不動産投資において、
自主管理(管理会社を入れずにオーナー自ら管理すること)には
コスト削減のメリットがありますが、
一方で借主との間で深刻なトラブルに発展するリスクも孕んでいます。
今回は、実際にあった「借主による勝手な増改築」の事例をもとに、
オーナーが注意すべきポイントを解説します。

  1. 驚愕の実例:知らない間に階数が増えていた?

あるオーナーが
所有する有名商店街の3階建てテナントビルでの出来事です。

ある日、オーナーが物件を確認したところ、
知らない間に
4
階や5階が増築されていたことが判明しました。
借主がオーナーの許可なく勝手に改築・増床を行っていたのです。

また、別の共同住宅の事例では、
借主が敷地内に
勝手に巨大な物置を
設置してしまうというトラブルもありました。

こうした事態は、
特に「自主管理」で、
かつオーナーが
頻繁に現地を訪れていない場合に
起こりやすくなります。

家賃が滞りなく入っていると、
オーナーはつい安心してしまい、
物件の細かな変化に
気づくのが遅れてしまうのです。

  1. 勝手な増改築が招く重大な法的リスク

本来、
建物の構造に関わる改築や増築を行う際は、
登記の変更が必要です。
また、
建ぺい率や容積率といった建築基準法上の制限もあり、
勝手な増築は
「違法建築物」となる可能性が非常に高いです。

このような状況で
物件を売却しようとしても、
違法建築状態では買い手がつきにくく、
資産価値が大きく損なわれます。
実際に立ち退き訴訟を起こして
勝訴したケースでも、
増築部分の取り壊し費用を
オーナーが負担せざるを得なくなったり、
建物の修繕に多額の費用がかかったりと、
結果的に大損失を被る事例も少なくありません。

  1. 契約書における「造作(ぞうさく)」の取り扱い

賃貸借契約書には通常、
「改築や造作を行う場合は貸主の事前承諾を要する」
という条項が含まれています。
また、
「造作買取請求権の放棄
(借主が設置した設備を、
退去時に貸主に買い取れと請求する権利をあらかじめ放棄すること)」
を明記しておくことも、
トラブル回避のために極めて重要です。

しかし、
昔ながらの「紙1枚」のような簡易的な契約書や、
市販のひな形をそのまま使っている場合、
こうした詳細なリスクヘッジが
不十分なことがあります。

  1. 書面による手続きの重要性(「言った・言わない」の回避)

借主とのやり取りを口頭だけで済ませることも危険です。

ある事例では、
借主が「退去します」と口頭で伝え、
オーナーもそれを承諾して
解約が進んでいたはずが、
1
年後に
「解約した覚えはない、家賃を受け取れ」
と言い出してきたケースがありました。
実は借主に認知症の兆候があり、
過去のやり取りを
忘れてしまっていたのです。

こうしたケースは
借主に悪意がなくても起こり得ます。
契約の解約、承諾、特約事項などは、
必ず「書面」で
取り交わしておくことが、
お互いの身を守ることに繋がります。

  1. まとめ:トラブルを未然に防ぐ3つのポイント

自主管理であっても、
以下のポイントを
徹底することでリスクを
最小限に抑えることができます。

  1. 定期的な巡回管理
    「家賃が入っているから大丈夫」と過信せず、
    定期的に現地へ足を運び、
    不自然な変化がないか確認する。
  2. 契約条項の精査
    民法改正や時代の変化に合わせ、
    契約内容が
    最新のリスクに対応しているか見直す。
    特に増改築の禁止や原状回復、
    造作買取請求の放棄については明確にする。
  3. 専門家の活用(保険としてのコスト)
    契約時やトラブルの兆候が見えた際には、
    不動産業者や弁護士、税理士などのプロを介在させる。
    手数料は「将来の甚大な損失を防ぐための保険料」だと考える。

多様な解釈や価値観を持つ人が
増えている現代だからこそ、
曖昧な管理は避け、
ルールに基づいた
毅然とした対応と書面管理が、
安定した不動産経営の鍵となります。

要約

- 自主管理は管理コストを抑えられる一方、
  現地確認と契約・書面管理が弱いと、借主トラブルが「気づいた時には手遅れ」になりやすい。 

- 実例として、貸主の承諾なくテナントビルが増築され階数が増えていた、敷地内に巨大物置を設置された等、
 「勝手な増改築」が発生。
  家賃が入っている安心感が、確認不足を招く。 

