今回は、三菱UFJ信託銀行の不動産コンサルティング部が発表した
「名古屋のオフィス賃貸市場の概況(2022年8月調査)」をもとに、
現在のマーケットの状況と、
そこから見える中小企業の経営実態について考察します。
- 名古屋オフィス市場の「二極化」と実態
調査報告によると、
名古屋駅(名駅)周辺のS・Aクラスといった高価格帯ビル(坪単価2万円以上)では大型需要が減少し、
空室の長期化が目立っています。
そのため、募集条件の緩和や、
区画を小分けにして貸し出す「小口分割」によってテナント誘致を進める動きが加速しています。
一方で、坪単価1〜2万円程度の中小規模ビルは、
館内での増床や拡張移転、
立地改善といった前向きな需要に支えられており、
比較的堅調です。
ただし、こちらも強豪物件が増えたエリアでは条件緩和が見られるなど、
物件による「二極化」が進んでいます。
実際の街の様子を見ると、
名駅近くの便利な立地にある新築ビルが何ヶ月も空室のまま放置されている一方で、
少し古いビルの方が順調に入居が決まるといった現象が起きています。
これは、テレワークの普及により
「必ずしも駅前の高いオフィスである必要はない」と考える企業が増えていることの表れかもしれません。
- トレンドに振り回されるリスク
東京ではIT系やベンチャー企業が六本木から渋谷へ移動するなど、
オフィス需要のトレンドが目まぐるしく変化しています。
しかし、不動産投資や事業展開において、
こうした一時的なトレンドだけで動くのは非常に危険です。
「次はこのエリアが熱い」という話題性だけで投資をすると、
供給過剰に陥った際に大きな損失を被る可能性があります。
不動産の本質を見極め、
自社の身の丈に合った戦略を立てることが重要です。
- コロナ融資の返済開始と銀行の姿勢
中小企業の経営を語る上で避けて通れないのが、
いわゆる「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」の返済開始問題です。
コロナ禍から3年が経過し、
据置期間を終えた企業の元金返済が始まっています。
現在、経済産業省や金融庁は金融機関に対し、
借換や返済期間の延長(リスケジュール)に柔軟に応じるよう通達を出しています。
しかし現場では、銀行が将来の貸し倒れを懸念して、
新規融資や投資に対して非常に慎重(貸し渋り)になっているという声も聞こえてきます。
特に矛盾を感じるのは、
「成長しようとしている企業」への足枷です。
コロナ融資の枠組みに縛られるあまり、
健全に成長し投資を行おうとする企業に対しても、
前例がない、
あるいは独自の解釈で厳しい条件を突きつけるケースが散見されます。
- 行政・金融機関における「保身」の弊害
こうした問題の根底には、
日本の官僚組織や金融機関に根付く「保身と忖度」の文化があるのではないでしょうか。
例えば、ある地方の保証協会では、
コロナ融資を受けた企業が余剰資金で事業用の資産を購入した際、
それを「運転資金ではなく投資である」と決めつけ、
一括返済を迫ったという例があります。
本来、売上を上げるための設備取得や商品仕入れは運転資金の範囲内であるはずですが、
担当者が「後で上司や当局から責任を問われたくない」という一心で、
形式的なルールに固執してしまうのです。
「書いていないことはやってはいけない」
「許可されたこと以外は認めない」という消極的な姿勢は、
日本経済の復活を大きく阻害しています。
制度は「使う人のため」にあるべきであり、
「作る側の保身のため」にあるのではありません。
結論
オフィス市場のデータ上は改善傾向が見られるものの、
足元の中小企業は、
物価高騰や人件費上昇、
そして硬直化した金融システムの狭間で苦しんでいます。
これからの日本には、
形式的なルールに縛られず、
結果に対して責任を持てる決断力のあるリーダー、
そして実態に即した柔軟な支援体制が求められています。
制度の利用者である私たちも、
何のために、
誰のためにその制度があるのかを問い直し、
声を上げ続けていく必要があるでしょう。
要約
- 市場構造の二極化
