- はじめに:インボイス制度をめぐる現状
これまで何度か取り上げてきた「インボイス制度」ですが、
制度開始を控え、課税事業者に登録すべきか否か、
多くの方が悩まれています。
この制度は、立場によってメリット・デメリットが大きく異なり、
中には深刻な不利益を被るケースも出てくるでしょう。
今回は、制度の影響を最小限に抑え、
免税事業者を継続するための合理的な判断基準について詳しく解説します。
- 登録の判断とスケジュール
インボイス制度が始まると、
登録した事業者は自動的に「課税事業者」となり、
消費税の納税義務が生じます。
現在、多くの事業者が
「登録すべきか、免税のままでいるべきか」という岐路に立たされています。
原則として登録期限は設けられていますが、
特例措置などを活用しつつ、
自身の事業形態に合わせた慎重な選択が求められます。
- 免税事業者を継続できる合理的なケース(B2C事業)
すべての事業者がインボイスを登録しなければならないわけではありません。
登録が不要な代表的なケースは、
「顧客の大部分が一般消費者である場合」です。
インボイス制度の本質は
「支払った費用の中に含まれる消費税額を明確にすること」にあります。
しかし、一般消費者(サラリーマンや主婦など)は、
購入した際の消費税を税務署に申告・控除することはありません。
そのため、顧客が一般消費者メインの事業(町の魚屋、八百屋、理美容業など)であれば、
インボイスを発行できなくても顧客側に不利益はなく、
免税事業者のままでも経営への影響はほとんどありません。
また、取引先の2割程度が事業者であったとしても、
その分だけ値下げを提案するなどの個別対応をすることで、
課税事業者にならずに済むケースもあります。
- 業界別の影響と課題(エンタメ・不動産業)
- エンターテインメント業界
声優、アニメーター、演劇団体などが反対の声を上げています。
制作会社との契約(B2B取引)が主となる声優や漫画家は、
インボイスを発行できないと取引から排除されるリスクがあるため、
深刻な問題です。
一方で、一般客を相手にする演劇興行(B2C)については、
観客が領収書を必要としない限り、
それほど大きな影響はないと考えられます。 - 不動産業界
居住用賃貸(アパート・マンションの家賃)はもともと非課税であるため、
家賃収入が1,000万円を超えていても、
居住用のみを扱っている大家さんは免税事業者のまま継続可能です。
ただし、近年は税制改正により、
高額な物件の売買における仕入税額控除が制限されるなど、
不動産業者を取り巻く環境は複雑化しています。
- 日本の税制への提言:不公平感と政治的背景
日本の消費税制は、
導入以来「政権の維持」や「選挙対策」といった政治的意図に振り回されてきた側面があります。
例えば、テイクアウト(8%)とイートイン(10%)の軽減税率の線引きは、
環境問題(プラスチックゴミの削減)の観点から見れば矛盾しており、
論理的とは言えません。
北欧(スウェーデンなど)のように、
高い税率であっても
「その税金が確実に国民の老後や福祉に使われる」という明確な出口があれば、
国民の納得感は得られます。
しかし、日本の場合は使途が不透明なまま、
その場しのぎの改正や増税が繰り返されているため、
事業者や国民の間に強い不公平感と将来への不安が生じています。
- おわりに
インボイス制度の導入は、
日本の経済や多くの事業者の人生に長きにわたって影響を及ぼすでしょう。
政治家や官僚には、
目先の税収だけでなく、
100年先を見据えた国家のあり方や、
国民が納得して納められる税体系の構築を強く望みます。
事業者の皆さまにおかれましては、
ご自身の顧客層を今一度見極め、
「今だけ」の損得ではなく、
長期的な視点で最適な対応を選択してください。
要約
- 何が論点か
- インボイス制度開始に伴い「登録(課税事業者化)か、免税継続か」の選択が必要。
立場によって損益が大きく異なる。
- 免税継続が合理的なケース(結論)
- 顧客の大多数が最終消費者(B2C)の事業は、
