今回は浜松市におけるワンルームマンション投資について、
実例を基に詳しく解説していきます。
取り上げるのは、100万円で購入可能なワンルームマンションです。
「本当にそんな物件で投資して大丈夫なの?」という疑問にお答えします。
この物件、築40年、16平米ほどの小さな部屋で、現在月額15,200円で賃貸中。
表面利回りだけ見れば年利18%を超える計算になります。
しかし、本当にこれは良い投資なのでしょうか?
この実例を通じて、
超低価格物件のメリット・デメリット、購入すべき人と避けるべき人、
そして投資判断に使えるチェックリストをご紹介します。
それでは、まず物件の詳細から見ていきましょう。
物件概要と市場分析
まず、今回の実例物件の詳細データです。
浜松市内の物件で、売買価格は100万円。
1984年4月築ですので築40年になります。
5階建てマンションの一室で、
占有面積は16.36平方メートル。
設備は3点ユニットバスとなっています。
管理費は月額3,500円、修繕積立金は月額5,080円とやや高めです。
固定資産税は年間25,900円。
そして現在の賃料収入は月額15,200円となっています。
まず、この物件の周辺エリアについて見てみましょう。
浜松市の中でも、このエリアは浜松駅から少し離れており、
浜松駅へのアクセスはバスを利用してとなります。
浜松市の賃貸市場全体を見ると、人口減少の影響もあり、
特に古い物件の賃料は下落傾向にあります。
特に今回のような築古の小規模物件は、
今後も賃料上昇は期待しづらいと言えるでしょう。
また、この物件がある地域全体の状況も重要です。
管理組合の運営状況や大規模修繕の履歴、
今後の修繕計画なども確認が必要です。
特に築40年となると、
配管の更新や外壁の大規模修繕などが必要になる時期です。
売買価格100万円という点だけを見れば非常に魅力的ですが、
管理費と修繕積立金の合計が月額8,580円とかなり高額です。
これは年間で約10万円、
物件価格の10%に相当します。
この点は収益性を考える上で重要なポイントとなります。
収益性分析と将来見通し
では、この物件の収益性を具体的に分析してみましょう。
現在の賃料は月額15,200円ですので、
年間賃料収入は182,400円となります。
ここから管理費と修繕積立金の年間合計額約10.3万円、
固定資産税約2.6万円を差し引くと、
年間実質収入は約5.3万円。
購入価格100万円に対する実質利回りは約5.3%となります。
表面利回り18%とはかなりの開きがありますね。
また、築40年の物件ですので、
設備の故障や修繕の可能性も高く、
年間1〜2万円程度のメンテナンス費用も見込んでおくべきでしょう。
これを考慮すると、実質利回りは3〜4%程度まで下がる可能性があります。
将来的な見通しとしては、
まず賃料の上昇はほぼ期待できないと考えるべきです。
むしろ、建物の経年劣化に伴い、
賃料は緩やかに下落していく可能性が高いでしょう。
また、空室リスクも考慮する必要があります。
現在は入居者がいますが、
退去した場合、築古の小規模物件は入居者募集に時間がかかることがあります。
仮に年間1ヶ月の空室が発生すると、年間収益は約1.5万円減少します。
大規模修繕についても注意が必要です。
管理組合の修繕積立金の積立状況や、
今後予定されている大規模修繕工事の有無を確認しましょう。
特に給排水管の更新は高額になる可能性があります。
一方で、この物件の最大の魅力は、
なんといっても低い投資額です。
100万円という価格は、多くの方にとって比較的手が届きやすい金額です。
また、仮に空室が続いても、
毎月の固定費負担はそれほど大きくありません。
投資回収の観点では、
実質年間収益が約3〜5万円だとすると、
投資回収期間は20〜33年程度となります。
建物の残存耐用年数を考えると、
純粋な投資リターンとしては厳しい面もあるでしょう。
購入すべき人と避けるべき人
では、このような超低価格ワンルーム物件を購入すべき人と、
避けるべき人について考えていきましょう。
まず、購入を検討しても良い方の特徴です:
- 不動産投資の勉強を始めたい初心者:少額から実践的に学べる機会として
但し、現金で購入する方だけに限ります。 - リスク分散のための小口投資を考えている方:複数の小規模物件に分散投資する戦略の一環として
