2024年11日からスタートした新制度において、
「相続時精算課税制度」と
「暦年課税制度(従来の贈与税)」
のどちらを選ぶべきか迷われている方も多いのではないでしょうか。
今回は、それぞれの特徴と、
どのようなケースで精算課税制度を利用するのが有利なのかについて解説します。

  1. 相続時精算課税制度が有利になる3つのケース

この制度は、
贈与時に一定の税額を支払い、
最終的な相続時に贈与分と相続財産を合算して税額を精算する仕組みです。
特に以下のケースで大きなメリットがあります。

  • 相続財産が「基礎控除内」に収まる場合:
    贈与する財産と将来の相続財産を合わせても、
    相続税の基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)の範囲内であれば、
    この制度を使って早期に資産を移転させても最終的な相続税はかかりません。
  • 多額の資産を一括贈与したい場合:
    暦年課税では年間110万円を超えると高い累進税率がかかりますが、
    精算課税制度を利用すれば累計2,500万円までの非課税枠を活用し、
    税負担を抑えつつまとまった資金を渡すことができます。
  • 将来「値上がり」しそうな資産、収益を生む資産がある場合:
    精算課税制度では、
    相続時の評価額ではなく、
    「贈与時の評価額」で税額が計算されます。
    将来価値が上がる不動産や株式、
    あるいは収益を生む資産(アパートなど)を早期に贈与しておくことで、
    将来の相続税負担を低く抑えることが可能です。
  1. 利用にあたっての注意点とデメリット

メリットが多い一方、
一度選択すると引き返せないなどの制約もあります。

  • 暦年課税に戻せない:
    同じ贈与者(例えば父から子へ)に対して一度精算課税を選択すると、
    二度と暦年課税(年間110万円の基礎控除制度)に戻すことはできません。
  • 「小規模宅地等の特例」が適用不可に:
    自宅の土地などを精算課税で贈与してしまうと、
    将来相続が発生した際に評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」が
    利用できなくなります。
    これにより、
    かえって税負担が増えてしまうリスクがあります。

まとめ

2024年の改正により、
相続時精算課税制度にも新たに年間110万円の基礎控除が加わるなど、
利便性は大きく向上しました。
しかし、
贈与する財産の種類や将来のライフプランによっては、
従来通りの暦年課税を継続したほうが有利な場合もあります。

ご自身の状況に合わせた最適な「使い分け」を判断するためにも、
まずは税理士などの専門家へ相談することをお勧めします。
正しい知識で、
円満な資産承継を進めていきましょう。

【この動画から得られること(Learning Outcomes)】 

- 制度の要点(2024改正) 
  - 相続時精算課税:累計2,500万円まで贈与税0円、相続時に合算・精算/年間110万円の基礎控除が新設 

- 使うべきケース 
  1) 相続財産総額が基礎控除内(3,000万円+600万円×法定相続人)に収まる見込み 
  2) 110万円超の多額贈与を継続的に行いたい(暦年課税の超過累進回避) 
  3) 将来値上がりが見込める財産を早期に移転(贈与時評価で固定) 
  4) 収益資産を受贈者へ移す(以後の収益増を相続財産の外へ) 

- 控えるべきケース 
  - 一度選ぶと暦年課税に戻れない(柔軟性喪失) 
  - 子・孫に自宅等を生前移転相続時の小規模宅地等の特例(最大80%減)を失う懸念 
  - 贈与者の資産・所得状況が将来不透明(生活資金・医療介護資金の圧迫) 

- 実務の注意点 
  - 贈与契約書・振込記録・管理(名義保険・名義預金回避) 
  - 7年内贈与加算との関係・相続税試算(最新通達の確認) 
  - 自宅・事業用地は“小規模宅地の適用可能性”を先に判定 

- 判定フレーム(簡易) 
  Step1:相続税の概算(適用特例込み)
  Step2:贈与対象の将来価値と収益性
  Step3:小規模宅地等・配偶者軽減など特例の衝突確認
  Step4
:キャッシュフロー・生活資金の余力
  Step5
:選択後の柔軟性(戻れないリスク)

 

【例え話】 

相続時精算課税は「高速道路の分岐」です。
一度入ると元の一般道(暦年課税)に戻れません。
渋滞(高負担)を避けられる区間もあれば、
出口(小規模宅地の特例)に寄れない区間もある。
地図(家族・資産・特例の全体像)を見てから進路を決めましょう。

 

【チェックリスト(実行用)】 

- 相続総額見込みと基礎控除の比較 
- 対象資産:将来値上がり・収益性の有無/自宅・事業用地か否か 
- 小規模宅地等・配偶者軽減・贈与加算など「特例衝突」の確認 
- 贈与の証拠化(契約書・振込)/受贈者の管理・申告体制 
- 生活資金・医療介護費・予備費を別枠確保 
- 5年/10年の相続税再試算と見直し計画

 

【専門家としての付加価値】 

- 「税目の最小化」だけでなく、「特例間の衝突」と「生活資金・将来医療費の持続性」を同時に評価 
- 端的な判定フレームで、暦年課税/精算課税の選択を“数字と要件”で判断 
- 自宅・事業用地を含む場合の小規模宅地の可否を先に判定してから贈与設計へ——の順序を明確化

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引用
相続・贈与相談センターマガジン2024年9月号
新たな非課税枠の追加で便利に『相続時精算課税制度』とは

税理士法人 A to Y
〒460-0014 愛知県 名古屋市中区富士見町7-11
電話番号 052-331-0286
FAX番号 052-331-0317

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