2022年度の税制改正大綱に基づき、
住宅ローン控除の見直し内容とその背景にある「実質的な増税傾向」について、
実務的な視点から解説します。
- 住宅ローン控除の延長と控除率の引き下げ
今回の改正により、
住宅ローン控除の適用期限が4年間延長されました。
しかし、最も大きな変更点は、
控除率が従来の1.0%から0.7%へと引き下げられたことです。
この背景には、
会計検査院による指摘がありました。
近年の低金利により、
住宅ローンの借入金利が1%を下回るケースが全体の約78%に達しており、
「支払う金利よりも、戻ってくる控除額の方が多い」
という逆ザヤ現象が生じていました。
国はこれを「住宅購入を促すという本来の趣旨から外れ、
控除を受けるために必要のないローンを組んだり、
繰り上げ返済を控えるといった動機付けになっている」と判断し、
控除率を0.7%に調整したのです。
- 一般住宅の借入限度額の縮小と「省エネ重視」へのシフト
今回の改正では、
住宅の種類によって借入限度額が細かく設定されました。
特に注目すべきは、
環境性能を持たない「一般住宅」に対する扱いです。
- 一般住宅の借入限度額:
- 従来の4,000万円から3,000万円へと大幅に引き下げられました。
- 環境性能による差別化:
長期優良住宅、低炭素住宅、ZEH(ゼッチ)水準住宅など、
高い省エネ性能を持つ住宅には、
より高い借入限度額(4,000万〜5,000万円)が設定されています。
これは政府が掲げるカーボンニュートラル(脱炭素社会)の実現に向けた政策的な誘導であり、
2024年以降は省エネ基準を満たさない新築住宅は原則として控除対象外となるなど、
非常に厳しい内容となっています。
- 所得要件の引き下げによる「富裕層の除外」
適用を受けるための所得要件についても厳格化されました。
- 合計所得金額:
従来の3,000万円以下から、
2,000万円以下へと引き下げられました。
これにより、高所得者層は住宅ローン控除の恩恵を受けられなくなります。
また、床面積要件については、2023年末までに建築確認を受けた住宅に限り、
所得1,000万円以下の層に対して
「40平米以上(従来は50平米以上)」への緩和が2年間継続されます。
- 住宅取得資金贈与の特例の見直し
父母や祖父母から住宅資金の贈与を受けた際の非課税枠についても、
2年間延長されましたが、
その内容は縮小(増税)傾向にあります。
- 非課税限度額:
省エネ等住宅は1,000万円、
一般住宅は500万円に縮小されました。 - 年齢要件:
成年年齢の引き下げに伴い、
受贈者の年齢要件が18歳以上に拡大されました。 - 所得要件:
住宅ローン控除と同様に、 - 合計所得金額2,000万円以下が適用条件となります。
- 総評:実務家からのアドバイス
今回の改正は、
項目としては「減税制度の延長」ですが、
中身を見れば「控除率の減・借入限度額の減・所得要件の厳格化」という、
実質的な増税であると言わざるを得ません。
最近の住宅市場では、
特に地方(浜松市など)でもローコスト住宅の需要が高まっていますが、
借入金額や年収のバランスを慎重に見極める必要があります。
控除額ありきで無理なローンを組むことは、
資産形成の観点からは本末転倒です。
住宅購入を検討される際は、
銀行のシミュレーションだけでなく、
事前に税理士などの専門家に相談し、
ライフプランに合った最適な借入額を検討されることを強くお勧めします。

要約
- 住宅ローン控除の骨子
- 期限は延長。
ただし控除率は1.0%→0.7%へ引下げ(逆ザヤ解消が目的)。
新築は控除期間13年(中古は10年据置)。
- 借入限度額と省エネ重視
- 一般住宅の借入上限は4,000万円→3,000万円へ縮小。
一方、長期優良・低炭素・ZEH水準等の省エネ住宅は4,000〜5,000万円の高枠を維持・設定。
2024年以降、省エネ基準不適合の新築は原則控除対象外。
- 適用対象の絞り込み
- 所得要件は合計所得3,000万円以下→2,000万円以下へ厳格化。
床面積は40㎡緩和が一部継続(所得1,000万円以下・23年末確認分まで)。
- 住宅取得資金贈与の縮小
- 非課税枠を2年延長しつつ、限度額は省エネ1,000万円/一般500万円へ縮小。
年齢要件は18歳以上、所得要件は2,000万円以下。
- 総評(実務目線)
- 名目は減税延長だが、中身は「控除率↓・上限↓・所得要件↑」で実質増税傾向。
控除ありきの過剰借入は禁物。
省エネ要件・所得・金利を織り込んだ保守的な資金計画が必須。
この動画から得られること
- 制度の要点早見表
- 控除率・期間、所得・面積・省エネ要件、借入上限の新基準/適用開始・除外の時期感。
- 逆ザヤ判定と金利設計
- 年間控除額(残高×0.7%)と年利息の比較で“逆ザヤ回避”を可視化。
固定/変動/ミックスと繰上返済の考え方。
- 借入額の決め方
- DTI(手取りに対する住居費)25〜30%、生活防衛資金6〜12か月、金利+1.0%ストレステストの三本柱。
- 省エネ適合の実務
- 適合ルート(長期優良・低炭素・ZEH水準・新省エネ基準)の証明手順とコスト感。
非適合リスクと代替策。
- 贈与の使い方
- 1,000/500万円の枠と所得2,000万円要件、18歳以上の適用範囲、契約・振込・使途の証拠化。
専門家の付加価値(実務テンプレート)
- 逆ザヤチェックシート
- 年間控除額(年末残×0.7%)と年利息の差を計算。
差がマイナス(控除<利息)なら逆ザヤ解消 OK。
- 借入意思決定フレーム
- DTI(住宅費/手取り)≤25〜30%・金利+1.0%ストレスで黒字・防衛資金6〜12か月確保を満たす借入額と金利タイプ。
- 省エネ適合ルート一覧
- 長期優良/低炭素/ZEH水準/新省エネ基準 の要件・証明書・費用・期間の早見表。
- 贈与の証拠化三点セット
- 贈与契約書(18歳以上)・振込控・資金使途の領収書/写しの一式化。
- 購入前の必須チェック
- 物件スペック(面積・省エネ等級)・入居期日・建確日・所得見込み・銀行シミュレーションの整合。
視聴後アクション
- 逆ザヤを試算する
- 借入予定額と金利で年利息を出し、年末残×0.7%と比較。
逆ザヤを避ける金利タイプを仮決め。
- DTIを計算する
- 手取りに対する住宅費(元利・税・管理修繕)を算出し、25〜30%内に収まる借入額へ調整。
- 省エネ適合の可否を確認
- 設計者・販売会社に適合ルート(長期優良等)と証明書発行の可否・費用・納期を確認。
- 贈与の枠と証拠を整える
- 1,000/500万円枠と所得要件を確認し、贈与契約・振込・使途の証拠化を実施。
- 相談先を決める
- 税理士に控除・贈与の適用性を、銀行に金利・返済計画を、二者の整合を事前に確認。
- 期限をカレンダー化
- 建確・入居・申告の各期限、証明書取得・贈与手続のスケジュールを登録。
例え話
以前の住宅ローン控除は、
毎月の支出を相殺する“大きなクーポン”でした。
今は小さくなった分、
クーポン頼みではなく、
買い物(物件・省エネ)と財布(借入・金利)を賢く設計する家計術が求められます。
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