相続における重要なテーマ
「未成年者が相続人に含まれる場合の遺産分割協議」について解説していただきます。

  1. 未成年者は単独で法律行為ができない

相続が発生した際、
相続人の中に未成年者がいるケースは決して珍しくありません。
しかし、未成年者は、
単独では遺産分割協議という「法律行為(契約)」を行うことができないのが原則です。

民法の規定により、
未成年者は判断能力が十分に成熟していないと見なされるため、
親などの「法定代理人」が本人に代わって手続きを行う必要があります。

  1. 「利益相反」の問題と特別代理人

通常、未成年者の法定代理人は親(親権者)が務めます。
しかし、遺産分割協議においては
「利益相反(りえきそうはん)」という問題が発生します。

例えば、父親が亡くなり、
相続人が母親と未成年者の子供である場合、
母親も相続人の一人となります。
この状況で母親が子供の代理人を務めると、
「母親の取り分を増やせば子供の取り分が減る」という、
利害が対立する関係になってしまいます。

このように、親と子供が共に相続人である場合、
親は子供の法定代理人になることができません。
そのため、家庭裁判所に申し立てて、
子供のために中立な立場である「特別代理人」を選任してもらう必要があります。

※相続人が複数人の未成年である場合、
子供一人ひとりに対して別の特別代理人を立てる必要があります。

  1. 特別代理人には誰がなれるのか

特別代理人には、
未成年者と利害関係のない第三者が選ばれます。
一般的には、叔父や叔母などの親族(相続人ではない人)や、
弁護士、司法書士、税理士(その相続の申告に関わらない人)などが
選任されるのが一般的です。

家庭裁判所へ行けば手続きの方法を丁寧に教えてくれますが、
必要書類(戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書の案など)の準備が必要なため、
専門家に依頼して進めるケースが多いです。
選任までには概ね1ヶ月程度の時間を要します。

  1. 手続きを怠った際のリスク

「家族で話し合って決めたことだから」
「みんなの同意があるから」と、
特別代理人を立てずに作成した遺産分割協議書は、
法律上「無効」となります。

後になって他の相続人から
「この協議は無効だ」と訴えられた場合、
裁判で覆されるリスクがあります。
相続税の申告期限(10ヶ月以内)や、
相続放棄の期限(3ヶ月以内)に間に合わせるためにも、
早めに手続きを開始することが肝要です。

  1. 「数次相続(相次相続)」における注意点

実際に担当したケースで、
祖父が亡くなり、
そのわずか半年後に父が亡くなったという事例がありました。
この場合、未成年の孫が「父を飛ばして祖父の相続人」となることがあります(数次相続)。

このような複雑な状況では、
叔父や叔母といった親族全員が相続に関わることになり、
全員の利害が対立しやすくなります。
誰が誰を代理できるのかを慎重に判断しなければ、
協議そのものが立ち行かなくなる恐れがあります。

まとめ

相続人の中に未成年者が一人でもいる場合は、
どれほど仲の良い家族であっても、
法的な手順に則って「特別代理人」を立てる必要があります。

「後で揉める」ことを防ぐためにも、
適当に協議書を作成せず、
まずは専門家に相談して正しい手続きを進めましょう。

要約

- 未成年者は単独で遺産分割協議(契約)を行えないため、原則として法定代理人(親)が代行する。
   ただし、親も相続人である場合は利益相反が生じるため、家庭裁判所で「特別代理人」の選任が必須。

- 特別代理人は、未成年者と利害関係のない第三者(相続人でない親族、弁護士・司法書士・税理士等)が務める。
  申立から選任までの目安は概ね1か月、必要書類の整備が肝心。

- 特別代理人を立てずに作成した遺産分割協議書は、後日「無効」とされ得る重大リスク。
   相続税申告(10か月)や相続放棄(3か月)の期限もあり、着手の遅れは致命傷になりやすい。

- 数次相続(祖父の相続直後に父が死亡等)では、未成年孫が相続人となり、
  親族一同の利害関係が絡むため、誰が誰を代理できるかの設計を誤ると協議が停滞・崩壊する。

