不動産投資や事業運営において、
銀行からの融資は欠かせない要素です。
銀行が融資の可否を判断する際、
最も重視するのは決算書の「数字」です。
かつては「リレーションシップ・バンキング」として事業の将来性や経営者との信頼関係が
重視された時代もありましたが、
現在は「金融マニュアル」に基づく数値評価が主流となっています。
決算確定前に、
以下のポイントを整理し、
銀行に適切な説明ができるよう準備しておきましょう。
- 財務三表の基本と銀行の視点
決算書は主に
貸借対照表(B/S)、
損益計算書(P/L)、
キャッシュフロー計算書(C/F)の三表で構成されます。
上場企業と異なり、
中小企業にはC/Fの作成・提出義務はありません。
また、多くの銀行員はC/Fを読み解く教育を十分に受けていない現状があるため、
融資実務では主にB/SとP/Lが評価の対象となります。
- 貸借対照表(B/S)のチェックポイント:純資産の部
銀行が最初に見るのは、
企業の安定性を示す「純資産」です。
- 自己資本の蓄積:
資本金に加えて、
過去の利益の積み上げである「利益剰余金」がプラスであることが大原則です。 - 債務超過の回避:
純資産がマイナスの状態(債務超過)は非常に厳しく評価されます。
資本金を利益が食いつぶしている状態は、
倒産リスクが高いと判断されるためです。
- 損益計算書(P/L)のチェックポイント:3つの利益
P/Lでは、以下の3つの利益が黒字であることが期待されます。
- 売上総利益(粗利):
ここがマイナスということは、
商品やサービスを売れば売るほど赤字になるということであり、
ビジネスモデル自体が破綻しているとみなされます。 - 営業利益:
本業での稼ぐ力を示します。
銀行はここが黒字であることを強く求めます。 - 経常利益:
支払利息などの財務費用を差し引いた後の、
企業の実力を示す数字です。
※コロナ禍では、営業利益が赤字でも助成金や補助金によって経常利益が黒字になるケースが多く見られましたが、
今後は「本業でどれだけ稼げているか(営業利益)」がより厳格に評価されるようになります。
- 注意が必要な「勘定科目」と不透明な数字
特定の勘定科目に異常な数字がある場合、
銀行は「粉飾」や「私的流用」を疑います。
- 役員貸付金:
会社から経営者個人への貸し付けは、
「会社のお金を私的に流用している」とみなされ、
融資において非常にマイナスに作用します。 - 売掛金の滞留:
売上規模に対して売掛金の回収期間が異常に長い(例:半年分残っている等)場合、
架空売上の計上が疑われます。 - 棚卸資産(在庫)の過剰:
業界平均と比べて在庫が多すぎる、
あるいは少なすぎる場合、
利益を操作するために在庫を調整していると疑われる要因になります。
結論:経営者に求められる対応
現在の銀行実務では、
残念ながら「事業の将来性」を独自に評価できる行員は少なく、
最終的には担保評価や決算書の数字に頼らざるを得ないのが実情です。
経営者は、
決算書の数字をきれいに保つ(黒字化と健全なB/S)努力をすると同時に、
もし数字に異常値がある場合は、
「なぜそうなっているのか」という理由と
「今後の改善策」を論理的に説明できる準備をしておくことが、
スムーズな融資を受けるための最大のポイントとなります。
要約
- 銀行は“数字”で判断
- いまの融資実務は金融マニュアル準拠。
将来性・関係性より、決算書(特にB/S・P/L)の整合と健全性が中心。
- 中小企業ではC/Fを提出しないケースも多く、行員もB/S・P/L重視の評価に寄りがち。
- B/Sの核心は純資産
- 自己資本(利益剰余金)の積み上げが必須。
債務超過は強いマイナス評価。
- P/Lは「3つの黒字」
- 粗利・営業利益・経常利益の黒字が基本。
コロナ期の補助金黒字は割引かれ、本業(営業利益)が重視される。
- 要注意科目
- 役員貸付金、滞留する売掛金、過大・過少な棚卸資産は粉飾・私的流用の疑義ポイント。
