銀行口座を長期間放置したままにしていませんか?
実は、日本国内では毎年約1,200億円もの「休眠預金」が発生しています。
今回は、知っているようで知らない休眠預金の実態と、
その活用方法、
そして自分のお金を取り戻すための手続きについて解説します。

  1. 休眠預金の定義と現状

原則として、
10
年以上入出金などの取引(「権利の行使」)が行われていない預金
「休眠預金」と呼びます。

かつて銀行預金は5年、
信用金庫等の預金は10年で時効となり、
金融機関が利益として計上していました。
しかし、2018年に施行された「休眠預金等活用法」により、
これらの資金は社会課題の解決に役立てられることとなりました。

現在、毎年約1,200億円が発生する休眠預金のうち、
預金者へ払い戻されるのは約500億円程度にとどまり、
残りの約700億円が民間の公益活動などに活用されています。

  1. 休眠預金になるまでの流れと「通知」の仕組み

すべての預金がすぐに休眠預金として没収されるわけではありません。

  • 1万円以上の残高がある場合:
     金融機関から登録住所へ通知が郵送されます。
    この通知が届けば、
    その時点で休眠預金とは見なされません。
    しかし、引っ越しなどで住所変更をしておらず、
    通知が届かずに金融機関へ返送されてしまった場合は、
    休眠預金として扱われます。
  • 1万円未満の残高の場合:
     預金者への通知は行われません。
    そのため、数千円程度の残高の口座は、
    知らないうちに休眠預金になってしまうケースがほとんどです。

休眠預金となった資金は、
一律で金融庁管轄の「預金保険機構」に管理が引き継がれます。

  1. 休眠預金の社会的な活用とその課題

預金保険機構に引き継がれた資金は、
指定活用団体である「JANPLA(一般社団法人日本民間公益活動連携機構)」を通じて、
子供や若者の支援、
生活困窮者の支援など、
民間の公益活動を行う団体に助成や貸付という形で分配されます。

本来、社会貢献という素晴らしい目的を持つ制度ですが、
実態としては複数の団体を経由する中で「中抜き」が発生し、
管理コストが膨らむという構造的な課題も指摘されています。
公益活動の資金は本来税金で賄われるべきものであり、
個人の預金が一部の団体の運営費や退職金に充てられるような現状には批判の声もあります。

  1. 忘れていた預金を取り戻すには

休眠預金になってしまったお金は、
所定の手続きを行えば、
原則として無期限で「元本+利息」の払い戻しを受けることが可能
です。

特に、銀行の合併・再編が繰り返された結果、
「昔どの銀行で口座を作ったか分からない」というケースが増えています。
心当たりがある方は、
当時の通帳やカードを探し、
現在の該当銀行の窓口で
「昔の口座があるはずなので調べてほしい」と申し出てみてください。

まとめ

公益活動への活用という建前はありますが、
自分のお金を自分で管理し、
消費や投資に回すことこそが健全な経済回しに繋がります。
1
万円以下の少額であっても、
放置せずに適切に管理し、
必要であれば払い戻しの手続きを行うことが大切です。

「昔作ったあの口座、どうなったかな?」と思い当たることがあれば、
ぜひ一度、金融機関へ確認してみることをお勧めします。

要約

- 休眠預金の実像
  - 10年以上入出金などの「権利行使」がない預金は休眠預金。
 毎年約1,200億円発生し、払い戻しは約500億円、約700億円が公益活動に活用
(休眠預金等活用法 2018施行)。

- 通知と移管の流れ
  - 残高1万円以上は金融機関から郵送通知(住所不達なら休眠化)。
 1万円未満は通知なしで休眠化。
 休眠化後は預金保険機構に移管。

- 公益活用の賛否
  - 指定活用団体(JANPLA)経由で民間公益活動に助成・貸付。
 ただし中間コストや資金配分の透明性などの課題指摘もある。

- 払い戻し可能
  - 休眠化後でも、原則として無期限で「元本(と所定の利息)」の払い戻しが可能。
 銀行再編で旧行名が不明でも、現行銀行で照会できる。

- 重要な示唆
  - 少額でも放置は損。
 住所変更・自動入出金設定・口座整理で休眠化を予防し、思い当たる口座は早期に払い戻し手続きを。

 