- DIYや管理に時間をかけられる方:自分で修繕や管理をして経費を抑えられる方
- 長期保有を前提とした資産形成を考えている方:短期的なキャッシュフローより資産形成を重視する方
- 相続税対策や節税対策として実物所有したい方:評価額が低く抑えられる可能性がある
場合によっては、所得税の還付を受けられる可能性がある。
一方で、以下のような方は購入を避けた方が良いでしょう:
- 高い利回りを期待している方:表面利回りと実質利回りの差が大きく、期待外れになる可能性が高い
- 安定的な毎月のキャッシュフローを重視する方:修繕や空室のリスクで収支が不安定になりやすい
- 遠隔地からの管理を考えている方:築古物件は頻繁なメンテナンスが必要になることがある
- 資産価値の上昇を期待している方:経年による価値下落が避けられない
- 投資の初期費用を極力抑えたい方:購入後のリフォームや修繕費用がかさむ可能性がある
不動産投資は、株式投資に例えることができます。
今回の物件は、いわば「額面を大きく割り込んだ低位株」のようなものです。
企業価値(不動産の基本的価値)はあるものの、
様々な理由で市場での評価が低くなっている状態です。
こうした低位株は、大きなリターンの可能性もある一方で、
下落理由(築古、狭小、立地など)に合理性がある場合も多いです。
投資家としては、その理由を十分理解した上で判断する必要があります。
特に重要なのは「なぜこの物件が100万円という低価格で売られているのか」を
冷静に分析することです。
単なるお買い得物件なのか、
それとも将来的な大きなリスクがあるのか、
見極める目が必要です。
また、この種の物件は「売却しやすさ」という点でも注意が必要です。
購入は比較的容易でも、
将来売却したいと思ったときに買い手がつきにくい可能性があります。
特に築年数がさらに進んだ場合はなおさらです。
税務面での考慮も必要です。
低価格物件は減価償却費も少なく、
節税効果は限定的です。
一方で、管理の手間や将来的な修繕負担などの「見えないコスト」も考慮すべきでしょう。
実践的チェックリストと失敗回避ポイント
それでは、このような低価格ワンルームマンションを検討する際の実践的なチェックリストをご紹介します:
- 建物・設備の状態確認:
- 給排水管の状態(漏水履歴、更新予定)
- 外壁やバルコニーの劣化状況
- 共用部分(エレベーター、廊下、エントランス)の管理状態
- 室内設備(特に水回り)の状態と更新時期
- 管理組合の状況確認:
- 修繕積立金の積立状況と将来的な値上がり予定
- 大規模修繕の履歴と今後の計画
- 管理組合の運営状況(理事会の活動、総会の出席率)
- 区分所有者の居住比率(オーナー居住vs投資物件の比率)
財務・運営面のチェックポイントです:
- 収益性の精査:
- 実質利回りの計算(管理費、修繕積立金、固定資産税を全て考慮)
- 空室リスクの評価(過去の入退去履歴、周辺の需要動向)
- 修繕費用の見積もり(今後5年間程度に必要となる費用)
- 固定費上昇リスク(修繕積立金値上げの可能性など)
- 出口戦略の検討:
- 将来の売却可能性(同じマンションの過去の売買実績)
- 長期保有した場合の資産価値予測
- 相続時の評価額と税務上の取り扱い
- 建て替えや大規模修繕時の追加負担の可能性
次に、超低価格物件投資で陥りやすい失敗とその回避方法をお話しします。
まず「表面利回りだけで判断する」という失敗です。
実質利回りは表面利回りの半分以下になることも珍しくありません。
全てのコストを考慮した収益計算を行いましょう。
二つ目は「建物の状態を過信する」ことです。
特に築古物件は見た目よりも配管など目に見えない部分の劣化が進んでいることが多いです。
可能であれば専門家による建物診断を受けることをお勧めします。
三つ目は「管理組合の問題を軽視する」ことです。
修繕積立金が不足していたり、
管理組合の運営が不適切だったりすると、
将来的に追加の費用負担が発生する可能性があります。
総会議事録や管理規約を必ず確認しましょう。
四つ目は「出口戦略を考えない」という点です。
購入は簡単でも売却は難しいことが多いので、
長期保有を前提とした投資計画を立てる必要があります。