- 勝手な増改築は、建築基準法(建ぺい率・容積率)違反、登記不整合、違法建築化を招き、
  売却困難・資産価値毀損につながる。
  勝訴しても解体・修繕コストを貸主が負担せざるを得ない場面がある。 

- 契約書では「改築・造作は事前承諾」「原状回復」「造作買取請求権の放棄」を明確化する必要がある。
 古い雛形や簡易契約書はリスクヘッジが不十分になりやすい。 

- 口頭合意は「言った・言わない」に加え、借主の認知機能低下など悪意のないトラブルでも破綻する。
   解約や承諾は必ず書面化が基本。 

- 結論は、(1)巡回と証跡、(2)契約条項の最新化、(3)専門家の介在を「保険」と捉えて先手を打つこと。

 

例え話 

 自主管理は
「鍵を自分で預かる運用」
に似ています。
鍵を預かるなら、
定期的に扉や窓の状態を確認し、
合鍵のルール(契約条項)を決め、
出入りの記録(書面)を
残す必要があります。
これがないと、
いつの間にか
増築という別の扉
作られていても気づけません。

 

この動画から得られること

- 借主の勝手な増改築が起きる典型パターン(自主管理×巡回不足×書面不備)
-
違法建築化・登記不整合がもたらす資産価値毀損(売却難、金融機関評価低下、是正コスト)
-
賃貸借契約で必須となる条項(改築承諾、原状回復、造作、買取請求権放棄、違反時措置)
-
「言った・言わない」を封じる書面運用(承諾書、変更合意書、解約合意書、通知の型)
-
巡回・写真・議事録で作る証拠設計と、専門家を入れるべき判断基準

 

専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)

- リスクをMECEで分解(漏れなく・重複なく)
  -
法務:契約違反、解除・明渡し、損害賠償、造作買取請求、更新・解約の有効性 
  -
建築・行政:建ぺい率・容積率、用途・防火、確認申請、違法建築、是正命令 
  -
資産・金融:売却困難、評価減、融資条件悪化、保険不適用リスク 
  -
オペレーション:巡回不足、口頭合意、証拠不足、対応遅延

- 契約書で最低限押さえる条項(雛形の弱点を補う)
  -
改築・増築・造作:事前「書面承諾」必須、無断実施は解除事由 
  -
原状回復:範囲・仕様・期限・費用負担、写真基準、立会い方法 
  -
造作買取請求権:放棄条項(テナントでは特に重要) 
  -
立入・点検:定期点検の権利、緊急時の立入、通知方法 
  -
違反時措置:是正期限(キュア期間)、違約金、損害賠償の範囲

- 書面運用(トラブルを「起こさない」ための型)
  -
承諾は「承諾書(工事内容・図面・期限・原状回復・保険)」で残す 
  -
解約は「解約合意書(明渡日・精算・原状回復・鍵返却)」で確定 
  -
通知は「内容証明」等を選択肢に(局面に応じて)

- 巡回KPI(自主管理の最低ライン)
  -
1回(テナントは最低でも四半期1回)現地確認 
  -
写真:外観・共用部・サイン・増築疑い箇所を定点撮影 
  -
記録:日時・確認者・所見を1枚で残す(証拠の積み上げ)

- 専門家介在の判断基準(保険としてのコスト)
  -
無断工事の兆候、用途変更、近隣苦情、行政照会、借主の支払姿勢変化が出た時点で、
   弁護士・建築士・不動産会社を早期投入

 

視聴後アクション

- 今日やること
  -
手元の賃貸借契約書を開き、「改築・造作」「原状回復」「解約」「立入」の条文に付箋を貼ってください。
    まずどこに何が書いてあるかを把握します。

- 今週中
  -
物件を現地確認し、外観・共用部・看板・敷地内の構造物を写真で記録します。
    前回写真がなければ、今日が基準日になります。

- 2週間以内
  -
契約書が古い、または条項が薄い場合は、特約の追補(覚書)案を作り、借主と「書面」で合意します。
    口頭承諾はしない運用に切り替えます。

- 1か月以内
  -
巡回スケジュール(毎月/四半期)と、承諾書・解約合意書の雛形を整え、
    次の案件から必ず使う「自主管理の型」にします。

- 迷ったら
  -
「書面があるか」「写真があるか」の2点だけ確認してください。
    この2つが揃えば、大半のトラブルは拡大しません。

 

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