- 名駅周辺のS・Aクラス(坪2万円以上)は大型需要減で空室長期化。
募集条件緩和・小口分割でテナント誘致が加速。
- 坪1〜2万円帯の中小規模ビルは増床・拡張移転など前向き需要で相対的に堅調。
ただし周辺に強豪物件が出ると条件緩和が進み、物件ごとの差が拡大。
- 需要変化の背景
- テレワークの定着により「駅前・高額である必要性」が相対化。
新築空室が続く一方、少し古い好立地物件が動く現象が顕在化。
- 投資・立地選好のリスク
- 東京の潮流(六本木→渋谷など)のような話題性だけで動くと供給過剰局面で損失リスク。
自社の身の丈と本質価値の見極めが必須。
- 金融環境の実態
- ゼロゼロ融資の据置終了に伴い元金返済が開始。
借換・リスケ要請はあるが、現場では将来の貸倒れ懸念から貸し渋りが散見。
- 成長企業にも形式基準を盾に過度な制約が課される事例あり。
- 制度運用の歪み
- 「保身・忖度」文化により、規定解釈が硬直化。
運転資金の範囲内の投資にも一括返済要求など逆インセンティブが発生。
- 結論
- 指標上の改善に反し、中小企業はコスト高と金融の硬直で苦境。
形式に縛られず結果責任を負う意思決定と、実態に即した柔軟支援が不可欠。
制度の目的を問い直し、利用者側も発信・働きかけが必要。
本動画のポイント
- 名古屋オフィス市場の二極化を指標で確認し、実効賃料で比較する方法
- テレワーク時代の「立地必然性」を数値化するチェックリスト
- ゼロゼロ返済局面での資金計画・借換・リスケの準備手順
- 制度運用の硬直に対し、事実と目的で対話する銀行交渉の要点
この動画から得られること
- 市場理解
- クラス別需給、空室長期化の背景、小口分割の意味合い
- 意思決定フレーム
- 実効賃料、柔軟性コスト、資金耐久度(3軸)での比較手順
- 実務ノウハウ
- 賃料条件の交渉論点、入居時コストの回収計算、退出時リスク管理
- 資金対策
- 返済開始時の借換・リスケ準備、保証協会・銀行との対話設計
専門家の付加価値(実務テンプレート)
- 意思決定の3軸(比較表は動画内で提示)
- 実効賃料:坪賃料 − フリーレント換算 − 内装補助換算 − 入退去費の期間按分
- 柔軟性コスト:増床余地、分割の可否、原状回復条項の重さ、転貸・解約条項の柔軟度
- 資金耐久度:DSCR≥1.2、運転資金月商2〜3カ月確保、返済比率(EBITDA対比)25%以下
- 交渉の急所(チェックリスト)
- 空室期間が長い物件にはフリーレント延伸+内装工事負担の分担を同時提案
- 競合物件の提示で実効賃料の整合性を数値で詰める(比較表を提出)
- 原状回復の上限金額・定額精算化、途中解約条項の挿入
- 金融機関向け資料の骨子
- コロナ前後のKPI(売上総利益率、回転期間、固定費比率)の推移
- 借換後キャッシュフロー表(12〜24カ月)と感応度分析(売上▲10%・コスト+10%)
- 設備・オフィス投資の収益貢献ロジック(回収期間と付加価値の定量化)
- 目安となる市場サイン
- エリア空室率が8%超:条件緩和の余地が高い
- 新築の募集長期化:小口分割・フリーレント拡大が通りやすい
視聴後アクションの解説
- 実効賃料を計算する
- 今の賃料に、フリーレントや内装補助を差し引いた「本当の負担額」を出します。
これが比較の基準です。
- 物件を3件だけ比較する
- 立地・面積・条件が近い候補を3件に絞り、上の基準で並べて見ます。
数を絞ると判断がぶれません。
- 銀行に相談の予約をする
- 借換・返済条件の見直しは、事前に「数字と計画」を持って話すのが近道です。
必要書類を整理して、日程を押さえましょう。
- 社内の働き方を確認する
- 出社率や会議室の稼働率を測り、必要な広さを決め直します。
無理に広げる必要がないか再点検します。
例え話
流行のエリアに飛びつく投資は、
列の長さだけでレストランを選ぶようなものです。
大事なのは「味」「栄養」「予算」に合うか、
つまり自社にとっての実効価値です。
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