売掛金や従業員への貸付金など、
会社が第三者い対して債権を持つことがあります。
また、居宅やテナントなどを店子さんに貸す場合、
貸主である賃貸人は家賃という債権をを請求する債権者であり、
借主である賃借人は家賃という債権を支払う義務を負う債務者となります。
債権を予定通りに回収することができれば問題ありませんが、
相手の経済状態が悪くなってしまうと、
予定通りに回収できないこともあります。
そのときに注意したいのが『消滅時効』の存在です。
消滅時効期間を過ぎると回収できなくなる可能性がある
日本の法律には『消滅時効』という概念があり、
一定期間権利を行使しなかった場合、
その権利は消滅します。
債権の場合、
消滅時効は
『権利行使することができる時から10年』
と
『債権者が権利行使できることを知った時から5年』
のいずれか早い方が適用されます。
ただ、この年数が経てば当然に時効が成立するわけでは無く、
債務者が「時効だからお金を返しません」
と債権者に対して表明することによって時効が成立します。
この意思表示を『時効の援用』といいます。
ちなみに、時効が完成する前に債務者が債権があることを認めたりした場合には、
時効はそこでリセットされ、
時効期間が更新されます。
例えば、債権が成立して9年目に初めて債務者が債務を承認した時は、
そこから数えて5年後が新たな時効となります。
尚、裁判外で督促しただけでは、
そこから6か月間は時効の完成猶予が認められていますが、
時効期間が更新されるわけでは無いので、
注意しましょう。
このような消滅時効が設けられた背景には、
3つの考え方があります。
その一つが、
『長い間続いている事実状態を尊重するべき』
という価値観です。
これは何も督促が無いまま長い期間が過ぎているなら、
その状態を尊重するということです。
もう一つが、
『権利行使をしない人を保護する必要はない』
という考えで、
債権について督促することができたのに、
一切せずに放置した結果、
消滅時効が成立したのであれば仕方ないという論点です。
最後の一つが、
『証明することが困難な状態を救済する』
という意図で、
時間が経つほど権利関係の立証が困難になるので、
どこかでケリをつけるということです。
このような趣旨から消滅時効という概念が存在しているのです。
民法改正により整理された5年と10年の消滅時効期間
2020年に民法が改正される前までは、
法人などの商行為によって生じた債権については、
5年が消滅時効期間とされていました。
また、飲食費や宿泊費、商品の売掛金などの少額の債権については、
1年から5年の『短期消滅時効』が設定されていました。
しかし、民法改正によって、
こうした細かい規定はすべて廃止され、
2020年4月1日以降に発生した債権については、
すべて
『債権者が権利行使できることを知った時から5年』
または
『債権行使することができる時から10年』
に一本化されています。
債権を回収する時には、
消滅時効にかからないように注意しなければなりません。
たとえば、
分割払いの債権で契約書に「〇回支払いを怠ると期限の利益を喪失する」
と記載してある場合があります。
期限の利益とは、
約束した期日までにお金を返済すればよいという権利のことをいいます。
この場合たとえ分割払いであっても、
債務者が支払いを怠って期限の利益が喪失された瞬間に、
債務全額について消滅時効までのカウントダウンが始まってしまいます。
時効を進行させないようにするには、
債権者が
『裁判上の請求』
『強制執行や競売など』
『債務者が承認すること』
のうちいずれかの行為で時効までの期間を更新したり、
時効完成を猶予させたりする必要があります。
単に請求書や督促状を送るだけではこの条件を満たしませんので注意が必要です。
もし、会社や個人で債権を持っているなら、
督促をしないでいるうちに権利が失効することが無いよう、
注意しておきましょう。
消滅時効があることを常に念頭に置いておくことが大切です。
税理士法人 A to Y
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