総務省が発表した「住宅・土地統計調査」の結果をもとに、
日本で深刻化している「空き家問題」の現状について、
専門家の視点から解説します。

  1. 過去最高を記録した日本の空き家率

総務省の統計(2018年時点)によると、
日本国内の空き家数は849万戸
空き家率は13.6%と過去最高を更新しました。
これは、およそ78軒に1軒が空き家
という異常な状態です。

特に注目すべきは、
前回調査(2013年)からの5年間で、
「その他の住宅」に分類される空き家が約304,000戸も増加した点です。

「その他の住宅」とは何か?

空き家には大きく分けて以下の種類があります。

  • 賃貸用・売却用の物件
  • 別荘などの二次的住宅
  • その他の住宅(居住者が長期不在、または取り壊し予定などで放置されている家)

今回急増しているのは、
まさにこの「放置された家」です。
親が亡くなったり、
老人ホームに入居したりした後、
子供が遠方に住んでいるために管理ができず、
売ることも壊すこともできずに残ってしまった実家などがこれに当たります。

  1. 放置された空き家が抱える「3つのリスク」

単に「誰も住んでいない」というだけでなく、
放置された空き家は地域社会に多大な悪影響を及ぼします。

安全・防災面のリスク

古い木造住宅やトタン屋根の家は、
台風や地震などの自然災害で倒壊したり、
屋根材が飛散したりする恐れがあります。
実際に、歩行者に怪我をさせてしまうといった事故も懸念されており、
行政が「応急処置」として補強を行わざるを得ないケースも出ています。

治安・防犯面のリスク

空き家は空き巣のターゲットになりやすく、
ゴミの不法投棄や放火の温床になるなど、
地域の治安を悪化させます。
また、大きな敷地内に古い家を残したまま新しい家を建てて引っ越した場合でも、
放置された旧宅に泥棒が入るなどの実例が報告されています。

資産価値の下落

家は「生き物」と言われるように、
空気の入れ替えをしないと急速に傷みます。
特に、高度経済成長期以降に普及した新建材(集成材など)を用いた家は、
一度腐食が始まると再生が困難です。
結果として、
いざ売却しようとした時には
「建物価値ゼロ」どころか「負債」となってしまうのです。

  1. 「壊せない・売れない」行政と所有者のジレンマ

空き家問題が進まない背景には、
経済的な問題があります。

  • 解体費用の負担:
     家を壊すには100万円単位の費用がかかりますが、
    所有者にその余裕がない場合が多くあります。
  • 公的資金投入の壁:
     空き家は個人の資産であるため、
    行政が税金を使って勝手に解体することは法的に困難です。

現在、京都府のように「町家制度」を活用して
改修・再利用に補助金を出す自治体もありますが、
再利用できるのは良質な素材を使った「古民家」に限られます。
バブル期前後に建てられた一般的な住宅の多くは、
再利用よりも解体が現実的ですが、
そのための公的支援はまだ不十分です。

まとめ:今後の展望

人口減少が進む日本において、
空き家問題は今後さらに深刻化することが予想されます。
2023
年の最新調査結果(来年発表予定)では、
さらなる増加が確実視されています。

安全面や治安を維持するためには、
「建てる時」だけでなく「壊す時」にも補助金を出すなど、
税金のあり方や都市計画の抜本的な見直しが必要です。
所有者にとっても、
放置すればするほどリスクとコストは膨らみます。
「負の遺産」になる前に、
早めの適切な管理や処分を検討することが重要です。

要約

- 空き家率の過去最高更新
  - 総務省「住宅・土地統計調査」(2018)で空き家約849万戸、空き家率13.6%
    約78軒に1軒が空き家。
  - この5年で「その他の住宅」(放置・長期不在・取壊し予定)が約30.4万戸増。
    遠距離相続や管理不全が主因。

- 放置空き家の3大リスク
  - 安全・防災:倒壊・屋根材飛散・ブロック塀事故などの人的被害リスク。
  - 治安・防犯:空き巣・不法投棄・放火の温床化。
  - 資産価値:通風・維持が途絶え急速劣化。新建材は腐朽後の再生が困難で「負動産」化。