取引先が仕入税額控除を使わないため、
免税のままでも経営上の不利益がほぼ生じない。
例:理美容・小売(鮮魚・青果)・B2C興行など。
- 少数のB2Bが混在しても、
影響分(概ね消費税相当の2割負担など)を値引き等で個別調整すれば、
免税継続が成立するケースあり。
- 業界別の実態
- エンタメ:声優・アニメーター等のB2Bは発注側の控除要件からインボイス必須。
B2C(観客相手の興行)は影響限定的。
- 不動産:居住用賃料は非課税のため、大家は免税継続可。
一方、売買業・事業用賃貸は仕入控除の論点が多く、要個別判断。
- 登録の考え方
- 登録=自動的に課税事業者。
納税義務・事務負担・資金繰り影響が増えるため、顧客構成と価格転嫁可能性でKPI判断が不可欠。
- 制度・政治への所見
- 軽減税率(イートイン/テイクアウト)等の線引きは論理不整合を抱える。
北欧のように「使途の信頼」を伴わないまま負担を求めると不公平感は強まる。
中長期の納得感ある税体系設計が必要。
この動画から得られること
- 判断軸:登録/免税を決める三つのKPI(①顧客構成B2C比率 ②価格転嫁可能性 ③納税キャッシュフロー)
- 免税継続の要件:B2C中心で控除ニーズがない、B2Bは限定的で値引き調整が成立
- 登録した場合の負担:申告・納税・資金繰り・会計/請求実務の増加
- 業界別の要点:エンタメ(B2B必須/B2C限定的)、不動産(居住用賃料は非課税、売買/事業用は要精査)
- 実務対応:免税継続時の適格請求書非対応の説明テンプレ、契約条項(価格・控除不可の扱い)、値引き設計
- 情報リテラシー:軽減税率の不整合、使途の透明性と納得形成の重要性
専門家としての付加価値(実務KPI・チェックリスト)
- 登録判断KPI(例)
- B2C売上比率:80%以上→免税継続有利が多い
- B2B売上比率:20%未満かつ主要先が控除不要/少額→免税継続余地
- 価格転嫁可能性:転嫁可≥70%で登録の負担を吸収しやすい
- 納税キャッシュ:課税化後の納税見込(月次平準化)で資金ショートリスクなし
(現預金≧3か月固定費+納税引当)
- 免税継続の実務
- 取引先説明:適格請求書非発行に伴う控除不可・値引き対応の告知文面
- 値引き設計:B2B先に対し、消費税額の一部(例:2割)を値引きし、取引継続を提案
- 請求・帳票:区分記載請求書等保存方式の要件確認、社内保管ルール整備
- 登録する場合の準備
- 会計システム対応、請求書フォーマット、適格請求書発行事業者登録申請、経過措置(2割特例等)管理
- 業界別注意点
- エンタメ:制作会社・出版社等B2B先の控除要件、代理店経由の契約形態
- 不動産:居住用賃貸は非課税、課税売上(駐車場・自販機等)混在時の按分、課税仕入の控除可否
例え話
インボイスの登録可否は「車で高速に乗るか、一般道を行くか」に似ています。
高速(登録)は速いけれど料金(納税・事務)がかかる。
目的地(顧客)が近所の商店街(B2C)なら、
一般道(免税)で十分。
遠方の取引先(B2B)が多いなら、
高速に乗る価値がある。
地図(顧客構成)と燃費(価格転嫁・資金繰り)を見て経路を選ぶのが合理的です。
視聴後アクション
- 1. 顧客構成を可視化:直近12か月の売上をB2B/B2Cに区分し、比率を算出(A4一枚)
- 2. 価格転嫁を判定:主要先ごとに転嫁可否と率を評価(◯:可、△:一部、×:不可)
- 3. 納税資金を試算:登録時の消費税納税見込を月次平準化して資金繰り表に反映
- 4. 免税継続なら:取引先向け説明文・値引き方針・請求書運用の社内ルールを整備
- 5. 登録するなら:発行事業者登録→会計/請求のシステム対応→経過措置の管理フローを構築
- 6. 業界特有の論点を確認:エンタメは契約形態、不動産は課税/非課税の混在に注意
- 7. 半年ごとに見直し:顧客構成・転嫁率・納税額をレビューし、方針を再評価
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