 迅速に「相続人である旨」の申出で義務履行→その後に持分確定の本登記へ。経過案件の期限管理に有効。
- 譲渡所得(売却時)ポイント
- 取得費:被相続人の購入価額・改良費・相続時精算項目の検討。譲渡費用:仲介手数料・測量・解体等。
- 特例の適用可能性(空き家特例、居住用3,000万円控除等)は要件の事前精査。
- スケジュール標準
- 1〜2週:戸籍・評価証明の収集/相続人申告登記
- 3〜6週:遺産分割協議書作成→相続登記申請
- 7〜10週:売却活動→契約→移転登記→確定申告準備
- ガバナンス・リスク低減
- 共有のまま放置を避ける(共有者増加で将来の合意形成が困難に)。
連絡窓口の一本化、書類の保管台帳化、相続人間の合意記録。
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