- 壊せない・売れないの構造
  - 解体費用の負担・法的制約で行政は勝手に解体できず。
    補助制度は古民家等に偏在、一般住宅では不足。

- 結論
  - 人口減少下で空き家は増加確実。
    所有者は管理・処分の前倒しが合理的。
    行政側は「建てる時だけでなく壊す時に支える」制度設計が急務。

この動画から得られること

- 市場と構造理解:空き家類型(賃貸・売却・二次的・その他)、増加の背景、地域差の見方
- リスク整理:防災・防犯・資産価値・税制(特例適用除外等)の体系
- 制度と法務:空家等対策特措法、特定空家等/管理不全の概念、行政指導〜代執行の流れ
- 経済性評価:解体・修繕・管理の費用対効果、残存価値と機会費用の比較
- 施策の選択肢:売却(空き家バンク等)/賃貸(最低改修ライン)/解体(更地化)/国庫帰属の適否
- 実行フレーム:90日ロードマップ、点検KPI、外注活用と記録化の要点

専門家の付加価値

- リスクスコア(合計10点中7点以上は「要処分」)}
  - 侵入容易性(施錠不全・開口破損)2
 /可燃物堆積1
 /構造劣化(屋根・外壁・塀)2
 /近隣苦情1
 /延焼・倒壊危険度(接道・老朽度)2
 /夜間暗所1

- コスト相場(目安)
  - 解体:木造35万円/坪、軽量鉄骨46万円/坪(アスベスト・狭小地で増)
  - 最低改修:雨漏り・外壁・設備の応急で50200万円規模
  - 管理代行:月3,000〜10,000円(巡回・通風・清掃)+除草・剪定は別途
  - 防犯:人感ライト・簡易カメラ各1〜2万円/台、ポスト封鎖・掲示数千円

- 税・制度の要点
  - 住宅用地特例(固定資産税の軽減)は管理不全・特定空家等で適用除外・縮小のリスク
  - 補助・制度探索:自治体解体補助、空き家バンク、リフォーム補助、地域協定の活用
  - 相続・登記:相続登記の未了は売却・担保化の足枷。
                         登記と固定資産税名寄せを先行

- 意思決定フレーム(売る/貸す/壊す)
  - 3年トータルCF、想定賃料・稼働率、解体後の流動性(更地売却・駐車場活用)で比較
  - 環境条件(駅距離・需要・規制)×建物状態(劣化・耐震)で2×2評価

例え話

空き家は「庭の雑草」に似ています。
小さいうちは抜きやすい一方、
放置すると根が深くなり、
手間も費用も跳ね上がります。
見つけたらすぐ抜く(是正)ことが、
庭(地域)全体の健全性を守ります。

視聴後アクション

- 1. 現状を一枚にまとめる:所在地・築年・構造・延床・劣化写真・苦情有無をチェックリストに記入
- 2. 危険箇所を直す:施錠、破損開口の仮補修、可燃物の撤去を今週中に実施
- 3. 見積を取る:解体/改修/管理代行をそれぞれ2社以上で相見積もり
- 4. 行政に相談:自治体の補助金・空き家バンク・特定空家等の基準を窓口で確認
- 5. 保険を点検:火災・賠償の補償範囲と保険金額、空き家特約の有無を確認
- 6. 方針を決める:売る/貸す/壊すの3案を3CFで比較し、家族と合意
- 7. スケジュール化:306090日の実行計画(担当・期限・測定指標)を作成し、進捗管理

運用の勘所

- 季節点検:乾燥期・台風前後に臨時巡回を追加し、屋根・外構を重点確認
- 近隣連携:連絡先掲示と通報ルート整備。
                   苦情は記録し是正期限を設けて対応
- 境界・外構:塀の高さ・控壁・老朽度を基準確認。
                       危険なら撤去・低塀化を優先
- データ整備:登記・評価証明・図面・写真・修繕履歴をクラウド一元管理
- 出口準備:相続関係・権利関係の整理を先行。
                    更地化後の販売戦略も同時に設計

空き家は「早く手を打つほどコストが下がる」領域です。
まず可視化し、危険と費用を定量化して、
売る/貸す/壊すの最適解を3CFで選び切ってください。

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