1. 家賃支援給付金の現状とおさらい

令和2年は、まさに新型コロナウイルスに翻弄された一年でした。
政府による事業者への支援策の一つとして「家賃支援給付金」が実施されていますが、
その申請期限が令和3115に迫っています。

【制度の概要】

  • 給付額:
     法人最大600万円、個人事業者最大300万円(一括支給)。
  • 対象:
     資本金10億円未満の中堅・中小企業、小規模事業者、フリーランス。
  • 条件:
     2020年5月〜12月の売上高が「前年同月比50%以上減少」または
    「連続する3ヶ月の合計が前年同期比30%以上減少」していること。

9月時点のデータでは、
申請数に対し給付が追いついていない状況が見られましたが、
12
月現在は審査も進み、
給付件数も増えています。
しかし、依然として「思ったよりも申請数が伸びていない」という実態があります。

  1. なぜ申請を断念するケースが多いのか?

売上減少の条件を満たしていても、
申請を諦めざるを得ない「ネック」がいくつか存在します。

親族間・グループ会社間の取引は対象外
「法人成りした会社から、代表者個人が所有するビルへ家賃を払っている」
といったケースや、
親族が経営する物件を借りている場合は、
給付の対象になりません。
実態として家賃を支払っていても、
制度上は認められないため、
多くの大家さんや事業主がここで断念しています。

大家さんから証明書(印鑑)がもらえない問題
当初は賃貸借契約書の添付が必須でしたが、
契約書が古い、
あるいは紛失しているケースに対応するため、
大家さんの署名捺印がある証明書での代替が可能になりました。
しかし、いざお願いすると大家さんに拒否されるケースが続出しています。
その背景には、
大家さんが「家賃収入を適切に税務申告していない(脱税している)」
という事情が隠れていることが少なくありません。
証明書を出すことで、
税務署に自分の収入が把握されることを恐れているのです。

  1. 「給付金」の後にやってくる税務調査のリスク

山内先生が強調されるのは、
この給付金申請によって蓄積された「データ」の重要性です。

家賃支援給付金や持続化給付金の原資は税金です。
政府は今回、スピード重視で給付を行っていますが、
これによって「誰がどこにいくら家賃を払っているか」
「誰がどれだけ売上を減らしているか」という詳細なデータが国に集まりました。

このデータは今後、確実に国税庁との紐付け(名寄せ)が行われます。

  • 大家さん側: 申告していない家賃収入が発覚し、遡って調査される。
  • 店主側: 虚偽の申請や、不自然な売上操作が疑われる。

税務調査は通常、
過去7年分まで遡ることができます。
コロナ禍が落ち着いた来年度以降、
全国的に厳しい調査が入ることが予想されます。

  1. 不動産オーナーへの提言

不動産投資は比較的安定した投資とされますが、
今回のような有事の際、
テナント(飲食店など)を多く抱えているオーナー様は大きな影響を受けました。

今後、インボイス制度の導入なども控えており、
管理が不透明な物件は経費として認められにくくなるなど、
さらに厳しい環境になる可能性があります。
これからの時代、
不動産オーナーには「ただ貸しているだけ」ではなく、
社会情勢を先読みし、
コンプライアンス(法令遵守)を整えた経営を行う「事業者としての覚悟」が求められます。

まとめ

家賃支援給付金の申請期限は令和3115日です。
対象となる方は、
後回しにせず、
もらえるものはしっかりと確保して不況に備えてください。
ただし、それは「データが国に残る」という事実を理解し、
クリーンな経営を前提としたものであるべきです。

これからの厳しい時代を生き抜くために、
目先の数字だけでなく、
長期的な視点を持って経営を整えていきましょう。

要約

- 制度の位置づけと現状
  -
令和2年のコロナ禍で創設された「家賃支援給付金」は、法人最大600万円・個人最大300万円を一括給付。
    要件は売上50%減(単月)または30%減(連続3カ月)。
  -
申請は進捗したが、対象なのに申請を断念する事例が少なくなかった。

- 申請断念の典型要因(MECE
  -
関連当事者取引の除外:親族・グループ内賃貸は対象外(個人所有ビルへ自社が支払う等)。
  -
書類の壁:賃貸借契約書不備時の「家賃支払証明書」を家主が発行拒否(未申告リスク回避など)で頓挫。

