はじめに:相続税と所得税の違い

一般的に、財産を相続した際には「相続税」の申告が必要になりますが、
これと「所得税の確定申告」は別物です。
原則として、単に財産を相続しただけであれば、
相続人に所得税の確定申告の義務は生じません。
しかし、相続した財産の内容やその後の扱いによっては、
相続人自身が確定申告を行う必要がある、
あるいは行った方が有利になるケースが3つあります。

  1. 相続した不動産を売却したケース

相続税を納税するため、
あるいは遺産分割のために相続した土地や建物を売却し、
利益(譲渡所得)が出た場合は確定申告が必要です。

「取得費加算の特例」の活用

相続した不動産を売却する場合、
「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」という制度があります。
これは、支払った相続税の一部を不動産の取得費(経費)に加算できる制度で、
売却にかかる所得税を軽減することができます。
この特例を受けるには、
期限内の確定申告が絶対条件です。
申告を失念し、
後から税務署の指摘を受けて期限後に申告しても、
この特例は適用できないため注意が必要です。

  1. 相続財産を寄付したケース

相続税の申告期限内(死亡から10ヶ月以内)に、
国や地方公共団体、特定の公益法人などに相続財産を寄付した場合、
その財産には相続税がかかりません。

所得税の還付を受けられる可能性

さらに、寄付を行った相続人は所得税の「寄付金控除」を受けることができます。
給与所得者や年金受給者、配偶者控除を受けている方などは、
確定申告をすることで、
源泉徴収された税金の還付を受けられる可能性があります。

「寄付して相続税の対象から外れたから終わり」ではなく、
所得税の還付を受けるためにも忘れずに確定申告を行いましょう。

  1. アパートなどの収益物件を相続したケース

アパートや賃貸マンションなどの収益物件を相続した場合、
その物件から生じる賃料収入は相続人の所得となるため、
確定申告が必要になります。

遺産分割が決まるまでの「空白期間」に注意

注意が必要なのは、
誰が相続するかを決める「遺産分割協議」が難航し、
時間がかかっている期間の扱いです。

例えば、1月に相続が発生し、
遺産分割が決まらないまま12月を迎えた場合、
その年1年間の賃料収入は、
一旦「法定相続分」に従って各相続人が取得したものとみなされます。
そのため、
たとえ最終的に一人の相続人が物件を引き継ぐことになっても、
分割が決まるまでの間の収益については、
相続人全員がそれぞれの法定相続分に応じて確定申告を行う義務があります。
これを怠ると、
無申告加算税や延滞税といったペナルティが課せられるリスクがあります。

まとめ:早めの準備と専門家への相談を

不動産、特に収益物件が絡む相続は、
公的な登記があるため税務署も状況を把握しやすく、
申告漏れはすぐに見つかってしまいます。
「知っていれば避けられたペナルティ」を払うのは非常に不利益です。
相続が発生した場合は、
10
ヶ月という申告期限はあっという間に過ぎてしまうため、
以下のポイントを意識しましょう。

  • 早めに財産目録(一覧表)を作成する。
  • 遺言書の有無や内容を早めに確認する。
  • 不動産の評価や収益の分配について、早めに税理士などの専門家に相談する。

余裕を持ってシミュレーションを行い、
適切な申告を行うことが、
円満な資産承継への近道となります。

要約

- 相続税と所得税は別物。
  相続しただけでは原則、相続人の「所得税の確定申告」は不要だが、
  次の3ケースでは義務または有利申告の必要が生じる。

- ケース1:相続不動産の売却で譲渡益が出た場合は申告必須。
                  取得費加算の特例を使えば税負担を軽減できるが、期限内申告が絶対条件。

- ケース2:相続財産を10か月以内に国・自治体・一定の公益法人へ寄付した場合は相続税非課税。
                  さらに寄付金控除(または税額控除)で所得税の還付を受けられる可能性がある。

- ケース3:アパート等の収益物件を相続した場合、賃料は相続人の所得。
                  遺産分割未了の期間は法定相続分で各人が申告義務を負い、無申告は加算税・延滞税のリスク。

- 実務の勘所は、
  期限管理(10か月・翌年の確定申告期日)、書類整備、特例適用の要件確認、分割未了期の按分申告。
  早期に「数字で見える化」し、専門家と手順化することが肝要。

 

この動画から得られること

- 相続後に相続人の確定申告が必要・有利になる3ケースの全体像
-
取得費加算の特例の要件・期限・必要書類と、期限後申告の不適用リスク
-
寄付による相続税非課税の範囲と、所得税の寄付金控除(税額控除含む)の実務
-
賃料所得の按分(法定相続分)と遺産分割未了期の申告手順、ペナルティ回避策
-
期限管理(相続税10か月・翌年の申告期限)と、実務チェックリストによる効率化

 

専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)

- 取得費加算の特例
  -
適用対象と期間:相続開始の翌日から310か月以内の譲渡が目安(法改正動向は要確認)。
  -
必要書類:相続税申告書の写し、納税額内訳、譲渡契約書、取得費・譲渡費用の証憑。
  -
留意:期限後申告は不適用。
               譲渡損失が出た場合は繰越控除の可否も併せて検討。

- 寄付と税務
  -
相続税:10か月以内の寄付で非課税対象(寄付先要件の確認と証憑保管が必須)。
  -
所得税:寄付金控除(所得控除)または税額控除の適用判定。
                  年末調整済みでも確定申告で還付可能。

- 収益物件の所得計上
  -
遺産分割未了:法定相続分で按分計上。
                             管理費・固定資産税・減価償却も按分。
  -
分割後の調整:年途中の持分変更は按分起算日を明確化し、合意書・議事録で裏付け。

- 期限管理
  -
相続税:10か月以内。
    所得税:翌年216日〜315日(休日等により変動)。
  -
準確定申告:被相続人の申告が必要な場合は死亡の翌日から4か月以内。

- 実務チェックリスト(着手順)
  -
財産目録と相続人関係図の作成、法定相続情報一覧図の取得
  -
売却・寄付・賃貸の該当有無を判定し、特例の期限をカレンダー化
  -
必要書類の収集(契約書・レシート・固定資産税通知・寄付受領証明書等)
  -
申告ドラフトの作成家族合意提出・納税証憑の保管

 

視聴後アクション

- 今日やること:相続後の1年で「売った・寄付した・家賃を受け取った」の
                           有無をチェックリストで丸付けしてください。
                           該当があれば、その日付と金額を書き出します。
-
今週中:取得費加算・寄付金控除・賃料按分の必要書類(契約書、受領証、通帳、固定資産税通知)を
                 一か所に集め、期限をカレンダーに入力します。
-
今月中:税理士に「3ケースの該当性」と「期限内適用の可否」を確認し、申告の草案を作ります。
               分割未了なら、按分ルールを家族で合意し書面化します。
-
期限直前の対処:提出前に控除・特例の添付漏れを再点検。
                              もし期限に間に合わない場合は、早めに自主的な修正・相談で加算税を最小化します。
-
迷ったら:専門用語は不要です。
                  「この1年の売却・寄付・家賃の数字を見て、申告を間違えないようにしたい」と伝え、
                   通帳・契約書・受領証を持参してください。

 

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