昨今の原材料費やエネルギー価格の上昇を受け、
企業がコスト増加分を販売価格に反映させる「価格転嫁」の動向が注目されています。
帝国データバンク名古屋支店が
2022年9月に発表した東海4県(愛知・岐阜・静岡・三重)の企業アンケート結果から、
地域経済の厳しい現状が浮き彫りになりました。
- 進まない中小企業の価格転嫁
調査によると、
多少なりとも価格転嫁ができている企業は68%に達していますが、
一方で約2割の企業は「全く転嫁できていない」と回答しています。
特に東海地方の基幹産業である自動車産業では、
構造的な課題が顕著です。
長年にわたり「コストダウン」と「生産性の向上」が至上命題とされてきた製造業の世界では、
下請け企業が発注元へ価格交渉を切り出すことは容易ではありません。
いかに効率化の名の下に外注費を抑制するかという産業構造そのものが、
川下の企業による価格転嫁を阻んでいるのが実情です。
この影響は製造業にとどまらず、
地元の大手企業に依存するサービス業や小売店にも波及しています。
燃料費や原材料費が高騰するなか、
受注を増やせば増やすほど赤字が膨らむという、
極めて過酷な状況に置かれている企業も少なくありません。
- 政府の物価高騰対策に対する厳しい評価
政府はさまざまな物価高騰対策を打ち出していますが、
現場の企業の評価は非常に冷ややかです。
本アンケートにおいても、
対策の効果を「大いに実感している」と答えた企業はわずか0%でした。
その要因の一つに、
政策の「的外れ」な側面が指摘されています。
例えばガソリン価格の高騰対策では、
トリガー条項の凍結解除が見送られた一方で、
補助金の投入が続けられています。
しかし、ガソリン税に消費税が課される「二重課税」の問題は手付かずのままです。
消費税についても、
景気が悪化し消費が冷え込んでいる状況下で、
昨年度の税収は過去最高を記録しました。
消費税は「安定財源」の名の下に、
企業の業績にかかわらず確実に徴収されます。
利益が出ない中小企業にとっては、
納税そのものが経営を圧迫する重い負担となっており、
給与引き上げを求める政府の掛け声と、
実態を無視した税制の矛盾が鮮明になっています。
- 地域格差と構造的問題
価格転嫁の動きを地域別に見ると、
政府の政策がダイレクトに反映されやすい首都圏(東京)に比べ、
地方や、特定の巨大産業に支えられている地域ほど、
転嫁が難しくなる傾向があります。
これは、日本の官僚組織や金融機関における「保身と忖度」の文化とも無関係ではありません。
現場の実情に即した柔軟な対応よりも、
既存のルールや利権を守る姿勢が優先され、
真に支援が必要な中小・零細企業の自助努力だけでは補いきれない限界に達しています。
結論:求められる「常識の破壊」と共助の姿勢
現状のまま「お上(政府)」の対策に依存し続けても、
地方の中小企業がこの難局を乗り越えるのは困難です。
行政側の専門家委員会などが、
結果責任を負わない立場から緊縮財政や現状維持を唱えるなか、
企業はこれまでの常識を破壊し、
自らを変革していく必要があります。
今、必要なのは政府に頼り切る「公助」ではなく、
企業が自ら立ち上がる「自助」、
そして同じ志を持つ仲間と連携する「共助」の精神です。
既存の産業構造や常識に縛られず、
自分たちで新しい価値と価格を守る仕組みを構築していくことが、
日本経済が再び活力を取り戻すための唯一の道であると考えられます。
要約
- 実態(東海4県の価格転嫁)
- 価格転嫁は「一部でも実施」68%、一方で約2割は「全く転嫁できず」。
- 自動車を軸とする製造業では、長年のコストダウン慣行が交渉余地を狭め、川下の中小企業ほど不利。
サービス・小売にも赤字拡大の連鎖。
- 政策評価(物価高騰対策の実効性)
- 政府対策を「大いに実感」は0%。
トリガー条項は凍結のまま補助金継続、ガソリン税への消費税という二重課税は未解決。
- 景気後退下でも消費税収は過去最高で、中小の資金繰りを圧迫。
賃上げ要請と税制運用の矛盾が露呈。
- 地域要因(構造と文化)
- 首都圏に比べ地方・特定産業依存地域ほど転嫁は難化。
「保身・忖度」的な運用が柔軟な現場対応を阻害。
