9月に発表された「基準地価」の動向と、
今後の不動産市場の見通しについて解説します。
- 土地の価格を決める「4つの指標」
土地の価格には「一物多価(いちぶつたか)」という特徴があり、
一つの土地に対して複数の評価額が存在します。
主に以下の4つの指標がありますが、
それぞれ評価の目的が異なるため、
同じ土地でも価格が異なります。
- 公示地価: 国土交通省が発表(1月1日時点の価格を4月に公表)。
- 路線価: 国税庁が発表。相続税や贈与税の算定基準(1月1日時点の価格を7月に公表)。
- 固定資産税評価額: 市町村が発表。固定資産税の基準。
- 基準地価: 都道府県が発表(7月1日時点の価格を9月に公表)。
今回は、最新の「基準地価」に焦点を当てて分析します。
- コロナ禍による地価下落と「二極化」の進行
今年の調査では、
新型コロナウイルスの影響により、
全国平均が数年ぶりに下落に転じました。
特に東京・名古屋・大阪の三大都市圏では平均してマイナスとなっています。
【顕著な下落が見られた地域】
特に商業地の落ち込みが激しく、
東京都内では「銀座」や「浅草」の下落が目立ちました。
- 銀座(明治屋ビル前):
1平方メートルあたり4,100万円というバブル期を超えるピーク値から、
約5%下落しました。 - 要因:
インバウンド(訪日外国人客)の激減により、
商業施設や店舗の撤退が相次いだことが大きく影響しています。
【上昇を続けている地域】
一方で、全ての地域が下がっているわけではありません。
以下の場所では地価が上昇しています。
- 物流拠点:
eコマース(ネット通販)の需要拡大により、
高速道路のインターチェンジ付近などの物流適地は上昇しています。
例えば、千葉県松戸市の緑ヶ丘駅周辺では11.5%上昇、
沖縄県豊見城市では28.9%もの上昇を記録した地点もあります。 - 地方中核4市(札幌・仙台・広島・福岡):
これらの都市では、
調査地点の約9割で地価が上昇しており、
都市部と地方、
あるいは用途による「二極化」が鮮明になっています。
- 行政データと「実際の取引価格」の乖離
ここで注目すべきは、
国税庁が公表する「路線価」との関係です。
基準地価が10%以上下落している地点があるにもかかわらず、
国税庁は「路線価を下げるほどの状況ではない」として、
現時点では路線価の減額修正には消極的です。
全国平均の下げ幅が小さいことを理由にしていますが、
実態との乖離(かいり)を感じざるを得ない場面もあります。
また、行政が発表する指標と、
市場での「実勢価格(実際の取引価格)」も必ずしも一致しません。
指標が下がったからといって、
売り主がすぐに安値で手放すわけではないため、
実際の売買現場では高値が維持されているケースも多々あります。
- 不動産投資への影響と今後の戦略
不動産投資の観点から見ると、
地価の下落がそのまま「家賃の下落」に直結するわけではありません。
- 家賃は需給バランスで決まる:
地価指標よりも、
そのエリアの需要と供給のバランスが重要です。
例えば静岡県内でも、
供給が多い浜松市は家賃が下がりやすい傾向にありますが、
静岡市は高止まりしています。 - 働き方の変化への対応:
「働き方改革」やテレワークの普及により、
自宅と職場の境界が曖昧になっています。
今後は、こうしたライフスタイルの変化に
マッチした住宅やマンションが選ばれ、
対応できない物件は淘汰されていくでしょう。
- まとめ
「基準地価下落」というニュースを見て焦って売却したり、
過度に買い控えたりする必要はありません。
統計データはあくまで一つの目安であり、
大切なのは「自分の目で実態を確認すること」です。
不動産はまさに「生き物」であり、
環境や社会情勢によって刻一刻と変化します。
ネット上の断片的な情報や、
偏ったメルマガの記事などに惑わされることなく、
正確な情報を集めて冷静に判断することが、
不動産投資や相続対策において成功する鍵となります。
今後も、国や行政が発表するデータの正しい読み解き方について
