- はじめに:老後資金と不動産の現状
最近、CMなどで
「老後資金が心配な方向けに、
今住んでいる自宅を担保に資金を借り、
そのまま住み続けられる」
という金融商品(リバースモルゲージなど)をよく見かけます。
こうした商品は信託銀行や大手不動産会社が提供していますが、
対象となるのは主に首都圏や大阪、名古屋といった都市部の物件です。
不動産会社や銀行も商売ですので、
担保価値(将来的に売却できる価値)が高い物件でなければ、
なかなか取り扱ってもらえません。
地方のポツンと一軒家のような物件では、
活用が難しいのが実情です。
- 不動産はあっても現金がない「相続」の難しさ
相続の現場でも、
これと同じような問題がよく起こります。
「不動産はあるが、現金がほとんどない」というケースです。
先日、あるお客様からこのような相談がありました。
亡くなったご主人は、
幹線道路沿いの非常に良い立地で店舗併用住宅を経営されていました。
土地の評価額(路線価)を確認すると、
立地が良い分、
驚くほど高い金額になります。
しかし、晩年は商売があまりうまくいっておらず、
手元の現金はほとんど残っていませんでした。
このように「土地の評価額は高いが、納税するための現金がない」という場合、
相続税を払うために、
住み慣れた土地や建物を売却せざるを得ないという厳しい状況に陥ってしまいます。
- 相続税の基礎控除と立地による不公平感
相続税の基礎控除額(非課税枠)は、
日本全国どこでも同じ条件で計算されます。
例えば、「配偶者1人と子供2人」の家族であれば、
基礎控除額は4,200万円(3,000万円 + 600万円 × 3人)です。
この条件は、
地価が非常に高い東京・銀座に住んでいても、
地価が安い地方に住んでいても変わりません。
そのため、都市部に自宅を持っているだけで、
現金をほとんど持っていなくても
相続税の課税対象になってしまうという「不公平感」が生じやすいのです。
- 有効な相続対策:配偶者居住権の活用
こうした「自宅しかない」というケースで、
近年注目されているのが、
民法改正で新設された「配偶者居住権」です。
これは、自宅の権利を「所有権」と「居住権」に分ける考え方です。
配偶者が「居住権」を相続することで、
自宅の評価額を抑えつつ、
亡くなるまでその家に住み続ける権利が保障されます。
不動産会社が買い取ってリースバックする仕組みに少し似ていますが、
法的な権利として配偶者を守るための有効な手段となります。
- 事前準備の重要性:遺言と生前贈与
トラブルを未然に防ぐためには、
事前の準備が欠かせません。
- 遺言書の作成
長年連れ添った配偶者に100%所有権を渡したいのか、
あるいは居住権を活用するのか。
遺言書にしっかりと意思を残しておくことで、
スムーズな相続が可能になります。 - 生前贈与(配偶者控除)の活用
婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、
居住用不動産またはその購入資金のうち2,000万円分まで、
贈与税がかからずに贈与できる特例があります。
これを利用して、
あらかじめ資産を移しておくことも一つの手です。
- まとめ:資産の「棚卸し」をしましょう
相続対策で最も大切なのは、
自分の資産が今どのような状態にあるかを正確に把握すること、
つまり「資産の棚卸し」です。
- 自分の家や土地の評価額はいくらなのか。
- もし今相続が起きたら、相続税はいくらかかるのか。
- その税金を払えるだけの現金はあるのか。
これらを事前に確認し、
家族で話し合っておくことが重要です。
地価の評価は、
固定資産税の評価額とは異なりますので、
専門家に依頼して正確な数字を出しておくことをお勧めします。
また、銀行に預けていても利息がほとんどつかない今の時代、
納税資金を確保するために、
お金の預け先(ポートフォリオ)を見直すことも検討してみてください。
「まだ早い」と思わず、
早め早めに「資産の棚卸し」を行うことが、
家族の安心につながります。
要約
