岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の中で、
当初の「所得倍増計画」がいつの間にか「資産所得倍増」へとスローガンが変わりました。
しかし、所得と資産運用は全くの別物です。
今回は、投資信託の仕組みやメリット・デメリット、
そして投資に向き合う際の心構えについて解説します。

  1. 投資信託の現実と社会情勢

先日、知人の美容師から
「銀行に勧められて投資信託を買ったが、価格が下がる一方だ」という相談を受けました。
銀行からは「上がったタイミングで売ればいい」と言われているようですが、
現在の世界情勢を見ると、
そう簡単ではありません。
小麦などの穀物価格の高騰、
インドの輸出制限、
エネルギー価格の上昇など、
社会全体がインフレ傾向にあります。
本来、給与も連動して上がれば良いのですが、
現実は物価だけが上昇しています。
こうした局面では、
プロに任せきりにするのではなく、
自分なりの判断基準を持つことが重要です。

  1. 投資信託の仕組み

投資信託とは、
多くの投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、
運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品です。

  • 運用の流れ:
     投資信託運用会社がポートフォリオ(日経225や外国債券などの組み合わせ)を作成し、
    信託銀行が資産を保管、
    運用会社の指図によって売買が行われます。
  • 日本市場の注意点:
     日本の証券会社や銀行が販売する商品の多くは、
    海外のプライベートバンカーなどが作った商品を「卸して」販売している形態が少なくありません。
    そのため、中間手数料が発生し、
    海外の直接投資に比べて利回りが低くなる傾向があります。
  1. 投資信託のメリット
  1. 少額から始められる:
     通常、株式投資にはまとまった資金が必要ですが、
    投資信託は理論上100円程度から、
    一般的には1万円程度の小口から手軽に始められます。
  2. プロによる運用:
     専門家が市場動向をチェックし、
    最適な銘柄を選定して運用してくれます。
  3. 分散投資によるリスク軽減:
     複数の銘柄や資産に投資するため、
    一つの銘柄が暴落しても全体への影響を抑えることができます。
  1. 投資の鉄則とデメリット

投資において最も重要な鉄則は、
「ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターン」であることです。
低リスクで高いリターンを得ることは100%あり得ません。

  • 元本割れのリスク:
     投資信託には元本保証がありません。
    市場環境によっては、
    積み立てた金額を下回る可能性があります。
  • 手数料の発生:
     商品の開発や管理を他人に任せるため、
    1
    2%程度の手数料が発生します。
    これが長期的な利回りに影響することを理解しておく必要があります。
  1. iDeCoNISAの活用

サラリーマンにとって、
節税メリットが大きいのが「iDeCo(イデコ)」と「NISA(ニーサ)」です。
特にiDeCoは、
掛け金の全額が所得控除の対象となるため、
所得税や住民税の負担を軽減しながら資産形成ができます。
ただし、制度を「これさえやれば大丈夫」と過信せず、
それぞれの特徴を正しく理解して活用することが大切です。

  1. 投資の本質:情報収集と分析力

豊臣秀吉が「中国大返し」を成功させた背景には、
圧倒的な情報収集力と危機管理能力、
そして情報の分析力がありました。
投資も同様です。
「プロが言うから」
「政府が勧めるから」と人任せにするのではなく、
自分自身で情報を収集・分析する能力を養う必要があります。
投資をする以上、
自己責任であることを強く認識しなければなりません。

  1. 初心者へのアドバイス
  • まずは小口から:
     最初から大きな金額を投じるのではなく、
    1
    万円などの少額から始めて、
    経験を積むことをお勧めします。
  • 損失は「授業料」と捉える:
     仮に価格が下がったとしても、
    それを学びのための「授業料」だと思える範囲の金額で運用することが、
    精神的な安定に繋がります。
  • 自分に合うものを探す:
     投資手法は人それぞれです。
    勉強を続けながら、
    自分に合ったスタイルを見つけてください。