情報発信を続けていきます。
不安なことや具体的な相談があれば、
ぜひ専門家へお問い合わせください。
要約
- 4指標の使い分けが出発点:土地価格は一物多価。
公示地価(国交省)、
路線価(国税庁)、
固定資産税評価額(市町村)、
基準地価(都道府県)は目的が異なり、同一地点でも価格が異なる。
- 最新の基準地価は下落だが「二極化」:コロナ禍で商業地中心に下落(銀座・浅草等)。
一方で物流適地や地方中核4市(札幌・仙台・広島・福岡)は
上昇が目立つ。
- 行政指標と実勢のズレ:基準地価が下がっても路線価は硬直的で下方修正に消極的な地点がある。
さらに統計と実取引(実勢価格)は一致しないことが多い。
- 家賃は地価と直結しない:家賃は需給(雇用・人口・新規供給)と商品力で決まる。
エリア内でも浜松は供給過多で弱く、静岡市は高止まりなど、内在的差が大きい。
- 投資判断は“複数指標×現地×収益”の三点照合:統計は目安に過ぎない。
現地確認と実勢データ、NOI・利回り・出口条件を重ね合わせて意思決定する。
例え話
体温だけで
健康は判断できません。
血圧・血糖・脈拍を総合して
診断するのが医療。
不動産も同じで、
単一指標(基準地価)ではなく
複数データを重ねて
現場で確かめることが
最短ルートです。
この動画から得られること
- 公示地価・路線価・固定資産税評価額・基準地価の違いと実務での使い分け
- 二極化の見取り図(商業地弱含み/物流・地方中核強含み)とエリアの選別軸
- 行政指標と実勢価格のギャップを埋める方法(成約事例・募集賃料・空室率の照合)
- 家賃形成の実務(需給KPI・商品力・働き方変化)と賃料耐性の検証
- 収益評価の型(NOI・利回り・DSCR・出口利回り)と3シナリオ試算
専門家の付加価値(実務ポイント・チェックリスト)
- 指標の使い分け
- 公示・基準地価:時点の方向感を掴む(マクロ傾向)
- 路線価:相続・贈与・資産税の設計
- 固定資産税評価:保有コストと賦課の妥当性
- 実勢評価:取引事例比較法・収益還元法(NOI/Cap、DCF)
- 二極化シグナル
- 人口・世帯・求人倍率、IC/幹線アクセス、空室率・着工戸数、法人移転動向
- 価格・賃料の整合
- リースアップ想定、賃料減額耐性(−5%/−10%)、空室期間、AD・初期費用の水準
- 収益評価の型
- NOI=賃料収入−空室損−運営費、CapRateで価格評価、DSCR>1.2、LTV60〜70%目安
- 出口利回り・修繕CapEx・金利感応度(+1〜2%)の3シナリオ
- データソース
- 国交省地価公示・都道府県地価調査、REINS成約、ポータル賃料、自治体統計、鑑定協会レポート
- 実務チェックリスト(着手順)
- 1)ターゲットエリアを定義(用途・規模・利回り目標)
- 2)4指標を収集し、乖離表を作成
- 3)実勢価格・賃料・空室率を収集(3出典以上)
- 4)NOI・利回り・DSCRの3シナリオ試算(ベース/弱気/強気)
- 5)現地確認(需要発生源・競合・管理状態)で仮説検証
- 6)出口条件(売却利回り/保有年数)とCapEx計画を確定
視聴後アクション
- 今日やること:気になるエリアを一つ選び、
公示地価・基準地価・路線価・固定資産税評価の4指標を一覧にしてください。
- 今週中:同エリアの成約事例(REINS等)と募集賃料、空室率を3出典で集め、
統計とのズレを赤字で書き出します。
- 2週間以内:想定物件のNOIと利回り、金利+1%・賃料−5%の耐性を試算。
DSCRが1.2を下回る場合は改善策を一つ決めます。
- 現地確認:需要発生源(駅・雇用・大学・病院)と競合供給を歩いて確認。
物件の管理状態・周辺の生活導線もチェック。
- 迷ったら:「家賃は誰が払うのか」「その人は10年後もいるのか」を一行で説明できるか自問してください。
説明できれば、判断はぶれません。
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