はじめに:増え続ける空き家問題
現在、全国的に空き家が急増しています。
核家族化が進み、
子供たちは都市部へ移り住み、
田舎の実家には高齢の両親だけが残されるケースが多いためです。
例えば、実家で一人暮らしをしていた親が
転倒による骨折などをきっかけに老人ホームへ入居すると、
実家はそのまま空き家になってしまいます。
本来、居住用不動産を売却する際には
「3,000万円の特別控除」という大きな減税制度がありますが、
かつてはこの制度の適用条件が厳しく、
空き家放置の一因となっていました。
2019年に拡充された「空き家特例」とは
こうした事態を解消するために創設されたのが、
通称「空き家特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例)」です。
2016年に始まったこの制度は、
一定の要件を満たせば、
相続した空き家を売却した際の譲渡所得から最大3,000万円を控除できるものです。
さらに、2019年(令和元年)の税制改正により、
「亡くなる直前に老人ホームに入居していた場合」でも、
要件を満たせば特例が受けられるよう大幅に緩和されました。
現在、この特例の適用期間は2023年(令和5年)12月31日まで延長されています(※)。
※動画収録時の情報です。
特例を受けるための主な要件
空き家特例を適用するためには、
まず実家が
「1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されたもの(旧耐震基準)」
であることが条件となります。
その上で、
以下のいずれかの対応が必要です。
- 耐震リフォームを行い、新耐震基準に適合させてから譲渡する
- 建物を取り壊して更地にしてから譲渡する
譲渡代金が1億円以下であることなど、
他にも細かな要件がありますが、
この制度を利用することで、
相続した不動産の売却にかかる税金を大幅に抑えることが可能です。
老人ホーム入居者が特例を受けるための「3つの条件」
改正によって老人ホーム入居者も対象となりましたが、
以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 要介護・要支援認定などを受けていたこと
(健康な状態で入居した場合は対象外となる可能性があります) - 老人ホーム入居直前まで、その自宅に一人で住んでいたこと
(一度子供と同居してからホームに入った場合などは適用されません) - 入居後、自宅を第三者に貸したり、事業に使ったりしていないこと
(家財道具などの保管場所としてのみ使用され、空き家状態である必要があります)
注意すべき「タイミング」と「契約」の落とし穴
この特例を確実に受けるためには、
事務手続きのタイミングが非常に重要です。
- 契約日とリフォーム・解体の日付
原則として、譲渡(売却)の契約を結ぶ「前」に、
耐震リフォームや建物の取り壊しを完了させておく必要があります。 - 建物滅失登記のタイミング
建物を壊した後の「建物滅失登記」が完了してから引き渡しを行うのがスムーズです。
決済(代金の支払い)が登記より先に行われると、
実務上「更地として譲渡した」と認められないリスクがあるため、
注意が必要です。
まとめ:早めの話し合いと方針決定を
空き家は放置すると建物が急速に傷み、
最悪の場合は倒壊して近隣に迷惑をかける恐れがあります。
また、適切なタイミングを逃すと、
せっかくの3,000万円控除も受けられなくなってしまいます。
親が存命のうちに実家の建築時期や権利関係を確認し、
「老人ホームに入ったらどうするか」「相続したらどう処分するか」を家族で早めに話し合っておくことが、
将来のトラブルや無駄な納税を防ぐ鍵となります。
制度を賢く利用して、スムーズな相続・処分を進めましょう。
要約
- 背景(空き家増加と課税の壁)
- 親の施設入居や相続を機に実家が空き家化。
従来の3,000万円特別控除(居住用財産の譲渡)は適用が厳しく、売却をためらい放置が進行。
- 解決(空き家特例の創設と緩和)
- 空き家特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除)により、相続した空き家の売却益から最大3,000万円控除。
