不動産経営、例えば賃貸マンションのオーナー業などをしていると、
社会情勢を切り離して考えることはできません。
経営にはさまざまな社会の動きが影響してくるからです。

『経営管理マガジン』(202111月号)の中で、
非常に興味深いデータがありました。
2020
年はコロナ禍による外出自粛の影響で、
世間一般のイメージとしては
ネット通販などのEC市場は「ものすごく伸びた」という印象がありますよね。
しかし、実際の調査データを見ると「微減」という結果でした。
今回は、その理由について詳しくお聞きしたいと思います。

皆さんも「BtoC EC(消費者向け電子商取引)」、
つまりネット通販で買い物をすることは、
今や当たり前になっていると思います。
特に2020年は「巣ごもり需要」で市場が急拡大した実感が強いはずです。
しかし、
数字を見ると、
2020
年のEC市場規模は19.3兆円。
前年の2019年が19.4兆円でしたので、
実は0.43%ほど「微減」しているのです。

なぜイメージと裏腹に減少したのか。
結論から申し上げますと、
「物販」は大幅に伸びた一方で、
「サービス系」のECが激減したから
です。

2020年は旅行やイベントがほぼ全て中止になりました。
最近は若い世代を中心に、
旅行の申し込みやチケット購入をネットで行うのが主流ですが、
これらの「旅行サービス」「飲食サービス」「チケット販売」の数字も
EC
市場のデータに含まれています。

具体的に、2020年のジャンル別伸長率を見てみましょう。

  • 伸びた分野(物販系など)
    • 生活家電・AV機器・PC・周辺機器:37.45%
    • 書籍・映像・音楽ソフト:42.97%
  • 減少した分野(サービス系)
    • 旅行サービス:約60.24%
    • 飲食サービス(ネット予約など):18.03%
    • チケット販売:65.58%

このように、
物販系がどれだけ伸びても、
市場の大きな割合を占めていた旅行やイベント関連の落ち込みをカバーしきれず、
全体としては微減という結果になったのです。

サービス分野の落ち込みがそれほどまでに大きかったということです。


ただ、今後の展望としては非常に明るいと考えています。
緊急事態宣言が解除され、
コロナ禍が収束に向かう中で、
一度定着した「ECで物やサービスを買う」という習慣は、
今後もさらに拡大していくでしょう。
驚くべきことに、
不動産業界でも「物件を一度も見ずにネットで購入・契約する」という人が、
統計上で46%ほど存在し、
その割合は増えています。

アメリカなど海外では、
不動産や自動車といった高額商品でも、
ネットで情報を見てそのまま購入する流れが一般的になりつつあります。
日本でも「Z世代」などの若い層にとっては、
それが当たり前の世界になっていくでしょう。
私たち売る側も、
そのマインドの変化にしっかりと対応していく必要があります。

賃貸業界でもネットでの動画配信による「オンライン内見」などが
主流になりつつあります。
大手の不動産会社は対応が進んでいますが、
中小の不動産会社はまだ手が回っていないところも多いのが現状です。
しかし、
お客様がそれを望んでいる以上、
対応できなければ選ばれなくなってしまいます。
オーナー側もアンテナを高く張り、
お客様がどのような形で物件を探し、
入居してくるのかを理解し、
時代に合わせたシステムを整えていくことが重要ですね。

購買行動の変化にどう対応するかが、
今後の経営の鍵になると思います。

要約

- 事実と数字
  - 2020
年のBtoC EC市場規模は19.3兆円(2019年は19.4兆円)で0.43%の微減。
    巣ごもりで物販系は伸長した一方、旅行・イベント等のサービス系ECが大幅減。

- 伸長・減少の内訳
  -
伸長(物販系):家電・AVPC周辺機器+37.45%、書籍・映像・音楽ソフト+42.97
  -
減少(サービス系):旅行サービス−60.24%、飲食サービス−18.03%、チケット販売−65.58