- 結論(打ち手の方向性)
- 「公助」依存だけでは限界。
自助(原価の見える化×値上げ設計)と共助(同業連携・共同交渉)で、常識や慣行を更新。
価格と価値を守る仕組みづくりが急務。
本動画のポイント
- 東海4県における価格転嫁の進捗とボトルネック
- 政策の矛盾(トリガー条項・二重課税・税収構造)のビジネス影響
- 価格改定の実務:指数連動条項/燃料・原材料サーチャージ/四半期見直し
- 川下企業の交渉技法:価格ウォーターフォールと顧客選別
- 自助×共助の設計:同業連携・共同宣言・標準約款化の勧め
この動画から得られること
- 市場理解
- 東海4県の価格転嫁データと業種別の難所
- 政策運用が資金繰りに与える定量的影響の捉え方
- 価格設計
- 価格ウォーターフォールで漏れを可視化
- 指数連動(銅・鋼材・燃料・為替)とサーチャージ設計
- 交渉実務
- 価格改定通知の構成とエビデンス添付の作法
- 代替条件(仕様・リードタイム・最小ロット)の引換え設計
- 取引管理
- 顧客の採算マップ化と「撤退基準」の明確化
- 標準約款・四半期見直し条項の導入手順
専門家の付加価値(実務テンプレート)
- 価格設計フレーム(3層)
- 目標限界利益率の設定:GM%=粗利÷売上。
原材料+エネ+物流の変動分をまず満額反映。
- 価格ウォーターフォールで漏れの特定:定価→リベート→無償対応→輸送費→支払条件→純売上。
- 連動仕組み化:指数連動(例:国内鋼材×四半期平均±5%で自動改定)、
燃料・為替サーチャージ、
見直し周期(四半期)。
- 交渉設計(チェックリスト)
- 改定通知の骨子:①目的(供給継続)
②根拠(指数・請求書)
③改定幅と式
④発効日
⑤代替案(仕様・LT)
⑥再協議条項。
- 代替条件の提案:最小ロット拡大/納期延長/梱包簡素化/支払サイト短縮と引換に改定幅圧縮。
- エビデンス添付:原価推移グラフ、指数出典、運賃改定通知、過去の歩留まり改善履歴。
- 契約・条項(雛形の要点)
- 価格調整条項:主要指数±X%変動時、期首価格を自動改定。
上限・下限レンジ明記。
- サーチャージ条項:燃料・電力は別建て請求/公開指数連動。
- 四半期見直し・協議条項:定例化し、臨時改定も可能に。
- 取引ポートフォリオ管理
- 3分類:A(採算良好)B(改善余地)C(撤退候補)。
Cは「改定不可時に段階的縮小」の基準日を設定。
- KGI/KPI:改定受入率、平均改定率、GM%回復、値引き率縮小、平均入金サイト短縮。
- 同業連携・共助
- 業界内の標準約款・共同宣言で「四半期見直し」を当たり前に。
- 購買協同組合でエネルギー・資材の共同購買、指数データの共同取得。
視聴後アクションの解説
- まず数字をそろえる(本日)
- 直近6カ月の原価・運賃・電力の請求書を集め、前年比と増減率を出します。
これが値上げ根拠です。
- 価格の漏れを見つける(明日)
- 値引き・無償作業・輸送費を含めた「実質単価」を一枚で比較します。
見えない値引きが分かります。
- 通知文の下書きを作る(48時間以内)
- 目的・根拠・式・日付を入れた1ページの改定通知を作り、証拠資料を添付します。
- 取引先を3つに分ける(今週中)
- A(話が早い)B(交渉要)C(厳しい)に分類し、交渉順を決めます。
Cには代替条件を用意します。
- 契約条項を見直す(2週間以内)
- 指数連動と四半期見直し条項の導入を提案します。
雛形は業界の標準約款を参照します。
- 同業者に声をかける(今月中)
- 共同で「四半期見直し」方針を宣言し、価格の当たり前を業界で整えます。
用語
- 価格転嫁:上がった原価を販売価格に反映すること。
- トリガー条項:一定条件で自動的に税を下げる仕組み。
- 二重課税(ガソリン):ガソリン税にさらに消費税がかかっている状態。
例え話
上流の堰が水を止めれば、
下流の田畑は干上がります。
だから下流側は水路を増やし、
水量計を付け、
必要な水を確保する仕組みが必要です。
価格も同じで、
流れの設計が命です。
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