2019年改正で「被相続人が亡くなる直前に老人ホーム入居でも一定要件で適用可」に緩和。
- 主な要件(骨子)
- 1981年5月31日以前の旧耐震建物であること+次のいずれか
1) 譲渡前に耐震リフォームで新耐震適合
2) 建物を取り壊して更地で譲渡
- 譲渡対価1億円以下、相続開始から一定期間内の売却 ほか
- 老人ホーム入居者の追加3要件
- 要介護・要支援認定を受けていた/入居直前まで一人で自宅居住/入居後に第三者使用(賃貸・事業)なし
- 実務の落とし穴(タイミング管理)
- 工事・解体の完了前に売買契約を結ばない(原則、契約前に完了)
- 建物滅失登記
→引渡し
→決済の順で進め、「更地としての譲渡」や「耐震適合後の譲渡」を形式要件ごと整える
- 注意(期限は税制改正で更新)
- 適用期限・細目は毎年の税制改正で見直し。最新の公告・通達で要確認。
この動画から得られること
- 空き家特例の目的・対象・控除額(最大3,000万円)の全体像
- 老人ホーム入居ケースで必要な3条件(介護認定・単身居住・第三者不使用)
- 旧耐震の判定と、耐震適合/解体の2ルートでの要件整理
- 契約・登記・工事の「正しい順番」とNGパターン(実務リスク回避)
- 適用期限の確認ポイントと、相続前からの家族合意・準備の進め方
例え話
空き家特例は「高速道路のETC」に似ています。
ゲート(要件)を正しい順番で
通過すればスムーズに通行(控除)できますが、
逆走(契約が先・登記が後)すると通行不可。
進入前にルート(耐震 or 解体)を決め、
必要書類(車載器)を整えておけば、
止まらずに通過できます。
専門家としての付加価値
- 適用可否のクイック判定(5問)
1) 建築日:1981/5/31以前か(固定資産台帳・登記事項で確認)
2) 譲渡対価:1億円以下か(予定価格・査定で確認)
3) 老人ホーム入居の有無と3条件(介護認定/単身/非使用)を満たすか
4) 工事ルート:耐震適合証明 or 解体・滅失登記のどちらで進むか
5) 期限:相続開始からの期間と現行の適用期限に間に合うか
- タイムラインひな形(解体ルート例)
- Week1–2:相続人確定・遺産分割合意→測量・境界確定の要否判断
- Week3–6:解体見積→工事→建物滅失登記完了(必要書類収集)
- Week7–8:売買契約(更地条件)→引渡・決済→申告書へ特例適用
- 必要書類(抜粋)
- 被相続人の住民票除票・戸籍、介護認定通知(老人ホーム入居時)、家屋の建築時期が分かる資料、耐震適合証明(または滅失登記事項)、売買契約書
- 申告実務の要点
- 譲渡所得計算(取得費・譲渡費用の実額証憑を確保/なければ概算取得費5%)+空き家特例の添付書類一式
- 相続税の小規模宅地等や取得費加算など、他制度との重複適用の可否を税理士と整合
視聴後アクション
1) 実家の建築年を確認(登記事項・固定資産台帳)し、旧耐震か判定
2) 老人ホーム入居の有無・介護認定・単身居住・第三者不使用の立証資料を収集
3) ルート決定(耐震適合 or 解体)→見積・工期・費用を確定
4) 工事/解体→(必要なら)滅失登記→売買契約→引渡・決済の順で日程に落とす
5) 申告書類(特例添付)を税理士と作成/適用期限の最新改正を最終確認
- 用語の簡潔説明
- 旧耐震:1981年5月31日以前に建築。
現行基準適合には耐震改修が必要。
- 滅失登記:建物解体後、登記簿から建物記録を抹消する手続き。
更地譲渡の形式要件。
補助資料
- チェックリスト(抜粋)
- 建築年・旧耐震の確認/老人ホーム関連の立証資料
- 譲渡価格1億円以下の見込み/他制度との重複可否
- 工事/解体の完了日・滅失登記完了日・契約/決済日
- 必要書類(戸籍・住民票除票・介護認定通知・適合証明 等)
- テンプレ(要点)
- 空き家特例 適用可否早見表
- タイムライン表(工事/解体→登記→契約→申告)
- 申告添付書類リスト
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