不動産投資において、
販売価格100万円という超低価格物件は非常に魅力的に映ります。
しかし、そこには数字上のマジックと、
実務上の高いリスクが隠されています。
今回は、浜松市内の実例をもとに、
超低価格物件の「実質収益」を冷静に分析します。

  1. 実例物件の詳細データ

今回取り上げるのは、浜松市内にある築古のワンルームマンションです。

  • 売買価格: 100万円
  • 築年数: 1984年4月築(築40年)
  • 構造: 5階建てマンションの一室
  • 専有面積: 16.36平米
  • 設備: 3点ユニットバス
  • 管理費: 月額 3,500
  • 修繕積立金: 月額 5,080円(やや高め)
  • 固定資産税: 年額 約25,900
  • 現在の賃料: 月額 15,200円(入居中)

この物件の表面利回りは18.2%を超えており、
一見すると驚異的な高収益物件に見えます。

  1. 収益性の精査:表面利回りと実質利回りの乖離

表面利回りだけで判断するのは大変危険です。
各種経費を差し引いた「実質収益」を計算してみましょう。

  • 年間賃料収入: 182,400円
  • 年間経費(管理費・積立金): 102,960円
  • 固定資産税: 25,900円
  • 年間実質収入: 53,540

購入価格100万円に対する実質利回りは約5.3%となります。
表面利回り18%という数字からは、
かなりの開きがあることがわかります。
さらに、築40年のため年間12万円程度の突発的な修繕費を見込むと、
実質利回りは34%程度まで低下する可能性があります。

  1. この物件が抱える主なリスク

超低価格で売られている物件には、
必ずそれ相応の理由があります。

  1. 賃料の下落・停滞:
     浜松市の賃貸市場は人口減少の影響を受け、
    特に築古の小規模物件は賃料上昇がほぼ期待できません。
  2. 高い維持費:
     管理費と修繕積立金の合計(月額8,580円)は、
    年間約10万円に達します。
    これは物件価格の10%に相当し、
    収益を大きく圧迫します。
  3. 大規模修繕の負担:
     築40年を超えると、
    給排水管の更新や外壁塗装など、
    高額な修繕が必要になる時期です。
    積立金が不足している場合、
    追加徴収のリスクがあります。
  4. 出口戦略の困難さ:
     購入は容易ですが、
    売却(出口)は非常に困難です。
    築年数がさらに進めば、
    買い手がつく可能性はさらに低くなります。
  1. 超低価格物件に向いている人・向いていない人

購入を検討しても良い方

  • 不動産投資の勉強をしたい初心者:
     現金購入を前提に、
    少額で不動産の実務(数字の読み解きや管理)を学びたい方。
  • リスク分散を考えている方:
    資産の一部を小口の現物不動産に分散したい方。
  • DIYや管理を自ら行える方:
     軽微な修繕を自分で行い、
    経費を抑えられる方。
  • 節税・相続対策を目的とする方:
     実物資産としての評価額圧縮を狙う方。

購入を避けるべき方

  • 高い実質利回りを期待している方:
     表面上の数字に惑わされやすく、
    実益を重視する方。
  • 安定したキャッシュフローを求める方:
     空室や修繕一回で収支がマイナスに転じる可能性があります。
  • 遠隔地での管理を考えている方:
     築古物件は頻繁な対応が必要になるため、
    目が届かない場所での所有はハイリスクです。
  1. 結論:数字を冷静に読み解く訓練として

不動産投資を株式投資に例えるなら、
今回の物件は「額面を大きく割り込んだ低位株」のようなものです。
大きなリターンを秘める一方で、
下落の合理的な理由(築古・狭小・立地)を十分に理解し、
許容する必要があります。

私個人としては、
収益化が難しい築古ワンルーム投資には否定的な立場です。
しかし、不動産という実物資産である以上、
価値がゼロになることはありません。
「楽して儲かる」と思わずに、
今回紹介したチェックリスト
(管理組合の状況、修繕履歴、周辺の需要動向など)を徹底的に活用し、
慎重に判断してください。

要約

- 何が論点か
  - 浜松の「100万円ワンルーム(表面利回り18%)」実例を使い、
     経費・修繕・税を織り込んだ実質利回りと、
     築古・狭小・立地がもたらすリスクを定量で可視化。
     誰に向く/向かないか、買う前のチェックと撤退判断を提示。

