目的を明確にし、将来のリスクを伴う節税は避けるべき
相続対策の王道だった「タワマン節税」の終焉
相続税対策としてかつて一世を風靡したのが、
都心の高級タワーマンションを利用した「タワマン節税」です。
この手法の肝は、
タワーマンションの「市場価格」と「相続税評価額」の乖離にありました。
一般的に高層階ほど眺望が良く市場価格は高くなりますが、
従来の相続税評価では、
1階も最上階も床面積が同じであれば評価額に差がありませんでした。
例えば、2億円で購入した高層階物件の評価額が1億円程度になり、
さらに建物の減価償却が進むことで評価が大幅に下がります。
この評価額で相続や贈与を行い、
その後すぐに市場価格で売却すれば、
多額の現金を低い税負担で次世代に移転することができました。
しかし、過度な節税は国税庁によって厳しくマークされるようになり、
2018年の通達改正以降は実質的にこのスキームは封じられました。
現在は「時価」を反映した評価が求められており、
安易なタワマン節税は「脱税に近い行為」とみなされるリスクが高まっています。
法人による「一棟買い」スキームとその落とし穴
個人でのタワマン節税が難しくなった今、
代わりに行われているのが、
法人を活用して賃貸マンションを「一棟買い」する手法です。
10億円などの高額な賃貸物件を借り入れで購入し、
相続税基本通達に基づいた評価を行うことで、
法人の純資産価額を圧縮します。
その結果、自社株の評価額を下げた状態で後継者に株を譲渡・贈与するというスキームです。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
都心の高額物件は利回りが低く、
せいぜい4%程度。
銀行も全額を融資してくれるわけではなく、
3割程度の自己資金を求められることもあります。
さらに、新築に近い物件であっても将来の修繕費や空室リスク、
さらには地震などの災害リスクが常に付きまといます。
「キャッシュが痛む」節税は本末転倒
最も注意すべきは、
節税ばかりに目を奪われて「キャッシュ(現金)」を痛めてしまうことです。
利回りの低い物件を無理な借り入れで購入し、
維持費や空室によって手元の現金が減っていくようでは、
会社経営や資産形成としては本末転倒です。
「株価を下げるために、あえて収益性の低い物件を所有し続ける」という判断が、
将来の経営を圧迫するリスクになります。
市場に出回っている一般的な賃貸マンション(利回り4〜6%程度)には、
投資としての魅力はほとんどありません。
本当の意味で「良い物件」は、
銀行の不良債権処理や縁故など、
市場に出る前の特別なルートでしか出会えないのが現実です。
結論:相談相手を見極め、目的を明確にする
不動産の営業マンは「節税になります」と熱心に勧めますが、
彼らが5年後、10年後のあなたのリスクを本当に考えているかは別問題です。
投資や相続対策を始める前に、
まずは「何のためにやるのか」という目的を明確にする必要があります。
安易にメディアの情報や営業トークに乗るのではなく、
将来の不確実なリスクを天秤にかけ、
慎重に判断しなければなりません。
投資は、最初から大きな金額を動かすのではなく、
双六(すごろく)のように着実に積み上げていくことが大切です。
信頼できる専門家に相談し、
将来のリスクを最小限に抑えた対策を検討しましょう。
要約
- 背景と問題意識
- 相続対策として流行した「タワマン節税」は、市場価格と相続税評価額の乖離を利用。
2018年の通達改正以降、時価反映の厳格化で実質的に封じ込められ、否認リスクが高水準に。
- 代替スキームの台頭
- 法人で賃貸マンションを一棟買いし、負債計上により純資産価額を圧縮
→自社株評価引下げを狙う手法が拡大。
- ボトルネックと落とし穴
- 都心物件の低利回り(4%前後)、多額の自己資金要求、将来の修繕・空室・災害・金利上昇リスク。
キャッシュフローが痛む「節税」は本末転倒。
- 実務上の示唆
- 節税の成否は“キャッシュと継続性”が基準。
良質案件は水面下で流通しやすく、市場に出る一般案件の期待超過収益は限定的。
- 結論
- 目的(相続・事業承継・資産配分)を明確化し、手段は後付けで最適化。
短期の評価圧縮より中長期のキャッシュ創出とリスク最小化を優先。
信頼できる専門家の併走が必須。
この動画から得られること
- タワマン節税が機能しなくなった理由と最新リスクの全体像
- 法人“一棟買い”の仕組みと、キャッシュ毀損を防ぐ判定基準(DSCR・スプレッド)
- 相続対策の優先順位(目的→現金→評価)と意思決定ツリー
- 自社株評価の考え方(純資産価額の下げ方と副作用の見極め)
- 今日から実装できるチェックリストと専門家への相談要点
例え話
節税は、
体重計の数字を早く下げるために
一時的に水分を抜く減量に似ています。
数値は軽く見えても、
筋力(キャッシュ創出力)まで落ちれば、
いざという時に動けません。
大切なのは、
数字合わせではなく体質改善(継続的なキャッシュフロー強化)です。
専門家としての付加価値
- 否認リスクの要点
- 通達改正以降は「実勢価格への接近」と「著しい乖離の是正」が基調。
形式より実質が重視されるため、恣意的評価圧縮は高リスク。
- 一棟買いの定量判定
- イールドスプレッド(物件実質利回り−借入実効金利−運営費率)≥2.0%
- DSCR(営業CF÷元利返済)≥1.2をストレス時(空室+修繕+金利+1.0%)でも維持
- LTV(借入÷資産時価)≤60%、出口キャップレート+50bpの価格下落を想定
- 意思決定ツリー(簡易)
1) 目的は何か(相続税圧縮/承継/資産の安定CF)→複数目的なら優先順位を固定
2) 目的に対し、不動産以外の選択肢(生命保険、持株会社、贈与の分散、議決権設計)を比較
3) 不動産を選ぶ場合は上記閾値に合致→Yes: 実行、No: 規模縮小or代替策
- 代替策の例
- 配当方針と役員報酬の最適化、計画的贈与、持株会社化、保険の活用(流動性確保)、事業ポートフォリオ整理(非中核の売却)
視聴後アクション
- 具体ステップ(事業者・資産家向け)
1) 目的定義シートを作成(相続税圧縮/承継/流動性/収益性の優先順位を1→4で明記)
2) 候補物件の実質利回り、借入金利、運営費、空室率でスプレッドを算出
3) DSCRを平常・ストレス(空室+10pt、金利+1.0%、修繕年)で試算
4) 出口シナリオ(売却/保有/相続)ごとの税・価格感度を比較
5) 税理士・弁護士・不動産の三者でセカンドオピニオンを取得
- 用語の簡潔説明
- DSCR:元利返済に対する営業キャッシュフローの倍率。
1.2倍未満は資金繰りが不安定。
- イールドスプレッド:物件実質利回りから借入金利・運営費を引いた余剰。
2%以上が目安。
- LTV:資産価値に対する借入比率。
高すぎると金利・価格下落に弱い。
補助資料
- チェックリスト(抜粋)
- 目的の優先順位は定義済みか
- 実質利回り・金利・空室・運営費の前提は妥当か
- DSCR・LTVの基準を満たすか(平常/ストレス)
- 10年累計キャッシュと出口税負担を可視化したか
- セカンドオピニオンの取得状況
- 相談テンプレ(要点)
- 件名:相続対策と一棟買いの定量判定について相談
- 本文:目的・家族構成・資産概要・想定物件条件・試算結果・確認したい論点
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