政府は「増やせ」とは言いますが、
資金をくれるわけではありません。
大切な資本は、
自分で学び、守り、育てていくものなのです。

要約

- 前提(環境と問題認識)
  -
「資産所得倍増」が掲げられる一方、
     インフレ進行と賃金の伸び悩みで、
     投資は任せきりでは通用しない局面。
     自分の判断軸が不可欠。

- 投資信託の仕組み
  -
複数投資家の資金を運用会社が分散投資。
    信託銀行が分別管理。
    国内の販売は中間コストが乗りやすい構造に注意。

- メリット
  -
少額から開始可(100円〜)、プロ運用、分散によるリスク低減、積立と複利の相性が良い。

- デメリット
  -
元本保証なし、価格変動リスク、手数料(販売・信託報酬・実質コスト)が長期リターンを毀損。
     低リスク高リターンは存在しない。

- 制度活用
  - iDeCo
:掛金全額所得控除で税負担軽減。
      NISA
:運用益非課税。
                  過信せず目的に合う使い分けを。

- 結論(心構え)
  -
投資は理念(目的・期限・金額)から。
    長期・分散・低コストを軸に、情報収集と検証を継続。
    損失は許容範囲内の「授業料」と捉える。

 

この動画から得られること

- 基礎理解
  -
投資信託の構造(運用会社・販売・信託銀行)、国内販売のコスト構造

- メリデメの具体
  -
分散の効き方、価格変動・元本割れ、手数料の複利影響(例示)

- 制度活用
  - NISA/iDeCo
の位置づけ、税効果、使い分けの指針

- 商品選定
  -
低コスト指数商品の基準、実質コストの確認、避けるべき赤旗

- 運用設計
  -
目的・期限・必要額資産配分積立1回点検の流れ、損失許容の線引き

 

専門家の付加価値(実務テンプレート)

- 低コスト基準
  -
インデックス信託報酬:国内外株式は年0.20%未満、先進国債券は年0.15%前後を一つの目安。
    運用報告書で実質コスト(売買・その他費用)を確認。

- 手数料の影響(概算)
  -
年率5%で20年運用:コスト0.2%と1.2%の差は累計で約1822%のリターン差になり得る
                                    (積立・市場条件により変動)。

- 商品選定チェック
  -
ベンチマーク明確、トラッキングエラー小、純資産増加基調、解約動向安定、運用会社の継続性。

- NISA/iDeCoの順番
  -
余剰資金
 →つみたてNISA(低コスト指数)
 →NISA成長枠(分散ETF/投信)
 →iDeCo(流動性制約と税効果のバランス)。

- リスク管理
  -
生活防衛資金612カ月を別口座、
    クレジット等高金利負債の先行返済、
    月次での積立一貫、
    年1回のリバランス(乖離±5%)。

 

視聴後アクション

- 目的を1枚に書く
  -
何のために・いつまでに・いくら必要かをA4一枚に明文化します。
    投資額と期間が決まります。

- 低コスト商品を1本選ぶ
  -
信託報酬0.2%未満のインデックス投信を選定し、毎月の積立額を設定します。

- 手数料を確認する
  -
保有中の投信の運用報告書で実質コストを確認。
    高コストなら乗換えを検討します。

- 生活防衛資金を分ける
  -
生活費612カ月を別口座に隔離。
    投資用と絶対に混ぜません。

- NISA/iDeCoの設定

  - つみたてNISAで自動積立を開始。iDeCoは流動性と税効果を確認して無理のない範囲で。

- 1回の点検日を固定
  -
カレンダーに「リバランス&方針点検」の日を登録。短期のニュースで動かない習慣を作ります.

 

例え話

  投資は目的地の決まった長距離列車です。
安い切符(低コスト)と時刻表(運用ルール)を選び、
途中のアナウンス(ニュース)で降りない。
目的地(理念)が決まっていれば、
到着は早まらずとも確実に近づきます。

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