- 認識ギャップの理由
  -
物販の伸び体感が強いが、統計はサービスECも含む総合指標。
    サービス分野の落ち込みが全体を相殺し微減に。

- 構造変化と展望
  - EC
購買習慣は定着。
    高額商材でもオンライン完結が拡大(不動産で「未内見購入」46%程度の層が顕在化)。
    回復局面ではサービスECのリバウンドも想定。

- 経営への示唆
  -
売り手はオンライン前提の導線(情報・比較・決済・契約)を整備し、
    動画・ライブ・バーチャル体験で意思決定摩擦を低減。
    中小不動産業もオンライン内見・電子契約・審査の一気通貫化が競争条件。

 

この動画から得られること

- EC市場「微減」の要因を物販/サービスの構造で正しく理解
-
オンライン購買習慣の定着が高額商材に及ぼす影響と対応方針
- OMO
導線(情報比較体験申込契約)の設計とKPIの置き方
-
不動産のオンライン内見・電子契約・審査フローの実装ポイント
-
中小事業者が短期で成果を出すための投資優先順位とチェックリスト

 

例え話

EC市場は、
二つのエンジンを積んだ船に似ています。
片方(物販)がフルスロットルでも、
もう片方(サービス)が逆噴射すれば、
全体の速度は上がりません。
大切なのは両エンジンの状態を把握し、
推進力が最大化する舵取り(導線設計)を行うことです。

 

専門家としての付加価値

- OMO導線の標準SOP30-60-90日)
  - Day 0-30
:現状診断(流入/比較/体験/申込/契約のボトルネック特定)、
                      必須コンテンツ定義(FAQ、比較表、価格/条件)
  - Day 31-60
:動画・VR・ライブQ&Aの実装、
                        申込〜契約の電子化(eKYC/電子契約/オンライン決済)
  - Day 61-90
KPI運用(CVR、申込完了率、離脱ポイント)、
                        ABテスト(見出し/CTA/オファー)

- 主要KPI(目安)
  -
到達率(動画/LP):≥70%、
    資料請求CVR38%、
    オンライン内見申込:1020
  -
申込契約完了:6080%、
    リードから契約までの中央値日数:30%短縮を目標

- 不動産向け必須パッケージ
  -
オンライン内見(動画/360°/ライブ)、重要事項説明・契約のオンライン対応(IT重説/電子契約)
  - eKYC/
与信の事前審査、入退去のデジタル手続、レビュー収集と公開

- 投資優先順位(費用対効果)
  1)
申込・契約の電子化(摩擦低減/離脱減)
  2)
体験価値の強化(動画・VR・ライブ)
  3)
比較と安心材料の可視化(費用総額/条件/口コミ)
  4)
広告投資はMER(売上÷広告費)基準で拡縮

 

視聴後アクション

- 具体ステップ(共通)
  1)
自社の導線を棚卸(流入比較体験申込契約)し、離脱ポイントを1つ特定
  2) FAQ
・比較表・価格条件を1ページに集約し、動画/図で補強
  3)
オンライン体験を実装(商品は動画/ライブ、不動産は360°/ライブ内見)
  4)
申込・契約の電子化要件を整理(eKYC/電子契約/決済)し、1件試行
  5) KPI
ダッシュボードを設置(到達率・CVR・完了率・日数)し週次レビュー開始

- 用語の簡潔説明
  - OMO
:オンラインとオフラインを統合して購買体験を設計する考え方
  - MER
Marketing Efficiency Ratio=売上÷広告費。全体効率の物差し

 

補助資料

- チェックリスト(抜粋)
  -
情報比較体験申込契約の各ページは1クリック以内で遷移可能か
  -
料金・条件・手数料の「総額」が明確か
  -
動画/VRは主要物件・主力商品の80%をカバーしているか
  -
電子契約・eKYCの運用ルールと責任者が決まっているか
  - KPI
(到達率/CVR/完了率/日数)の基準値と改善サイクルがあるか

- テンプレ(要点)
  - LP
構成:課題解決策証拠(事例/レビュー)比較表料金→CTA
  -
ライブ配信進行台本:導入要点3→Q&A→次アクション案内

 

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