- 実例の数字(築40年・専有16.36㎡・賃料1.52万円)
  - 年間賃料:182400
  - 年間経費(管理3,500円+積立5,080×12):102,960
  - 固定資産税:約25,900
  - 年間実質収入:約53,540実質利回り約5.3
  - 突発修繕(年1〜2万円)を見込むと実質3〜4%に低下 

- 表面18%が危険な理由(主なリスク)
  - 賃料の伸び期待が薄い:人口減少・築古・狭小(3UB)で賃料上昇はほぼ望めない
  - 維持費の重さ:管理+積立が年約10万円=物件価格の10%に相当し収益を圧迫
  - 大規模修繕期:築40年超は配管・外壁・防水・EV等の更新時期=追加徴収リスク
  - 出口の難しさ:買うのは容易でも売りは困難(年数経過で買い手はさらに限定) 

- 向く人/向かない人
  - 向く:現金で小口の現物不動産を経験学習したい初心者
            /DIYで維持費を抑えられる人
           /資産の分散・相続評価圧縮を狙う人
  - 向かない:高い実質利回りや安定CFを求める人
                  /遠隔管理で手間をかけられない人
                  /レバレッジ前提の人


例え話

 100万円ワンルームは「格安の中古車」。
価格は魅力的でも、
タイミングよくオイル・タイヤ・ベルトを替えないと維持費がかさみ、
売るときは買い叩かれる。
安さの理由(年式・走行距離=築年・狭小・仕様)を理解し、
整備計画(修繕・積立)と下取り(出口)まで読める人にだけが残ります。

 

専門家としての付加価値

- 買う前の必須チェック(資料で判定)
  - 管理組合:長期修繕計画
                   /積立金水準(㎡あたり月額目安)
                  /滞納率
                  /直近工事履歴と次回工事の資金手当
  - 建物・設備:配管材質(更新歴)
                      /屋上防水・外壁補修履歴
                     /共用電気・受水槽
                     /アスベスト・耐震
  - 専有:給湯器・水回りの寿命
           /光回線(VDSLか光配線)
           /宅配BOXの有無
  - 立地:駅距離・生活利便・夜間環境(騒音・明るさ)・賃貸成約賃料との乖離
  - 収益:稼働90%・修繕+2万円・管理
           /積立増額のストレスで実質利回りを再試算

- 買わない基準(撤退ライン)
  - ストレス条件で実質利回り<3.5
 /積立不足が顕著(将来一時金濃厚)
 /賃料が近隣相場より低く上げ余地もない
 /議事録に紛争・滞納多発の記載

 

この動画から得られること

- 表面利回りと実質利回りの差(費用項目の全体像)
- 築古×狭小×地方の4大リスク(賃料伸び/維持費/修繕/出口)
- 管理組合・修繕計画・積立金の読み方(議事録の見る勘所)
- 稼働90%、修繕+2万円、管理費/積立増のストレステストの回し方
- “向く人/向かない人”の判断軸と、撤退ラインの作り方

 

視聴後アクション

- まず数字を整える
  - 年間賃料、
    管理費、
    修繕積立、
    固定資産税、
    突発修繕(年12万円)を入れて実質利回りを再計算。

- 管理資料を取り寄せる
  - 長期修繕計画、
    修繕履歴、
    積立金水準、
    議事録、
    滞納率を確認。
    積立不足なら即見送りも判断。

- 現地を昼夜で歩く
  - 駅距離、
    生活利便、
   夜間の明るさ・騒音・治安を自分の足で確認する。

- 設備の寿命を点検する
  - 専有の給湯器・水回り、
    共用の配管・防水・EVの更新時期を把握し、
    費用を見積もる。

- ストレステストを回す
  - 稼働90%、管理/積立増、
    修繕+2万円でCFが黒字を保てるかチェック。
    赤字なら撤退。

- 出口を先に決める
  - 想定売価・売却コスト・売却先(投資家/自己使用)をメモにし、
    売れない可能性も織り込む。

 

 まずは「表面ではなく実質」で見ること。
今日、対象物件の実質利回りを再計算し、
管理組合の資料と修繕履歴を取り寄せてください。
稼働・費用・修繕のストレステストを回し、
出口まで描けない案件は見送る
——
この規律が、次の一歩を堅実にします。

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