- 先手の実務は、
 関係整理
特別代理人選任
協議書案の適正化
申告・登記完了までを「数字で見える化」し、期限管理と書面化でブレを防ぐこと。

 

例え話

 サッカーのPK戦で、
キッカー(親)とキーパー(子)を
同じ人が兼ねることはできません。
利害がぶつかる場面では、
中立の審判(特別代理人)が入って初めて、
公正な勝負(協議)が成立します。

 

この動画から得られること

- 未成年者が相続人の場合の基本構造(法定代理・利益相反・特別代理人)
-
特別代理人の選任要件、候補者の適否、申立〜選任までのタイムラインと必要書類
-
遺産分割協議書案の作り方と「無効」リスクを避けるチェックポイント
-
数次相続が生じた際の代理関係設計と関係者調整のコツ
-
期限管理(3か月・10か月)と登記・申告までの実務フロー

 

専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)

- 代理・利益相反の設計
  -
親が相続人=利益相反親は子の代理不可。
    家庭裁判所で未成年者ごとに特別代理人を選任。
  -
数次相続は「誰が誰を代理できるか」を系図で確認し、代理関係の重複・矛盾を排除。

- 特別代理人の候補と適否
  -
相続人でない親族(叔父・叔母等)、または専門職(弁護士・司法書士・税理士等)。
  -
利害関係・報酬受益・事件関与の有無を事前確認。
    中立性を担保。

- 家庭裁判所申立(目安1か月)
  -
主な書類:申立書、未成年者の戸籍、法定代理人の戸籍、相続関係説明図、財産目録、遺産分割協議書案、
                      候補者の同意書、収入印紙・郵券。
  -
ポイント:協議書は未成年者に不利とならない配分・条項に。
                      理由書で妥当性を説明。

- 協議書と検証
  -
各相続人の署名押印、特別代理人の記名押印、日付、分割内容、代償金支払期日・方法を明確化。
  -
無効回避:特別代理人選任決定の写しを添付保管、意思表示の経緯を議事録化。

- 期限と並行作業(バックキャスティング)
  -
相続放棄(3か月)判断のため、早期に資産・負債を棚卸。
  -
相続税(10か月)に間に合うよう、申立と協議書案作成を前倒し(初動1か月で申立)。
  -
登記・口座解約・名義変更は協議成立後に順送。
     準確定申告が必要な場合は4か月以内。

- トラブル予防
  -
連絡窓口の一本化、合意形成のメモ化、分割後の代償金の資金手当(保険・換価・融資)を先に設計。

 

視聴後アクション

- 今日やること:相続人を全員書き出し、未成年者の有無と年齢を明記。
                           簡単な相続関係図を手書きで作成してください。
-
今週中:家庭裁判所のウェブサイトで「特別代理人 選任申立」の様式を取得。
                必要書類(戸籍・相続関係図・財産目録・協議書案)のチェックリストを作成します。
- 2
週間以内:特別代理人の候補者に打診し、同意を得ます。
                     並行して、未成年者に不利とならない協議書案を専門家と作成します。
- 1
か月以内:家庭裁判所へ申立を完了。
                     選任決定後に正式な遺産分割協議を行い、
                     10か月以内の相続税申告・名義変更まで工程表で管理します。
-
迷ったら:「誰が誰を代理できるか」を一行で説明できるか自分に問い、
                   説明できなければ専門家にそのまま相談してください。
                 ここが最短距離です。

 

不動産投資に興味のある方は、春を導く不動産投資と友達になりませんか?
▼LINE登録はこちらから
https://lin.ee/BbrViHN
友達限定で、完全非公開の物件ごとの事業計画動画を不定期でお届けします!!

 

税理士法人 A to Y 
〒460-0014 愛知県 名古屋市中区富士見町7-11 
電話番号 052-331-0286
FAX番号 052-331-0317

AtoY 相続事業承継クラブ】
相続の情報が氾濫する世の中・・・
「現場のプロ」があなたにあった生前対策方法を親身にサポートいたします。

失敗しない不動産投資の事業計画書を作ろう!!

【失敗しない不動産投資の事業計画書
不動産投資に興味ある方
資産形成に不動産投資を検討している方
不動産投資に絶対に失敗したくない方