- 結論
- 数字を整えることと、異常値に対する「理由と改善策」の説明が融資可否を左右。
決算確定前の是正と準備が勝負。
この動画から得られること
- 何を見るか:B/S(純資産・流動性・有利子負債)、P/L(三利益・販管費の構造)
- 何が危険か:役員貸付金、仮払金・未収入金の長期化、売掛債権の滞留、棚卸資産の不整合
- 何を整えるか:与信KPI(回収・在庫・利益)の目標、勘定の整理と引当、相殺・精算の進め方
- どう説明するか:事実→原因→対策→KPI→期限の説明フレームと裏づけ資料
- 何を出すか:銀行向け提出パッケージ(決算・試算・年次計画・資金繰り・エビデンス)
- いつ動くか:決算確定前の30日・14日・7日の是正アクション
専門家の付加価値
- 財務KPI(目安)
- 自己資本比率:20〜30%以上
- DSCR(営業CF+減価償却−税等)/年間元利返済:1.2倍以上
- EBITDA/支払利息:3.0倍以上
- 流動比率:120%以上/当座比率:80%以上
- CCC(回収+在庫−支払):短縮傾向を維持
- 回収・在庫の管理基準
- 売掛金回収期間:45〜60日以内(業態差を考慮)
- ARエイジング90日超:総残高の5%未満、貸倒引当の政策整合
- 在庫回転日数:業界中央値±20%以内、滞留・陳腐化の評価減を実施
- 要注意科目の是正
- 役員貸付金:決算前に返済・配当・賞与(税務整合)等でゼロ目標
- 仮払金・未収入金:証憑整備と清算、長期化分は性質見直し
- 関連当事者取引:価格・条件の妥当性を議事録化
- 銀行提出パッケージ
- 3期比較決算書・試算表(最新月)・13週資金繰り表
- 売掛・買掛エイジング、在庫明細、主要取引先リスト
- 年度計画(売上・粗利・販管費・投資・資金計画)とストレスシナリオ(売上▲10%/金利+1%)
- 説明メモ(異常値の原因・対策・KPI・期限)
例え話
決算は「健康診断」、融資は「保険の引受審査」に似ています。
数値(血圧・血糖)=B/S・P/Lが基準内なら通りますが、
異常値は原因特定と生活改善(是正)を示す必要があります。
数値と改善計画があれば、
引受側は安心してカバーを提供できます。
視聴後アクション
- 1. 勘定を洗う:役員貸付・仮払・未収入金・滞留売掛・陳腐在庫を一覧化
- 2. 是正する:役員貸付は返済・振替でゼロ化、
滞留債権は回収・保全・引当、
在庫は評価減・廃棄を決断
- 3. 粗利を守る:値上げ・原価低減・不採算の整理で営業利益を黒字化
- 4. 計画を作る:来期の売上・粗利・費用・投資・返済計画と資金繰り表をセットで作成
- 5. 資料を束ねる:3期比較・エイジング・在庫明細・説明メモを一式に
- 6. 伝える順序:事実→原因→対策→KPI→期限の順で説明、
根拠資料を添付
- 7. 面談を取る:担当行と面談設定。
提出前に“疑義が出そうな箇所”を先に開示し、
改善ロードマップを提示
運用の勘所
- 税務との整合:評価減・引当・賞与・配当・退職金の計上は税務リスクと二律背反。
議事録・根拠を整える
- 期末操作の線引き:許容される運用(回収加速・滞留整理・実在在庫の評価減)と
禁じ手(架空売上・在庫水増し)を誤らない
- 関連当事者の透明化:価格妥当性・与信条件・資金循環を文書化し、取引実態を説明可能に
- 月次の平準化:単発黒字ではなく、月次推移の改善を示す。
翌期1Qの着地予想を添える
- 交渉の段取り:先に“弱点”を開示し、対策・KPI・期限で上書き。
担保・保証の必要条件も先に摺合せ
融資は「数字×説明×計画」で決まります。
決算確定前の“今”こそ、
役員貸付ゼロ化、
滞留債権・在庫の整理、
三利益の黒字化、
そして資金繰り・年次計画の提示まで一気通貫で整えてください。
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