- 相続税対策としてのアパート建設
最近、大手土地活用会社の動向が話題になることも多いですが、
依然として「土地の有効活用」を錦の御旗に掲げた
相続税対策としてのマンション・アパート建設は盛んに行われています。
一見、手っ取り早い節税策に思えますが、
そこには意外な落とし穴があります。
まずは、その仕組みと「借入金(借金)」に関する大きな錯覚について整理しましょう。
- 節税の仕組みと「借金」の正体
一般的に、1億円を借り入れてアパートを建てると節税になると言われます。
その理由は主に2つあります。
- 評価額の差を利用する:
1億円かけて建てた建物の「固定資産税評価額」は、
建築費よりも低くなります。
さらに、賃貸用であれば「借家権」などの評価減が適用され、
財産価値が大きく圧縮されます。 - 負の資産を作る:
借入金という「マイナスの財産」を作ることで、
他のプラスの財産と相殺し、
相続税の課税対象額を減らします。
ここで多くの方が陥るのが、
「借金があるから相続税が減る」という錯覚です。
実際には、手元の1億円のキャッシュを使ってアパートを建てても、
1億円を借りて建てても、
相続財産の「圧縮幅」自体は変わりません。
借金によって節税できているように見えますが、
本質的には「評価額が下がる資産に組み替えた」ことによる効果なのです。
「借金=節税」という単純な図式で攻めてくる営業トークには注意が必要です。
- アパート経営に潜む「3つの大きなリスク」
無計画にアパートを建てることには、
主に以下の3つのリスクが伴います。
① 賃貸経営自体のリスク
人口減少社会において、
安易にアパートを建てても入居者が集まるとは限りません。
空室が増えれば、
修繕費や管理費などの経費だけが出ていくことになります。
築年数が経過すれば大規模修繕も必要になり、
キャッシュフローが回らなくなる恐れがあります。
② 金利変動のリスク
現在は低金利が続いていますが、
アパートローンは20年、30年という長期のスパンで組みます。
将来的に金利が上昇すれば、
返済負担が重くのしかかり、
経営を圧迫するリスクがあります。
③ 長生きリスク(シミュレーションの狂い)
これは意外な落とし穴です。
節税のために借金をしてアパートを建てたものの、
オーナーが非常に長生きされるケースです。
20年、30年と経過して借金を完済してしまうと、
手元には収益(現金)が蓄積され、
完済されたアパートという資産が残ります。
つまり、相続時には再び高い相続税が発生する状態に戻ってしまうのです。
これを「長生きリスク」と呼んでいます。
- より賢い相続・納税対策
「自分の土地にアパートを建てる」ことだけが対策ではありません。
以下のような選択肢も検討すべきです。
- 流動性の高い物件を持つ:
更地のまま残しておき、
相続発生時に売却しやすい状態にしておく、
あるいは既に収益が上がっている中古物件を購入するなど、
「売りやすさ」を考慮した資産構成が重要です。 - 法人の活用:
資産を個人から法人へ移すことで、
相続税の対象から外す、
あるいは相続人が役員報酬として現金を受け取り、
将来の納税資金をストックしておくといった計画的な準備が可能です。
- まとめ
相続税対策の真の目的は、
単に税金を減らすことではなく、
「相続税を円滑に納税し、資産を次世代に繋ぐこと」です。
節税のためだけに不要なアパートを建てるのは本末転倒であり、
高いリスクを伴います。
相続対策はオーダーメイドであるべきです。
それぞれの事情に合わせ、
専門家としっかりシミュレーションを行った上で、
最適な手法を選択してください。
信頼できる税理士などの専門家を味方につけ、
早めに対策を練ることをお勧めします。
要約
- 借入金でアパートを建てても「借金そのもの」が節税するわけではありません。
実態は、賃貸用不動産の評価減(貸家建付地・借家権等)による資産の組替効果です。
