海外にある不動産などの財産に日本の税金はかかるのか?

はじめに

本日は「相続・贈与相談センターマガジン7月号」のコラムから、
「海外にある不動産などの財産に日本の相続税はかかるのか?」というテーマについて、
税理士の山内先生にお話を伺います。

最近は香港やアメリカなど、
海外不動産投資に関心を持つ方も増えていますが、
将来的な相続や譲渡を見据えた際、
日本の税制がどう関わってくるのかを正しく理解しておく必要があります。

日本の相続税の基本原則:「全世界課税」

現在の日本の税制では「全世界課税」が原則です。

基本的には、日本国内に住んでいる人が海外の不動産を相続した場合、
その財産がどこにあろうと日本の相続税の対象となります。

かつては、
財産を渡す側(被相続人)と受け取る側(相続人)の双方が
海外に一定期間居住していれば
日本の相続税がかからないという仕組みを利用した節税策(例:武富士事件など)もありました。
しかし、度重なる税制改正により、
現在は「双方ともに相続開始前10年を超えて海外に居住していること」が条件となるなど、
非常にハードルが高くなっています。

海外不動産の賃貸収入や売却時の税金

相続だけでなく、
運用中や売却時にも注意が必要です。

日本居住者が海外不動産から賃貸収入を得たり、
売却して利益(譲渡益)が出たりした場合は、
たとえその資金を海外の銀行口座に置いたままであっても、
日本で確定申告(不動産所得・譲渡所得)を行う義務があります。

特にアメリカ不動産などの場合、
現地でも州税や国税を支払う必要があり、
日本との「二重課税」が発生します。
外国税額控除などの仕組みを使って調整することになりますが、
州によって税率が異なるため、
非常に複雑です。
これらを失念していると、
後から多額の追徴課税や延滞税を科されるリスクがあるため、
素人判断は禁物です。

国による評価や手続きの難しさ

海外財産の相続手続きは、
国によって実務が大きく異なります。

  • 中国の事例:
    以前のブームで上海や北京のマンションを購入したご高齢の方が亡くなった際、
    その評価額の算出に苦慮するケースが少なくありません。
    現地の不動産業者は評価書を出してくれないことが多く、
    弁護士(日本の不動産鑑定士に近い役割)に依頼して評価を出す必要があります。
    また、提出書類をすべて日本語に翻訳する手間もかかります。
  • インドの事例:
     在日インド人(3世など)の方が、
    本国にある祖父名義の株式を相続しようとした際、
    現地の銀行での保管状況の確認や名義変更に多大な労力を要した事例があります。

海外財産は、
現地の事情や日本の税制の両方に精通した専門家(弁護士や税理士)のサポートが不可欠です。

専門家選びの重要性

残念ながら、
税理士の中にも
「海外にある不動産なら日本の税金はかからない」
と誤った説明をしてしまう方が稀に存在します。
海外案件は法人税の申告書一つとっても、
海外支店の扱いなど実務経験がないと対応が非常に難しいため、
必ず実績のある専門家に相談することをお勧めします。

おわりに

日本国内は少子高齢化で人口が減少していますが、
世界に目を向ければ人口が増え、
経済が成長している地域はたくさんあります。
不動産投資にはサイクルがあるため、
日本国内だけでなくグローバルな視点を持つことは非常に重要です。

税務上のリスクや手続きの煩雑さはありますが、
それらを正しく把握し、
信頼できるパートナーを見つけることができれば、
海外不動産は魅力的な投資先となります。
今後もこうした海外の税務・相続事情について、
定期的に情報を発信していければと思います。

要約

- 日本の相続税は原則「全世界課税」です。
日本に居住していれば、海外不動産・海外口座・海外株式も相続税の対象になり得ます。 

- 過去に使われた「海外移住で相続税を回避する」型の節税は、税制改正でハードルが上がり、相続開始前の居住年数要件(実務上は10年超など)を満たさないと成立しにくくなっています。 

- 海外不動産は、相続だけでなく「運用中(家賃収入)」と「売却時(譲渡益)」でも、日本での確定申告が必要です。
資金を海外口座に置いたままでも、課税関係は消えません。 

- 現地でも課税される国(例:米国等)では二重課税が起こり得ます。
外国税額控除などで調整しますが、国・州・所得区分で計算が複雑です。 

- 海外財産は「評価」「名義変更」「書類翻訳」などの実務が国ごとに別物です。
中国・インド等の事例のように、評価書の取得や手続に時間とコストがかかります。 

- 結論は、海外投資の魅力を活かすためにも「税務・相続・現地手続」を一体で設計し、経験ある専門家と先手で数字を見える化することが不可欠です。

 

例え話 

 海外財産の相続は、
国ごとに規格が違う
「部品を組み合わせて機械を動かす」
ようなものです。

部品(制度・書式・言語)が
合っていないと、
動かないどころか
壊れます。

最初に
規格を揃えることが、
最短の
リスク管理です。

 

この動画から得られること

- 日本の相続税「全世界課税」の基本と、海外資産が対象になる条件整理 
-
海外不動産の家賃収入・売却益に関する日本の確定申告の要点 
-
二重課税が起こる仕組みと、外国税額控除の考え方(概念と注意点) 
-
国別に難所が変わる理由(評価書、翻訳、名義変更、銀行照会等) 
-
「海外に強い専門家」を見極める質問と、相談時に必要な資料セット

 

専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)

 1)論点をMECEで整理(漏れなく・重複なく)
-
税務(日本側)
  -
相続税:全世界課税、課税対象の判定、申告期限の管理 
  -
所得税:海外家賃の不動産所得、売却時の譲渡所得、証憑管理 

- 税務(海外側)
  -
国税・州税・源泉課税の有無、納税証明の取得、控除適用の前提 

- 実務(手続)

  - 評価書の取得、翻訳、相続人証明、現地での名義変更・銀行照会 

- リスク管理

  - 二重課税、申告漏れ、追徴・延滞、専門家の経験不足による手戻り

 

 2)相談前に揃える「最低限の資料」
-
物件:所在地、権利形態、購入時契約書、賃貸契約、家賃入金履歴、管理会社資料 
-
税務:現地の納税資料(あれば)、経費資料、売却予定があれば概算損益 
-
相続:相続関係図、戸籍類、被相続人の居住歴(出入国・住所の変遷)

 

 3)専門家の見極め質問(そのまま使える形)
-
「当該国の不動産所得・譲渡所得の申告経験は何件ありますか」 
-
「外国税額控除の適用で、必要資料と失敗しやすい点は何ですか」 
-
「現地弁護士・会計士との連携体制はありますか(紹介可能か)」 
-
「評価書が出ない国で、どうやって評価根拠を作りますか」

 

視聴後アクション

- 今日やること 
  -
海外資産を「不動産/口座/株式」に分けて一覧化し、所在国・名義・概算額を1枚にまとめてください。
これが現在地です。 

- 今週中 
  -
海外不動産がある方は「家賃の入金履歴」と「現地で払っている税金の有無」を確認し、資料を一か所に集めてください。 

- 2週間以内 
  -
税理士に相談する前提で、質問事項を3つだけ作ってください(例:日本での申告要否、二重課税調整、相続時の評価と手続の流れ)。 

- 1か月以内 
  -
海外案件の実績がある専門家へ面談予約を入れ、必要資料リストを受け取って段取りを確定してください。
予約が取れた時点で半分前進です。 

- 迷ったら 
  -
「日本は全世界課税」「海外でも申告が必要になり得る」この2点だけ先に押さえ、自己判断で放置しないことが最短の安全策です。

 

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