五つ目は「近隣環境の変化を見落とす」ことです。
特に需要の中心が学生の場合、
大学の移転や定員変更などで需要が大きく変動することがあります。
エリアの将来性も含めて検討しましょう。
まとめと次のステップ
浜松市の100万円ワンルームマンション投資について実例を基に解説しました。
超低価格物件は、“数字の読み解き訓練”には良い教材ですが、
収益化は容易ではありません。
表面上の高利回りに惑わされず、
実質的な収益性と将来のリスクを冷静に分析することが重要です。
今回ご紹介したチェックリストを活用して、
慎重に判断されることをお勧めします。
私自身は、収益化の難しいワンルームマンションへの投資は、
否定的に考えております。
ので、あまりお勧めはしませんが、
節税効果をと考えておられるようでしたら、
実物のある不動産ですので、価値がゼロになることはありませんので、
現金で購入できる方に限り、検討してみてくさい。
【この動画から得られること(Learning Outcomes)】
- ケースの実態(MECE)
- 物件条件:100万円/築40年/16.36㎡/3点ユニット/家賃1.52万円
- 固定費の比率:管理費+積立=月8,580円(家賃比56.5%)/固定資産税年2.59万円
- 実質利回りの出し方
- 年間家賃−(管理費・積立・固定資産税・空室・AD/原状回復・小修繕)=NOI
- 空室1カ月発生+AD1カ月+原状回復4万円を3年割→月約2,700円負担の影響
- 成功条件と閾値
- 管理費+積立/家賃<30%が目安(本件は56.5%で高負担)
- 面積・設備の需要閾値(16㎡・3点ユニットは募集難度上がりやすい)
- 回収年数:NOI3〜5万円なら20〜33年、劣化・修繕で長期化
- 適合/不適合の見極め
- 現金×長期×勉強目的×DIY可→限定的に許容
- 高利回り期待・安定CF重視・遠隔運用→不適
- 実務の型(チェックリスト)
- 建物・配管・大規模修繕計画/管理組合の積立・議事録
- 市場需給・稼働率・募集賃料・AD慣行/出口の流動性
【例え話】
100万円ワンルームは「額面割れの低位株」に似ています。
安いには理由があり、需給とコスト構造を読み解けば値ごろ感は消えます。
決算(NOI)と将来の投資負担(修繕)を見ずに株価(表面利回り)だけで買えば、
配当(キャッシュフロー)は簡単に消えます。
【専門家としての付加価値(実務の勘所)】
- 指標としきい値
- 管理費+積立/家賃<30%、40%超は警戒(本件56.5%)
- NOIベース利回り>長期国債+リスクプレミアム(目安3%+α)を最低ラインに
- 稼働率90%想定でNOI黒字を維持できること(空室1カ月+AD/原状回復を年平均化)
- NOI計算の標準形
- NOI=年間家賃−管理費−積立−固定資産税−空室損−AD−原状回復年平均−小修繕
- 例:AD1カ月1.52万円+原状回復4万円、3年で按分→年約3.24万円(⟺月約2,700円)
- 修繕と積立の現実
- 築40年は給排水・防水・外壁で一時金リスク。積立の不足率と改定履歴を確認
- 給湯器・水回り更新の周期と概算(例:給湯器7〜12万円)を事前反映
- 需要と商品性
- 16㎡・3点ユニット・駅バス圏は入居付けに時間。AD水準と平均募集期間を把握
- 学生/単身需要の変動(学校動向・雇用)の一次情報でストレステスト
- 出口の流動性
- 同棟の成約履歴・売出し滞留期間・価格帯の下限を確認。
現金買い需要中心のマーケット
【視聴後アクション(CTA)】
- 概要欄の「NOI計算シート」に家賃・管理費・積立・税・空室率・AD/原状回復・小修繕を入力し、実質利回りと回収年数を算出してください。
- 管理組合の長期修繕計画・積立水準・議事録(3期分)を入手し、不足率と一時金の可能性を確認してください。
- 募集データ(在庫/賃料/AD水準)を収集し、稼働率90%シナリオで黒字が維持できるかを検証してください。
- 現金×長期×勉強目的の方のみ限定検討。高利回りや安定CFを求める場合は代替案(駅近・面積大・設備更新済み)へ軸足を移してください。
税理士法人 A to Y
〒460-0014 愛知県 名古屋市中区富士見町7-11
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