- 現状認識(不動産はあるが現金がない)
- 老後・相続の現場では「資産の大半が自宅、現金は乏しい」ケースが多い。
都市部は地価が高く、相続税の課税対象に該当しやすい一方、
納税資金が不足し自宅売却を迫られる事態が起きやすい。
- 金融商品の限界
- リバースモーゲージ等は首都圏・三大都市の担保価値が高い物件が中心。
地方の一戸建てでは活用が難しいことが多い。
- 税の基本と“見えない不公平”
- 相続税の基礎控除は全国一律(例:配偶者+子2人で4,200万円)。
地価の高低を反映せず、都市部居住者は現金が少なくても課税されやすい。
- 有効策(評価圧縮と居住安定)
- 配偶者居住権の活用:自宅を「所有権」と「居住権」に分け、配偶者の居住を守りつつ相続税評価を抑える。
- 遺言と生前贈与:公正証書遺言で分け方を明文化。
配偶者控除(婚姻20年以上・居住用2,000万円まで贈与非課税)を活用し、早めに資産移転。
- 出発点は「資産の棚卸し」
- 自宅・土地の評価額(路線価ベース)/相続税見込額/納税資金の有無を可視化。
固定資産税評価額とは別物のため、専門家による精査が必須。
納税原資のポートフォリオ(現金・保険等)も設計する。
この動画から得られること
- 基礎控除の考え方と、都市部で課税対象になりやすい理由
- 自宅メインでも“住まいを守り税を抑える”配偶者居住権の仕組み
- 遺言(公正証書)と配偶者控除(20年以上・2,000万円)の使いどころ
- 「資産の棚卸」のやり方(路線価での評価・税額の概算・納税資金の設計)
- 納税原資のポートフォリオ(現金・保険・売却選択肢)の組み方
例え話
相続は「長旅の出発前チェック」に似ています。
地図(評価額と税額)を見ずに出ると、
燃料(納税資金)が切れて途中で立ち往生します。
まず燃料計(現金・保険)を点検し、
同乗者の席(配偶者居住権・遺言)を固定してから出発すれば、
目的地(円満承継)に着けます。
専門家としての付加価値
- 棚卸しクイックチェック(5点)
1) 自宅・土地の路線価評価(固定資産税とは別。路線価×面積×補正)
2) 相続税の一次試算(3,000万+600万×法定相続人を超えるか)
3) 納税資金の原資(現金・解約性の高い資産・死亡保険金の非課税枠=500万×法定相続人)
4) 配偶者居住権の適否(配偶者の居住継続・一次/二次相続の総税額比較)
5) 遺言方針(公正証書・予備受遺者・遺言執行者)と生前贈与の可否
- 配偶者居住権の設計メモ
- 所有権と居住権を分け、一次相続で評価圧縮→二次相続時に居住権は消滅=課税ベース縮小。
遺言で明確化し登記まで完了させる。
- 納税資金の設計
- 現金:生活防衛資金+相続税見込
- 生命保険:非課税枠の活用(受取人=相続人)で即時資金化
- 売却:タイミング・税コスト(譲渡所得)・代替住居を同時設計
視聴後アクション
1) 自宅・土地の登記事項と固定資産税台帳を入手→路線価で概算評価
2) 相続税の一次試算(基礎控除超の有無)
3) 納税資金の原資洗い出し(現金・保険・売却可能資産)
4) 配偶者居住権の適否と一次/二次相続の総税額を専門家と比較
5) 遺言(公正証書)の骨子作成+配偶者控除2,000万円の生前贈与可否を検討
- 用語の簡潔説明
- 配偶者居住権:配偶者が自宅に住み続ける権利。
所有権と切り分けて評価を下げ、居住を保障する制度。
- 路線価:相続税等の評価の基準となる道路ごとの価格。
固定資産税評価額とは別。
補助資料
- チェックリスト(抜粋)
- 路線価評価・税額試算の完了
- 納税資金(現金・保険・売却)の確保計画
- 配偶者居住権の登記フロー
- 公正証書遺言の必須条項・付言
- 配偶者控除(贈与)適用要件の確認
- テンプレ(要点)
- 資産棚卸シート(評価・税・原資)
- 遺言ドラフト(配偶者居住権/所有権の帰属)
- 納税資金ポートフォリオ表(現金・保険・売却)
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