- 給付のに来る波
  -
給付データは国に蓄積・名寄せされ、確定申告情報と照合される。
    未申告家賃・虚偽申請は税務調査(最長7年遡及)対象になり得る。

- 不動産オーナーの要諦
  -
有事は「ただ貸しているだけ」では守れない。
     インボイス制度を含むコンプライアンス整備、書類一式の可視化、関連当事者ルールの理解が必須。

- 実務への落とし込み
  -
契約・通帳・領収の三点照合、関連当事者判定フロー、
     将来の給付・補助でも使い回せる証憑パッケージ化で、申請可否もリスクも事前に判定する。

 

例え話

 高速道路のETC
走行履歴が自動で残ります。
給付金も同様で、
「支給」というゲートを通った瞬間に
データは記録されます。
後から「通っていない」と
言い張ることはできません。
だからこそ、
最初から堂々と照合できる
帳簿と証憑が必要です。

 

この動画から得られること

- 家賃支援給付金の要件・対象外取引(関連当事者)の整理と証憑要件
-
申請断念の典型パターンと回避策(契約・通帳・家主証明の三点セット)
-
名寄せ前提の税務リスク(過少・無申告・重加算の可能性)と防衛策
-
インボイス制度の影響(事業用賃料の適格請求書・課税/免税判定)と実務運用
-
不動産オーナーのコンプライアンス設計図(証憑パッケージ化・関連当事者基準・月次照合作法)

 

専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)

- 申請・対象判定のロジック
  -
売上判定:単月▲50/連続3カ月▲30%の両基準で試算し、客観資料(売上台帳・試算表)と整合。
  -
関連当事者の除外:親族・グループ内賃貸は原則対象外。
                                    第三者性の有無を事実関係で確認・記録。

- 証憑パッケージ(再利用可能な標準セット)
  -
賃貸借契約書(最新の更新合意含む)、
     賃料の振込通帳コピー、
     家賃支払証明(家主署名・押印・期間・金額・物件特定)。
  -
請求書・領収書の連番管理、差額発生時の調整根拠(賃料減額合意書等)。

- 名寄せ・調査に備える
  -
帳簿=通帳=証憑の三点照合を月次で実施。
    差異は注記・是正。
  -
税務調査の類型と加算税リスク(過少・無申告・重加算)を把握し、反面調査対応窓口を一本化。

- インボイス制度(2023/10〜)の実務
  - 事業用賃料は課税が原則(住宅は非課税)。
    適格請求書発行事業者の登録要否を売上規模・取引先要請で判断。
  -
請求書の必須記載、預り金/共益費の区分、消費税区分・端数処理ルールを社内標準化。

- 不動産オーナーの統制
  -
口座集約(賃料入金専用口座)、入出金フローの見える化、月次の家賃回収レポート。
  -
関連当事者取引の社内規程整備(相対・相場・稟議・開示)。

- 実務チェックリスト(着手順)
  - 1
)契約・通帳・証明の三点セットを最新化
  - 2
)関連当事者の有無を判定し、事実関係を文書化
  - 3
)売上判定表(50/30%)を作成し、根拠資料を綴じる
  - 4
)インボイス登録の可否と請求書様式の確定
  - 5
)月次三点照合と差異是正フローを運用開始

 

視聴後アクション

- 今日やること:賃貸借契約書・家賃入金の通帳コピー・家賃支払証明(未整備なら様式を準備)の
                           3点を一か所に集めてください。
-
今週中:売上の判定表(単月▲50%/連続3カ月▲30%)を作り、根拠となる売上台帳や試算表を添付。
                関連当事者(親族・グループ)の取引がないかも確認します。
- 2
週間以内:請求書フォーマットをインボイス対応版に更新(事業用賃料の課税・非課税の区分も明記)。
                     発行・保存ルールを文書化します。
-
今月中:通帳=帳簿=証憑の三点照合を月次で回す運用を開始。
                差異が出たら、その理由を一行メモで残し、翌月に是正してください。
-
迷ったら:「契約・通帳・証明の三点が一致しているか」を一つだけ確認してください。
                   ここが一致していれば、多くのリスクは避けられます。

 

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