所有者不明土地問題の実態と現場の苦労

 以前も取り上げましたが、
現在「所有者不明土地」の増加が大きな社会問題となっています。
これに対応するための法律も整備されつつありますが、
実務に携わる立場からすると、
その進展はあまりにも遅いと感じざるを得ません。

 不動産の実務現場では、
土地の所有者を探し出すのは至難の業です。
たとえ相続人が見つかったとしても、
価値が低い土地などの場合は相続放棄されてしまうケースが多々あります。
その結果、
土地は誰のものか分からない状態になり、
最終的には自治体が管理することになりますが、
活用されないまま放置されるのが現状です。

 こうした土地を競売や公売にかけようとしても、
不動産鑑定士による評価や裁判所の手続きなどで、
最低でも1年以上はかかります。
一度で落札されなければさらに時間は延び、
膨大な労力とコストを要する非常に困難な作業となります。

成立した法律と、なかなか進まない施行状況

 「所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法」は、
実は令和元年(2019年)61日に成立しています。
しかし、法律が成立しても、
それだけで現場が動き出すわけではありません。

 法律を実際に運用するための「施行規則」を各省庁が定める必要がありますが、
管轄である国土交通省がこの規則を整え、
各行政機関に通達を出したのは、
令和3年(2021年)11日のことでした。
法律成立から稼働までに1年半以上も費やしているのです。

 さらに、行政が実際に土地を収用したり利用したりするためには、
各地方自治体で「条例」を制定しなければなりません。
現状、東京都などは令和41月から条例を発動し、
迅速な手続きができる体制を整えていますが、
他の多くの都道府県ではまだ条例制定の動きが鈍く、
実質的に機能していない地域がほとんどです。

「緊急の課題」と言いながら遅すぎる行政の対応

 この問題が深刻視され始めたのは平成28年(2016年)頃です。
それから何年も経過していますが、
行政の歩みはまさに「亀の歩み」です。

 時間が経過すればするほど、
問題は複雑化します。
例えば、ある抵当権抹消訴訟では、
当初5人だった被告(相続人)が、
裁判中に相続が発生したことで
最終的に80人以上にまで膨れ上がったケースがありました。
時間が経つにつれ関係者が増え、
解決はより困難になっていくのです。

 国や自治体は「緊急かつ重要な課題」と言いますが、
実際のスピード感を見ると、
5
年、10年といった長期スパンでしか考えていないように見えます。
他方で、
いわゆる「アベノマスク」の保管費用に多額の税金が投入されるといった事例を考えると、
その予算やエネルギーをもっと農業支援や土地開発の迅速化に充てるべきではないでしょうか。

柔軟かつスピーディーな行政への期待

 行政には、過去の失敗を認め、
より柔軟かつスピーディーに動く姿勢が求められます。
「前例がないから」と躊躇するのではなく、
東京都のような先行事例に倣い、
各自治体が早急に動くべきです。

 この所有者不明土地の問題だけでなく、
今後は「生産緑地」の2022年問題(宅地化による供給過多など)も含め、
土地に関する課題が山積しています。
今後もこの動画を通じて、
土地問題の重要性を皆さんに認知していただき、
行政の対応についても注視していきたいと思います。

要約

- 現状の実態
  -
所有者不明土地が増加し、相続放棄や低価値地の放置が常態化。
   自治体管理に移っても活用が進まず、地域の経済・防災・インフラ整備に影響。

- 法制度の流れ
  -
特別措置法(201961日成立)
施行規則(国交省、202111日通達)
各自治体の条例制定(東京都は20221月から運用)。
  多くの自治体は運用体制が未整備。

- ボトルネック
  -
所有者・相続人調査の難航、評価・裁判所手続きで競売・公売に1年以上。
    時間経過で関係者が雪だるま式に増加(5→80人の事例)。

- 影響と機会損失
  -
公共事業、農地・生産緑地の転用、空き地の防災活用が遅延。
    予算配分の歪みで土地活用の迅速化が後回し。

- 提言(実務目線)
  -
東京都モデルの横展開、前例主義の脱却、条例の早期制定と標準オペレーション(SOP)の整備。
    用地取得・抵当権抹消・地籍調査を並行処理する「時間圧縮」の仕組み化。

 

この動画から得られること

- 法・施行規則・条例の関係と時系列の正しい理解
-
実務で詰まる工程(相続人調査、評価、手続、入札)の特定方法
-
東京都の先行運用を他自治体・民間で応用するフレーム
-
時間による複雑化(当事者増加)を抑える優先順位設計
-
すぐ始められるチェックリストと問い合わせテンプレート

 

例え話

 所有者不明土地の問題は、
目に見えないところで詰まった配管に似ています。
蛇口(法律)を開けても、
途中の継ぎ目(施行規則)や各家庭の元栓(条例)が
閉まったままでは水は流れません。
水圧(予算・運用体制)を上げ、
継ぎ目を点検し、
元栓を開けてはじめてスムーズに流れます。

 

専門家としての付加価値

- 標準オペレーション(SOP)雛形
  1)
物件特定:登記簿・公図・固定資産課税台帳・地籍調査成果を同日取得
  2)
相続人調査:戸籍取得の外注指針とデッドライン(2週間/案件)
  3)
並行化:評価依頼(不動産鑑定)と利害関係人通知を同時始動
  4)
リスク分岐:相続放棄多発時は行政代執行/公有地化の可否を早期判定
  5)
入札計画:初回不落時の割引ステップと再評価要否を事前決定

- 自治体向け即効策
  -
条例テンプレートを採用し、決裁ラインを2層化(所管課長首長)
  - KPI
を「処理件数」ではなく「初動〜落札までの中央値日数」で管理
  -
先行自治体との連携協定(評価・公告・広報のひな形共有)

 

視聴後アクション

- 具体ステップ
  1)
地元自治体の「所有者不明土地に関する条例」の有無と窓口を確認
  2)
対象地がある方は、登記簿・公図・課税台帳の3点を同時取得
  3)
相続関係が不明なら、戸籍取得の代行可否を司法書士/行政書士に相談
  4)
売却・活用検討中なら、初回評価と入札不落時の価格見直しルールを事前合意
  5)
自治体・実務者の方は、処理KPIを「中央値日数」に再設定し月例で可視化

 

補助資料

- チェックリスト(抜粋)
  -
物件特定資料の取得日
  -
相続人調査の着手/回答期限
  -
鑑定評価の依頼日/納品日
  -
公告開始日/入札予定日
  -
不落時の次回条件と意思決定者

- 問い合わせテンプレ(要点)
  -
件名:所有者不明土地の条例運用について
  -
本文:対象地の所在、相談内容、希望する対応期限、連絡方法

 

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