この動画から得られること

- 制度理解:休眠預金の定義、通知条件、移管先、公益活用の流れ
- リスク認識:住所未更新・少額残高・旧行名のまま放置の典型リスク
- 払い戻し実務:必要書類、照会〜払戻のプロセス、想定所要期間
- 予防策:休眠化を避ける入出金設定、口座削減、住所・氏名変更の運用
- 家計設計:口座ポートフォリオの最適化、優先順位付け、年次点検の仕組み化
- 例外と注意:再編・合併時の照会、利息・手数料の取り扱い、代理人手続の要点

 

専門家の付加価値

- 払い戻し手続(個人・基本形)
  - 窓口:現在の取扱銀行(旧行名でも現行銀行が対応)
  - 必要書類:本人確認書類(運転免許証等)、
      通帳・キャッシュカード、
      届出印(不明時は改印手続)、
      旧姓・旧住所がわかる公的書類(戸籍・住民票の除票等)
  - 目安期間:照会・確認14週間、複数行横断や再編絡みは長期化あり

- 代理・相続時の追加書類
  - 委任状・代理人本人確認、
 相続関係説明図・戸籍、
 遺言/遺産分割協議書、
 代表相続人口座

- 休眠化予防KPI
  - 住所変更完了率100%
 全口座に年1回以上の入出金、
 口座数3口座以内(メイン・貯蓄・証券連携等)、
 不要口座ゼロ化

- 口座在庫の棚卸しテンプレ(抜粋)
  - 行名
/支店・口座種別
/残高
/最終取引日
/届出住所・氏名差異
/対応(維持/解約/払戻)

- 合併・旧行名対応の勘所
  - 旧行名現行行名の対応表を事前作成(地域金融機関は再編履歴を窓口で確認)。
 支店コード変更の有無も記録

- 注意点
  - 利息の扱いは約款に基づく(無利息期間や手数料が発生する場合あり)。
 海外口座や外貨預金は別ルールの可能性

 

例え話

休眠預金は「物置に置きっぱなしの封筒」に似ています。
置いたことを忘れている間に、
家族も場所がわからなくなる。
棚卸し(口座一覧化)とラベリング(住所・氏名の最新化)をすれば、
必要な時にすぐ取り出せます。

 

視聴後アクション

- 1. 思い出しリストを作る:過去に使った銀行・勤務先の給与振込先・学費口座を書き出す
- 2. 口座一覧を作る:行名・支店・口座種別・残高・最終取引日をA4一枚に整理
- 3. 住所・氏名を更新:引越し・改姓があれば各行で変更手続を行う
- 4. 休眠化を防ぐ:年1回の自動振替(500円でも可)や定期積立を設定
- 5. 不要口座は解約:目的が重複する口座は解約して3口座以内に集約
- 6. 払い戻しを申請:旧行名の口座は現行銀行に照会、必要書類を揃えて窓口へ
- 7. 記録を残す:手続の控え・口座一覧を家族と共有し、毎年誕生月に点検

 

運用の勘所

- 年次点検の固定化:誕生月に「口座・保険・証券」の一括棚卸しをルーティン化
- 家族共有:口座一覧と重要書類の保管場所を家族と共有(緊急時の探索ロスをゼロに)
- 目的別設計:メイン決済/貯蓄/投資の3口座に整理し、役割重複を排除
- 取引履歴の保全:オンライン明細は定期ダウンロード。
          合併・統合時は履歴のPDF化を徹底
- 例外管理:外貨・証券口座・ネット銀行は各社ルール差を確認(休眠・手数料の条件が異なる)

 

お金は眠らせず、
意志を持って動かすことで価値を生みます。
まずは「口座の見える化」と「年1回の入出金設定」で休眠化を未然に防ぎ、
思い当たる口座は払い戻し手続きを進めてください。

 

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