2022年の基準地価公示を受け、
日本各地の地価動向を「東京圏」「大阪圏」「名古屋圏」、
そして「地方圏」の個別事情に基づき詳しく解説します。

  1. 東京圏:都心の回復と郊外の上昇

東京圏では地価の回復が非常に顕著です。
地点数ベースで見ると、全体の72%の地点で価格が上昇しました。

  • 商業地:
     10年連続の上昇となり、
    上昇幅も拡大しています。
    かつてインバウンド減少で打撃を受けた銀座(中央区)なども、
    国内客の回帰により下落から横ばいへと転じ、
    マイナス成長に歯止めがかかりました。
  • 住宅地:
     2年連続で上昇しており、
    特に郊外エリアでの需要が堅調で、
    地価を押し上げています。
  1. 大阪圏:2年ぶりの上昇と「万博」への期待

大阪圏は、
前年の0.6%下落から一転し、
1.5%
の上昇(2年ぶり)を記録しました。

  • 要因:
     行動制限の緩和により国内需要が回復し、
    中心部の繁華街での地価下落に歯止めがかかりました。
  • ミナミ(中央区)の状況:
     昨年は全国ワーストの下落率を記録したエリアですが、
    今年はマイナス幅が大幅に縮小しました。
    しかし、ドラッグストアや大規模飲食店の撤退跡に新たなテナントが入らない状況も続いており、
    本格的な回復には「3年後の大阪・関西万博」を待つ必要があるとの声も上がっています。
  1. 名古屋圏:手堅い安定感と再開発

名古屋圏は、
三大都市圏の中でも地価の安定感(底堅さ)が際立っています。

  • 商業地:
     2.3%の上昇を記録。
    名古屋は伝統的に「バブルに踊らされず、大きく下がらない」という手堅い投資風土があり、
    インバウンド依存度が低かったことも、
    コロナ禍での影響を最小限に留めた要因です。
  • 地域動向:
     名古屋駅周辺では空き店舗がほぼ解消され、
    土日には若者を中心に多くの人出が戻っています。
    また、2024年から26年にかけて大規模再開発を控える「栄地区」も上昇傾向にあります。
  1. 地方圏:際立つ「二極化」

地方圏では、
成長エリアと衰退エリアの二極化が一段と進んでいます。

  • 成長エリア(地方4市):
     福岡、札幌、仙台、広島の地方4市は大幅に伸びています。
    特に福岡の商業地上昇率は全国トップクラスで、
    コロナ前(2019年)を上回る勢いを見せています。
  • 停滞エリア:
     4市以外の多くの地方自治体では依然として下落が続いており、
    一部の地域を除いてコロナ後の回復の兆しが見えていないのが実情です。
  1. 個別地点の注目トレンド

今回の調査では、
ライフスタイルの変化やインフラ整備、
再開発が地価に与える影響が鮮明になりました。

  • 郊外住宅地・移住需要:
     つくばエクスプレス沿線の茨城県つくばみらい市(+10.8%)や、
    二拠点生活需要が高まった長野県軽井沢町(+12.5%)など、
    テレワークの普及に伴う移住・別荘需要が地価を押し上げました。
  • インフラ・再開発:
    「上総アクアシティ」のまちづくりが進む千葉県木更津市(+19.8%)や、
    「博多コネクティッド」による再開発が進む福岡県博多区(+17.5%)など、
    プロジェクト主導の地点が高い上昇率を記録しています。
  • 観光地:
     国内観光客が戻った東京・浅草(+4.3%)や静岡県熱海市(+10.2%)は、
    期待感を含めて上昇に転じました。

結論

日本全国で見れば、
地価は回復・上昇・下落が混在していますが、
それぞれの地域には明確な要因があります。
特に地方圏における「上昇する都市」と「下落が止まらない地方」の二極化は、
今後の不動産投資やまちづくりを考える上で避けて通れない大きな課題となっています。

要約

- 全体像
  - 2022
年の基準地価(7/1時点)は、コロナ後の回復が鮮明。
  東京圏は広範に上昇、
  
大阪圏は下げ止まりから反転、
  
名古屋圏は堅調、
  
地方圏は「上がる都市」と「下がり続ける地域」の二極化が加速。

- 東京圏
  -
地点数ベースで72%が上昇。
  
商業地は10年連続上昇、銀座など下落地も横ばいまで回復。
  
住宅地は郊外での需要が牽引。

- 大阪圏
  -
前年▲0.6%→今年+1.5%2年ぶり上昇。
  
ミナミの下落は縮小も、空き区画の完全回復は万博(2025)待ちの声。

- 名古屋圏
  -
商業地+2.3%。インバウンド依存度が低く、産業基盤(トヨタ)と投資風土が底堅さを支える。
  
名駅の空き店舗はほぼ解消、栄の再開発で上昇基調。

- 地方圏
  -
地方4市(福岡・札幌・仙台・広島)が牽引。
  
一方で多くの自治体は下落継続。
  
つくばみらい・軽井沢など郊外/別荘地はテレワーク・二拠点需要で上昇。

- 個別トレンド
  -
インフラ・再開発主導(木更津+19.8%、博多+17.5%)、観光地(浅草+4.3%、熱海+10.2%)も回復。

 

この動画から得られること

- 指標の基礎:基準地価と公示地価の違い、回復局面の見方
-
三大圏の実像:東京=広範上昇/大阪=反転・万博期待/名古屋=産業×再開発で堅調
-
地方の二極化:地方4市の伸長と、その他自治体の下落継続の構造
-
上昇ドライバー:郊外移住・二拠点、主要再開発、インフラ整備、観光回復
-
投資判断の軸:在庫月数・成約単価・空室率・雇用/産業クラスター・再開発進捗のKPI
-
戦略の方向性:地方分散・用途分散(住居/物流/観光)、バリューアップでの実利化

 

専門家としての付加価値(実務KPI・チェックリスト)

- マクロKPI
  -
在庫月数(>6で売り手優位後退)、成約単価前年比、空室率、雇用/人口、観光入込、再開発の公式進捗

- エリア別ポイント
  -
東京:郊外(鉄道沿線・3045分圏)の生活利便×安全性
  -
大阪:ミナミ/梅田の空き区画吸収・万博関連投資の可視化
  -
名古屋:名駅・栄のテナント需給、製造業クラスターの投資計画
  -
地方:地方4市・その他の産業/大学/医療集積の有無

- 個別案件のチェック
  -
再開発/インフラの直接効果(徒歩圏)、
 稼働率改善余地、
 1K→1LDK/Wi-Fi/宅配BOXROI610年回収目安)

- リスク対応
  -
金利+1%・賃料▲5%・空室+5ptDSCR≥1.2
  災害ハザード、
   
観光依存の偏り

 

例え話

いまの地価は「同じ春でも標高が違う山の雪解け」のようなもの。
日当たり(再開発)や地熱(産業)が高い山は早く解け、
谷(需給弱い地域)は遅れます。
山ごとに歩幅(投資ペース)を変え、
足元(KPI)を見て登るのが安全策です。

 

視聴後アクション

- 1. 指標をそろえる:在庫月数・成約単価・空室率・再開発資料をブックマーク
- 2.
エリアを3つ選ぶ:三大圏/地方から分散し、産業×利便×ハザードで一次選定
- 3.
シナリオ試算:金利・賃料・空室のストレスでDSCR≥1.2を確認
- 4.
価値向上案:小改修のROIを積み上げ、610年回収のメニュー化
- 5.
現地検証:昼夜・平日休日・生活利便・安全を実踏で確認
- 6.
実行順序:KPIクリア小規模試行拡大の順でリスクを制御

 

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