借金=節税という単純化は誤りです。
- アパート経営には、入居率・修繕費・管理費に左右される経営リスク、
長期金利上昇の返済負担リスク、
借入完済後に資産・現金が積み上がり相続税負担が復活する「長生きリスク」の3大リスクがあります。
- 対策は、流動性を重視した資産配分(更地・売却しやすい収益物件・中古優良物件)と、
法人活用による所得移転・報酬設計・承継設計の組合せ。
相続の目的は「税を減らす」より「円滑に納税し資産を残す」ことです。
- 成功の鍵は、物件・金利・家賃・修繕費の感度分析、納税資金計画(現金・延納・保険)、相続人の合意形成。
専門家とともに、節税“だけ”に偏らないシミュレーションを事前に行うことが不可欠です。
- 例え話:穴の開いたバケツに水を注いでも溜まりません。
節税の名の下に収益性や流動性の穴を無視すると、いずれ納税時に水が足りなくなります。
まずは穴(リスク)を塞ぐのが先です。
この動画から得られること
- 借入金が節税に直結しない理由(貸家建付地・借家権等の評価減の本質)
- 空室・修繕・金利・寿命の3大リスクの影響と感度分析のやり方(DSCR/LTV/金利感応度)
- 流動性重視の資産設計(更地・中古優良物件・売却容易性)と売却出口の設計
- 法人活用(報酬設計・持株構成・承継設計)と納税資金計画(延納・保険・現金確保)
- 失敗しない意思決定フロー(前提整備→シミュレーション→合意形成→実装→モニタリング)
専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)
- 評価ロジックの要点
- 土地:自用地→貸家建付地評価(自用地評価×貸家建付地補正)。
建物:固定資産税評価×借家権割合で圧縮幅を算定。
- 節税額=評価差×税率。借入有無は評価差に中立。
効果は「資産組替」による。
- キャッシュフローと耐性
- DSCR(営業CF/元利返済)>1.2を目安、LTVは保守的に。
金利+1〜3%の感度分析必須。
大規模修繕の年度・金額を前倒し計上で検証。
- 空室率は市況平均+安全マージン。
募集賃料の下方耐性もテスト。
- 流動性と出口
- 更地の売却容易性、
優良中古(実績賃料・修繕履歴・管理体制)の選好、
出口売却の税務(譲渡税)とタイミング。
- 法人活用・承継
- 役員報酬で所得分散、持株の承継設計、節税偏重を避けたPE(私募)/GK-TK等の選択肢比較。
- 納税資金の手当
- 延納・物納の適否、死亡保険の目標保障額、売却・借入・内部留保の組合せ。
- 実務チェックリスト(着手順)
- 物件・土地の現況把握(評価、路線価、用途地域、修繕履歴)
- 5指標の感度分析:空室率、金利、賃料下落、修繕費、出口価格
- 流動性ポリシー策定(売却までの期間目標・目標LTV)
- 法人活用の可否判定(役員・承継・資本構成)
- 納税資金計画(延納・保険・現金の配分)
- 家族合意と議事録化、年1回のモニタリング
視聴後アクション
- 今日やること:家賃収入・返済・修繕の直近12か月実績を一覧にし、
3つの数字だけ確認してください(空室率、金利、年間修繕額)。
- 今週中:金利が1%上がった場合の返済額、賃料が5%下がった場合の収支を試算。
DSCRが1.2を下回るなら、計画を見直します。
- 今月中:流動性方針を決めます(更地維持か、中古優良物件か、売却予定時期)。
同時に、法人活用と保険を含めた納税資金計画を税理士に相談。
- 四半期ごと:感度分析を更新し、空室対策と修繕計画を前倒し管理。
出口の相場を確認し、売却・保有の判断材料を揃えます。
- 迷ったら:専門用語は不要です。
「今の家賃・返済・修繕の数字を見て、相続で困らない設計にしたい」
と税理士・不動産の専門家に伝えるだけで始められます。
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